あたしの海にさよならを -4ページ目

あたしの海にさよならを

あなたはあたしのすべてだったの。 だからさようなら。 さよなら、あたしの海。

らくがきがたまってきたのでろぐを纏める事にしました☆

今回はらくがきリク品のまとめですー^q^らくがきすぎてつら^q^







あたしの海にさよならを
てーさんリク:アレキサンダー

あたしの海にさよならを
かげさんリク:きお君

$あたしの海にさよならを
やえ様リク:チェシャ

あたしの海にさよならを
確かサキたん氏リクだったか:ようじょ

あたしの海にさよならを
…やえ様リクだっけ:図書館のひと

あたしの海にさよならを
確か英太様リク:えーとマルセロさんだっけか…

あたしの海にさよならを
結様リク:キチいひと

あたしの海にさよならを
かげさんリク:鬼さん…だったっけ?

あたしの海にさよならを
にこ様リク:ノエルさん 今描いてるので盛大にお借りしたい。

あたしの海にさよならを
やえ様リク:静君

あたしの海にさよならを
かげさんリク:壱樹君

$あたしの海にさよならを
桐様リク:坊主頭…だっけ?



えーとこのくらいみたいですね^q^
らくがきすぎてつら…^q^wwwwwwwww


「元幹部:ダビデ付ソルジャー」の面々がフランス支部に着くと、各々の携帯がけたたましく鳴る。

『遠くからご足労おかけ致しました、5階までお越し下さい』

送信者不明のメールを確認し、エマを除いた3名は指示通りに謎の幹部:デジレの居るであろう5階へと足を運ぶ。



  ――それはきっと蛇の共演



エレベーターの到着音が鳴る。そしてごうんと自動ドアが開いたかと思うと、目の前に映るのはまたドア。厳重にロックがかけられた黒塗りの鋼鉄のドアが3人を出迎えた。

「え、な、何ですかこれ…?」
「………俺達を入れたくないのだろうな」
「壁ぶち壊せばなんとかいけなくもないと思うんだけどねぇ~?」

各々の感想を述べる。と、サンが上を向いて手を振る。何をやっているんですかとリッチーが訊ねると、キースが天井のとある一点を指し示した。

「監視カメラ並び盗聴器…だろうな。余程顔を出したくないのだろう。」

そうキースが声を発してすぐ、びいいという喧しい電子音が響いた。そして、

『はいご苦労ォー。とりあえず貴公等への命令はァ、こうやってドア越しに行いますんでェ、よろしくおねがいしまァす。あァ、失礼、私はデジレ=ドゥシャン。顔はァ、諸事情あってェ、見せられなくってェ。失礼とは自分でも解ってるんでェ、赦してくださァい。』

小馬鹿にしたような電子音が天井から聞こえてくる。返答しようとするが、そのぬめっとした喋り方をするスピーカーが邪魔をする。

『えェとォ。ダビデが今回のルーマニア騒動で大ヘマしたんでェ、私はその代わりにあいつの仕事やることになりましたァ。つまり私の発言はあいつの発言と同じと考えてくださァい。よろしくー。ではァ、とりあえずはァ、貴公等書類ミス多過ぎなんでェ、それの修正しといてくれませんかァ?ドアの前に置いてるでしょォ?付箋つけてるんでェ、そこだけやっといてくださァい。』

その気味の悪いイギリス英語はまだ続く。リッチーは周囲をきょろきょろと見回しているし、サンはにやにやといつもの笑顔で気だるそうに立っていて、キースは目を閉じて壁に寄りかかり腕組みをしている。個性的な彼等をカメラ越しに見つつ、デジレは指示を続けた。

『あァ、あとォ、貴公等のことは監視してるんでェ、下手な動きはしないようにィ。…こんくらいですかねェ。あ、書類は終わったら同じ所に置いといてくれましたらァ。』

異論は認めないと言わんばかりに、デジレの長い長いお話は続く。ドアの上に取り付けている監視映像に映る彼等の中の、小刻みに震えている少年が少々気になった。こんなのがソルジャーかと一瞬は戸惑ったが、おそらくは一般人ぶっているのだろう、演技がうまいものだと感心する。流石にあの馬鹿も一般人を傍に置く程馬鹿ではない筈だと思考を元に戻し、最後の指示を彼等に出す。

『あァ待って、それよりもォ、優先してやって欲しいことがあるんだァ。書類は帰って来てからで構いませェん。じゃあ貴公等に初めての命令ェ。』

一息整えて、

『サボり中のエマ=オールウィンを連れてこい。位置は解っているので早急に。直ちに。すぐ。早く。』

少し怒り気味の電子音が元ダビデ付ソルジャーに命令を発した。


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「…おい、ありゃァ…ちょォっと癖強過ぎねェかァ?」

ソルジャー達にエマの強制連行令を発して数十分、デジレはイギリス・リヴァプール支部へと電話を繋いでいた。電話越しから倦怠感の漂う声が聞こえる。それと同時に異常な速さでペンを走らせる音が聞こえ、急いで仕事を済ませようとしているのが手に取るように解った。普段のアレは書類に目を背けているらしいが、元は事務ができないわけではないのだ。面倒だからしないだけだとしょっちゅう言っているのを思い出す。今現在己に課せられた仕事を着々と進めているのは恐らく、早く元の地位へと戻りたいという執念からであろう。

「テメェから見たらそうだろうなァ…。ま、あいつ等は癖があって面白いっちゃァ面白いぜ?」

彼にしか見せないフランス語ではなく何時も通りのイタリア語なのは、周囲に人が居るからであろう。お構いなしと言わんばかりにデジレはフランス語で話を続ける。

「…まァ、観察するぶんには楽しいがなァ…。…連絡、取らなくていいのか?お前の兵だったんだ。」
「…ああ、良いんだ。貴方に預けてれば安心だ。…あいつ等がどう思うかは知ったこっちゃねェがな」

なんだそれはと返事をする。他愛のない会話、だがそれはダビデをダビデとして存在させるために必要な事であった。放っておくと彼はいつ自害するか解らないのだ。そんな面倒な血の繋がりの無い弟とどうでもいい会話を何分か交わして、

「あァそうだ、なァ…ダヴィド。」

ふと、真剣な声色で話を切り出す。と、それを察したのか、ダビデはかけ直すと言い電源を切った。数十分の後、別の番号から着信。恐らくあの馬鹿の事だ、その辺をうろついていた人間をぶん殴って強奪したのだろう。通話を開始と同時に、ろくな変装もせずに馬鹿かと愚痴をひとつ。するとダヴィドはまあいいでしょうと適当に返す。この男の質の悪い所は、素手による暴力で捩じ伏せる事を至高とする所である。ひとつ溜息を吐く。

「…で、話は何でしょう。貴方の事です、とても素敵な御話だと思ったのですが。」

声色が変わる。これがドゥシャンの娘・ダヴィドの本来の姿である。聴く人が聴けば人を小馬鹿にしたようであり、聴く人が聴けば艶かしく誘うような喋り口を電子音越しに投げかける。デジレは気味の悪いとそれを一蹴、真剣な面持ちで話を持ち出した。

「…ひとつ美味しい話がある。一気に挽回できるチャンスかも知れねェ。だがリスクがあまりにも高過ぎる。…どうする?乗るか?」

数秒の間。ざざ、という、周囲の音しか聞こえないその日常の断片をぶち壊すように、電子音の「ダビデ」がくすくすと笑い声を零した。そして、

「何を躊躇う必要がありましょう?それが近道と云うのでございましたら、いくらでも咎を受けますよ。」

そうか、とひとこと。そしてデジレはその「美味しい話」を彼に教えた。勿論盗聴防止として、他愛のない言葉に断片を詰め込んで。

「んー…そっかァ、不倫はよくないですね。」
「そう、よくないコト、なんだなァ。」
「…了解、【ちょっと祝ってくるわ】」
「【花束は忘れちゃァ駄目ですよォ?】」

イタリア語で会話を締め、それはそれは仰々しく、互いに顔が見えないというのに祈る仕草を行い、彼等のいつもの挨拶で通話を終わらせた。

「【ドゥシャンの御家に誉れあれ】」
「【ドゥシャンの御家に光あれ】」

その通話を行って数日後、監視対象であったダビデ=O=インノチェンティがリヴァプール支部から姿を消したという連絡がRCイギリス拠点各地に報告された。




  ――それはきっと蛇の共演、或いは狗の狂宴



どちらの牙にも気をつけるべきだ、片方は咬み千切られ、片方は全身を蝕む。



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^q^^q^^q^^q^^q^wwwwwwwwwwwwwwww
とりあえずエマちゃんを本部に呼び寄せるだけの簡単なお仕事でしt←←←←←←←←←←←←←←
あとダビデに盛大なフラグを立てておきましたwどこに行くのかしらねw
ていうか短いですねさーせんwwwwww^q^wwwwwwww


みゃおう、みゃおう。
さみしがりの猫が、すこしでも癒されますように。


  ――しあわせの黒猫、或いは


「そういやァよォ、お前の連れのオンナ、アレの誕生日、もうすぐだろ?祝わなくて良いのかァ?」

何の事か全く解らず訊ね返すと、どうやらエマの事を指していたようだ。とんでもない勘違いをしている電話先の男に阿呆かと言う。何よりも連れの女という表現がどうしても気に食わない。ソルジャー如きにそんな感情抱くかよと文句をひとつ。すると痛烈なカウンターが入る。

「【ソルジャー】?今はお前のソルジャーじゃねェだろォが。お前は幹部様か?御偉いのかァ?なら何でイギリス支部になんか居るんだ?あァ?」

あまりにも痛い反撃に黙り込んでしまう。確かに今のダビデは幹部ではない。よって「ダビデ付ソルジャーだった皆」とは連絡を取らないように心がけていた、空虚感に苛まれ引き返したくならないように。そして全てが終わった時に、例え上司と部下という立場でなくとも、また彼等と笑顔で話が出来れば良いと、そう思っていた。大事な友人と彼は思ってはいるのだが、彼等はどう思っているかは知らないしどうでも良かった。

「で、連れの女って発想に至る訳か…阿呆か。あんなんじゃ欲情しねェよ」

本日2度目の罵言を吐いて携帯の電源を落とし、イギリスの街並をあても無くふらふらと歩き始めた。ちらりと海辺を眺める。そういえば嘗て愛した女は自分の瞳を海色と揶揄していたか。そんな事をふと思い出し、そのやさしい思い出を振りほどくように早足で過ぎた。


「…あ、」

ふと目に映ったひとつのちいさなアクセサリショップ。店頭に展示されていたひとつのアクセサリが気になり、立ち止まる。ちいさな猫が走り去るようなペンダントトップのネックレス。瞳の部分にはブラウンダイヤモンドであろう、きらきらと光る宝石が埋まっている。10月3日、確かブラウンダイヤモンドが誕生石ではなかったか。どうもアレの為に存在するようなそれであると、少々忌々しげに見やる。まるで買えと言わんばかりに猫がこちらを睨んできた。タイムリーな話題すぎるだろうあの眼鏡野郎と一言呟き、長い長い溜息を吐く。

「…ま、どうせ不審物って棄てられるのがオチさ」


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「……い、一体誰からですか…気味の悪い。」

Re dei Caniフランス支部。仮設された執務室のエマの机に謎の小包がぽつり。派手なリボンとシオンの造花を携えたそれがやたらと己を主張していた。宛名や差出人の表記は一切ない。綺麗にラッピングされているのが非常に恐ろしい。中身はちゃんとチェックされたのだろうか、爆弾でも入っていたらどうするのだ。そんな愚痴を呟きながらも、中身がとても気になる。

「…ば、爆弾が入るような大きさ…ではないです、かね?でも最近は小型爆弾とか…うー…でも気になりますねー…。」

逡巡の後、

「ええい!」

ラッピングを大胆に破る。と、そこには小さな桃色の可愛らしいケエス。流石にそれに爆弾が入っている事はないだろうとケエスの蓋を開けた。

「わあ!とっても可愛い猫さんですねー」

猫が駆けるような可愛らしいネックレス。ブラウンの瞳が太陽の柔らかな光を反射して嬉しそうに煌めく。

「…これ、私の机にあったんですから私のものですよねー?」

こそこそと周囲を見回し、今は誰もいないその部屋に誰にも聞こえないような小さな声でぽつりと訊ねる。そしてこっそり首に飾る。ちらりと鏡を見、自慢げに胸元のそれを翳す。自分の鎖骨の上で楽しげに走る猫を見、鏡越しに笑顔を送った。そしてそれを見せびらかすように、執務室を出てうろうろとその辺りを歩き回っていると、赤い髪の青年を見つけて、自然な挨拶を投げかけつつ駆け寄る。

「ん?どしたのそれ~?」

胸元のそれを指差し、赤い髪が気付いた。

「えへへ、貰っちゃいました」

誰に、と聞かれ、知らないです、と答えるとサンが一言。

「…詐欺じゃないよねぇ~?」

ハッと我に帰る。でも今更だし、と悶々とする少女を見て大丈夫かなと思いながらも、まあいいやと呟いてから一言。

「似合ってると思うよ~?良かったね~、誰からのプレゼントかは解らないけど~、似合うしいいんじゃない?」

それだけを言ってすたすたと歩き去った。そして笑顔で走り去る彼女の後ろ姿を見やり、くすくすと笑う。

「誕生石とか誕生花とか、そーいうの知ってる男って正直キモイよ~?ダヴィド」

みゃおう、と走り去る黒猫を、赤いハイエナが遠目で見送った。その場に金色の髪をした狗はいなかったのが、少し寂しく感じられた。


執務室の塵箱に、包み紙と一緒に棄てられていたカードには、
「良い子にしてた褒美だ、頑張れよ」
十字を模したサインとともに、癖のある字でそう書かれていた。



    ――しあわせの黒猫、或いは寂しがりな狗がかけた鎖



【シオン 花言葉:君を忘れない】
【ブラウンダイヤモンド 宝石言葉:至宝の輝き】

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や、正直誕生花とか誕生石とか、彼女とか身内のを調べて覚える程度ならいいと思うんですけど、調べてるわけでもないのに366日ぜんぶ丸暗記してるのはキモイと思いますwwwww←ひどい←←←←←←←
でもやっぱ女性モノの香水を鼻利きみたいなのができるほうがきもいとおm…………あれっ…ダビデ…おまえ……………^q^
※結論;だびでさんきもい←←←←←←←

きっとサン君はダビデの所業ってわかってると思うんですwそんな気障いコトするのはダビデくらいだと思ってそうw←←←←

すみませんでした^q^でもお祝いしたかったんだ…wwwwwww


エマちゃんお誕生日おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!/////

携帯電話の通話を切り、海色の右目を潤ませた青年は溜息を零して、

「ふざけんなよ…」

窓からの風が心地良い、極彩の秋空を眺め、ぽつりと呟いた。その空の色は、どこかで見たような懐かしい色をしていて、何故か仰ぎ見るだけで苛立ちが収まった。


  ――崩壊への覚悟、或いは


一息吐いて頭の整理をしたところで、大声で病室の外で待機していたエマを呼ぶ。なんですか五月蝿い、さっきの不躾なひとは誰ですか、ていうか何で私の携帯番号知ってるんですかと、彼女のいつもの軽口を聞いて少しだけ安堵する自分に不快、眉間に皺を浮かべる。それはいつものダビデの表情そのものである。彼の不快の表情は、いつだって自分に向けられたものであった。それを、少なくとも目の前の彼女は知らないのだろう、ぷうと頬を膨らませ、呼んでおいてその顔は無いだろうと文句を垂れてくる。その文句のラッシュにぐうの音も言わせぬ程の返しの屁理屈をすっぱりと言い放ち、彼女を黙らせる。エマとの会話は大体はこういった、ああ言えばこう言うのテンプレートどおりの下らないものであった。それが自分を認識させる手段のひとつであると、ダビデは感謝さえ覚えていた。だが目の前のその娘はそれには気付いてはいないのであろう、自分を説き伏せる事に楽しみを覚える外道を見るような目でダビデを睨む。少しの沈黙とエマの苛立ちが見えはじめたところで、ダビデが真剣な面持ちで口を開いた。

「今から言う事を、一言一句正確に、我が親愛なるソルジャーに伝達しろ。いいな?…できれば口頭が良い。直接顔を見て話してくれた方が良い。…重要な事だ。頼めるか?」

過度の喫煙により掠れてしまった声で、低く呟く。その声色がいつもの気力を感じさせない投げやりなそれではなく、あまりにも真剣なものであったため、エマは一瞬硬直してしまう。それほどに重要な事を自分に頼んでいいのか、そんな事を思いながらも、エマは「Sì」と返す。その元気の良い返事を聞いて、良い子だと一言。自分にできることがあれば、と目を輝かせるエマに少し申し訳なく思いつつも、彼女のその瞳に宿る光をなくすような言葉を並べた。


「只今を以て、元幹部:ダビデ=インノチェンティ付ソルジャー全員は所属を変え、デジレ=ドゥシャン付ソルジャーへと異動。伝令を聞き次第、即時仮設本部であるフランス支部へと行き、デジレの指示に従う事。…以上だ。」


数秒の間。とても長く感じられるその沈黙で、エマは頭の整理を行っていた。暫くして口を開こうとするダビデを、待ってください、と、エマが引きつった声で制止する。突然な伝令に戸惑いを隠せないのは仕方のない事であったが、そこまで動揺する事だろうかとダビデは訝しげにエマを見やる。右眼が潰れてしまっている今では、右手側に居る彼女を見ようとすると一々首を捻らねばならないのが面倒だ。何から言えば良いのか解らないといった彼女の様子を見つつ、発言を待つ。

「元、幹部…?」

まず疑問に思ったのがその一点。自分の声が震えているのを感じたのか、ぐ、と手首を強く握った。海色の瞳はその仕草を見て、彼女の不安定さに若干の心配を抱いてしまう。エマは確かに優秀なソルジャーであるのだが、精神に残る幼さが欠点であった。説明しないと駄々をこねて面倒だと判断、仕方ないと溜息を吐き、今の彼女の精神に刺激を与えぬよう、言葉を選んでゆっくりと言葉を紡ぐ。

「…降格だ、今の俺は幹部様でもなければどこかのソルジャーという訳でもない。少し前まで偉ぶっていた、ただの一アソシエーテ。シェパードの号を剥奪された、ただの、クロスだ。まあ、生きているだけ有り難いと思う事にするさ。」

デジレに渡した端末13枚の中にひとつ本物らしきものが混ざっていたらしく、それを功績と認められ、拷問刑は辛うじて避けられたようだ。だが無断出動、それにより与えた民間への被害、加え何故か本部爆破の責任もついでに取らせられた、そう笑いながら美青年風のそれが話す。期待通り、笑っている場合ではないと怒られた。適当にそれをあしらうと、黒髪の少女がまたひとつ訊ね、

「…デジレというのは?」
「さっきの電話の。テメェの言葉を借りるなら、『さっきの不躾なひと』だ。」
「ええ!?あんなのが上司なんですか!?」

あからさまに厭そうな顔をする。補足情報として部屋から出ないヒキコモリ系の幹部であるということを教えると、長々と文句をぶうぶうと言ってきた。ひとしきり言い終えた後、急にしおらしくなり、言い難そうに目を伏せる。沈黙の後、

「ダビデさんは…どうなるんですか?」

か細い声で訊ねる。

「どうやら左遷らしい。」

なるだけ明るく返す。

「どこへ?」

少し強い語気で訊ねる。

「それを言って了えば、テメェもついてくると言いかねないだろうが。」

何故ばれたのかと驚いた表情でダビデを見る姿はまるで小さな猫のようである。流石にその位は誰でも解るだろうと小馬鹿にした目で見る。それに気付いたのか、だってと声を荒らげムキになる姿は愛らしい。いつものエマらしい姿を見、少し安心する。そして、す、とやさしく、ダビデらしさのないやさしすぎる声で、エマに話す。

「…もう私は今までの偉そうな幹部様ではございません、今となりましては、貴女よりも下の人間でございます。…誰かのソルジャーとなることさえ、赦されなかった。戦力外と言われたようなものですよ。」

にこりと笑う姿がいつものダビデとは全く違って、違和感を覚えた。いつものダビデならそんなネガティヴじみたことは言わないだろうと思うエマの不安をよそに、ダビデはひたすらにやさしい笑みを浮かべてエマを見る。まるで別人のようなそれに、恐怖さえ覚えた。

「でも!私のほうが立場は上なんですよね!じゃ、じゃあ!私についてきてください!」
「そうは仰いましても、それはデジレがお赦しになりませんよ。」

ぐぬう、と一言。じゃあどうすればいいのかと必死に頭を巡らせるエマを見、ダビデは思わず噴き出してしまった。あまりにも人間らしいそれの表情に羨望さえ覚える。唸りながら必死に対抗策を練るエマを見、手を彼女のほうに伸ばす。びくり、と、少女の艶のある黒い髪が跳ね、一瞬怯えた表情を見せたが、その手が頭に乗るのに気付いて頬を染めた。そしてその狗はいつもの獰猛とも呼べる笑みを浮かべ、いつもの少し気だるげな話し方で、エマにひとつの宣言をした。

「…大丈夫だ、直ぐに、直ぐにあの椅子に戻る。だからそれまで俺がいないーって寂しがって泣いてンじゃねェぞ?」
「…誰が、泣いてなんかあげるものですか!」

顔を真っ赤にしながらエマが言う。餓鬼か、と鼻で笑うと、またムキになり拳を上げて力の限り振り下ろすも、ぱしんと軽く弾かれてしまった。いつものノリに戻った所で、幹部として、しゃっきりと命令する。

「これが、俺の、幹部としての最後の指示になるかも知れねェ。…できるよな?エマ。」

エマはダビデ付ソルジャーとして胸に手を当て、「Sì!」と高らかに応答する。良い子だと頭を撫でると子供扱いするなという目で見られる。確かに彼女は年下とはいえ2歳しか違わないのだ、その扱いは失礼かと少し笑う。そんな他愛のないじゃれあいをしていると、ふと唐突にデジレとの電話の内容を思い出し、ついでにとひとこと付け足す。

「ああ、あとハイドとフィオナには連絡しなくても構わねェ。」

なんでですか、と訊ねようとするエマを制止するように、ダビデはいきなり己の携帯を取り出して通話を始めだした。むう、と頬を膨らませるエマに笑顔を向ける。少し硬直しているエマに向けて、その綺麗な表情のまましっしっと手を振って部屋から追い出そうとする様は憎たらしい事この上ない。苛立つような顔を向けて、エマは荒々しく扉を開け、ばんと大きな音を立て退出した。かつかつとヒールの遠ざかる音を確認してから、青年は電源のついていない携帯を棚に置き、ふいと窓の外に顔を向ける。ニーナの瞳の色に近い空の色を見て、誰にでもなく、ひとりごとを呟く。

「できる事なら、自分の口で『帰りたい』と言わせてやりたかったなァ」

フィオナ自身の意志で帰りたいと望んでから、ダビデは彼女を手放すつもりであった。こんな事態になるとは想定していなかった。ちいさなお迎えが来たとデジレから聞いた時は、少々失敗したなと己を悔いたが、いずれにしろフィオナはこのような血腥い場所に居るべき娘ではない。ただ彼女の無事を祈り、寝台から降りて床に足をつけた。少々痛みは走るが歩くぶんには問題ないだろう。

「さて、行こうか。」

完全に傷が癒えている訳ではない、寧ろ疵口が完全に塞がっていない今の状態での過度の運動は大変危険である事は間違いない。だというのにジャケットを羽織り、動く気満々である。そうでもしないとダビデという人間を保てなくなりそうで、怖かったのだ。今まで作り上げてきた「ダビデという男」は、そういう男であった。デジレの模倣品、否、デジレよりももっと行動的に、それがダヴィドに与えられたたったひとつの。長い髪をふわりと揺らす。貴金属の光よりも眩く透き通るそれを、窓から吹き付ける風がさらさらと撫でる。

「近いようで遠いなあ…さて、地獄でも見て来るか。イギリスへ」

しゃらん、金色に光る十字架の三連ピアスを鳴らして、四角に切り取られた空を背に歩き出した。





「  ダ、ビデ…さん?」

数十分後、忘れ物を取りに病室に戻ったエマが目にしたものは、空きっ放しの窓から見える極彩の空と、一枚のメモ、そして十字架のペンダントが置かれた真っ白な寝台のみであった。

  【暫く預かるように、壊したら拷問部屋行き】

ダビデなりのユーモアを添えたメモには、生まれた時から肌身離さず持ち歩いていたクロゥチェが重石代わりに乗せられていた。



    ――崩壊への覚悟、或いは十字架に託した祈りの行く末



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なんていうかそのー。眠気がピークでやばかったので見直しはするとおもいますけど一旦これで…^q^wwwwwwwwwwwwwwwwwww
とりあえずこんな内容よってアピールだけwwwwww←
あとがきもそのときにもにょもにょとw
短いなって思うのはりんりんの感覚が麻痺してるんですかねw


あとどうでもいいんですが、ダビデの話のタイトルはすべて【~、或いは~】とついたものです…wwwちなみにウロの話は【それはきっと、~】といったやつがタイトルですw
ブログ記事タイトルの【マフィア企画】から後に書いているタイトルは、ただのひとことだったり内容の補足でして、皆様がふとした時に気付いたら面白いなあというやつなんですって補足だけ打っておきますwwwwwwwwwwあの文があまりにも中二病すぎて見かけてしまうと非常に恥ずか死かったりするのでついでにww


すみませんでしたああああああああ!!!!
|←マフィア本部|    ┗(^o^ )┓三


「隊長命令により、今を持って部隊を解散する」

一瞬頭が回らなくて、ああ僕はいなくなってしまうんだなあと、理解するのに珍しく数秒を要した。



  ――それはきっと、刻まれた蛇の残骸


はきはきとした低音で放たれたその命令を聞いた瞬間に呆然としてしまい、うっかり携帯を落としそうになる。ただひとつの拠り所が崩れた、それは執念という歪んだ感情を頼りに生きているデジレにとって、最悪のシナリオでもあった。熱を帯びた頭を精一杯廻し、「了解」と応えるも、実際は認めたくなくて必死に否定をしようとする。だが結局行き着くのはやはり、解散してしまった、その事実のみだ。結局は群れを好む野蛮な犬も同然であった自分に溜息が出る。蛇でいる必要も無くなり、少しは【副業】の時間を割く事もできよう。そう頭を戻し、最悪な事実を思い出す。ケルベロス本部に残っている「自分がRe dei Caniと接触のある事が一目で分かってしまう証拠」の存在だ。もしあれをジキルやベネディクトといった完全戦闘要員に見られてしまっては自分は確実に消されてしまうだろう、否、「他の副業で関係していた奴らにそれがバレても同じ事だ」。あそこには自分の指紋もべたべたと残っている。いくら手袋をしようが流石にそれら全てを隠す事は難しく、それをせずともいずれ爆破する時が来るだろうと高をくくって放置していたのだ。故にベネディクトの「本部に立ち入るな」という指示に苛立ちが隠せない。何も考えていなかった自分に悪態をひとつ。かつりと歩みを進める、考えるために、立ち止まってはならない。考えろ。考えろ。アソシエーテ共に破壊させるか。だが証拠を見られてしまっては自分がRC本部に居られなくなってしまう。それはあの馬鹿――ダヴィドの頼みが聞けなくなってしまう事と同意だった。RC幹部、否、元幹部の頼みは聞いておくに越した事は無いのだが、いかんせん彼の頼みは自分が確実に本部に居て成り立つ事であり、決して先日までのように別所でできるような事ではない。馬鹿二人に挟まれて非常に迷惑だ、ひとこと悪態とともに漏らす。空は吐き気がする程に橙色に染まって、デジレの大嫌いなものを彷彿とさせた。ビルも街灯も、自分自身でさえその色に染まっていくのがどうしても腹立たしくて、音も無くするりと、何かから逃げるように垂れ幕の影に隠れた。


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一度自分の住んでいた建物――と言っても殆ど物置としてしか使用していなかったが――がごうごうと燃える様を確認してから、のんびりとケルベロス本部がある場所の付近に足を運ぶ。あそこにはたくさんのモノがあった。ああそう言えばあの書類も本部に置きっぱなしか、あの薬剤高かったのに、ジキルの食っていたピザの箱はゴミ箱に突っ込みっ放しではなかったか、虫湧くのはちょっとなあ、思い出す事はたくさんあった。一度見たものは絶対に忘れない瞬間記憶能力は、こんなところにまで発揮されるとは。脚色もなくただそのときに存在していた事実の集合体が、脳裏に浮かんで離れない。あそこでは多くの事が混在し過ぎた。自分の頭では処理し切れない、ひとの言う「感情」がそこにはあって、それから遠ざかることはまるで自分を機械と認識するようで。「ウロボロス」はふと眼鏡を外し目頭を押さえた。後頭部がぼうっと熱を帯び麻痺する。もう戻る事はないであろうそれをもういちど瞼の裏に焼き付け、かつかつと高級靴の踵を鳴らして空港へと歩みを進めていく。手荷物は最低限必要なものと、大事な写真二枚のみ。一枚はケルベロス隊員全員で馬鹿なノリで取った、どうしようもなく間抜けな集合写真。もう一枚に映るのは、唯一家族3人で撮れた貴重な写真、病院のベッドで娘を抱える母親と、「ダニエル」として存在した自分が映った、たったひとつだけの写真。そのふたつの思い出さえあればこれからの責め苦にも耐えられよう。己を束縛していたチェーンからするりと抜け出し、ウロボロスは完全にデジレへと変貌した。

「…もしも」

本人は無自覚なのだろうが、

「もしも彼等とまた馬鹿みたいに笑えるのであれば」

未練たらしく首輪は繋いだままであった。


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Re dei Cani本部「だった」場所に到着するや否や、デジレは携帯端末を取り出し何かを入力し始めた。ハットの下から覗く険しい顔が、イタリア語の酷い悪態を並べ始める。ふと手を止め、周囲に人が居ないのを確認する。入力を終えたのだろうか、端末の画面は周辺の監視映像を一気に30窓近くで展開していた。そして欲しい映像を取り出し、解像度をぐ、と上げる。処理に少し時間を要したが、確実にそれは映っていた。

「やっぱあの馬鹿じゃねェかよォ…」

ハイドの格好をしたジキルを確認し、監視映像に加工を施して差し替える。友人として自分にできることはこの程度しかない事は自分が一番解っていた。はあ、と溜息を吐く。言葉ではあの馬鹿、クソ餓鬼等と並べるが、ジキルの安否が心配でならなかったのだ。だがよく考えたらあの餓鬼のことである、甘え上手でもあるのだからその辺の女でもひっかけて適当に生活しているのではないか。気休めに適当に考えてみたはいいがあり得そうで困る。目撃者の抹消等という頭はアレにあるだろうか。そんなどうでもいい事を考えつつ、端末を鞄に仕舞い、その元本部をあとにする。後の彼等の行動を調べるのは、自室に愛機をセットしてからだ。

「スパイ養成一家、ドゥシャンの申し子を舐めんじゃねェぞ?」

獰猛な笑みを浮かべ、くつくつと笑いながらその場をあとにする様は、犬そのものであった。


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フランスの一家、ドゥシャンの一族にはスパイがやたら多かった。某国密偵、CIA、少し有名になった美男子スパイも実はドゥシャンの御家の人間だという位に、この家は訓練を積んだものを作ってはあらゆる国に売っていた。基本は養子、または誘拐というケースが多いのだが、デジレは珍しくドゥシャンの血が混ざった子であった。デジレは日本人の父とフランス系アメリカ人の母との子で、どうやら母方にドゥシャンの血が入っていたらしい。そのおかげで3歳の時に御家で教育を受ける事になっても、デジレは特に優遇されていた。一般的な食事も与えられ、酷い罰もなく、ただひたすらにエリートとして育て上げられた。瞬間記憶能力と卓越した判断力を武器に、あらゆる知識を吸い上げて、デジレは優秀な「商品」に育った。そして彼が12の時に、引き取った未熟児を苦労しながらも5つまで育て上げ、ドゥシャン一門殲滅事件が勃発。5つの幼子を信用のある男のもとに預け、自分は17の時にアメリカに帰還。義理の父母のもとで「良い子」を演じ続けた。当時から少しの副業をやっていて収入はあり、金に困窮することは一切なかった。

「…あー…あの時が一番きつかったなァ…」

自分で放ったひとことから、ふと過去のことを思い出す。あの屑のような一家には二度と帰りたくなかった。なのにあの家に執着していたのもまた事実。それを認めたくないのに、インノチェンティと聞くとどうしても怒りが隠せない。なんだかんだで自分が一番多くの人間に愛されていた時期ではないだろうか。そんな事を思いつつ、RCフランス支部の最上階の一室の前に立つ。扉がやたらでかい。苛立たしい。大きく息をひとつ。ポケットに手を入れKOOLブーストを取り出しボールを潰して、煙草に火をつけた。ふう、と紫煙を吐き出し高級スーツのスラックスのポケットに両手を突っ込む。そしてその腹が立つ程に豪奢な戸を怒りの儘蹴って開ける。

「Bonjour! Comment ça va?(やあ!調子はいかがかな?)」

野蛮としか言えない行動とは裏腹にフランス語で鬱陶しい程形式的な挨拶を吐き出す。と、両脇から鈍い金属音。かちり、とハンマーを降ろす音。当然だ、突如の不躾な侵入者を、この二人が赦す訳が無い。隻眼の執事服と、体格の良い美男子がぎろりとデジレを睨む。デジレはそれ等に目もくれず、真っ直ぐに、正面の老獪を睨んでいた。それはそれは、「ウロボロス」では到底あり得なかった、優しい笑顔とともに。老獪はぱんぱん、と手を打ち鳴らす。それを合図に左右の男が銃を仕舞う。

「よォく訓練された狗じゃねェかァ!良い子だ、Bambino!」

訛りの強いイタリア語で両サイドに控える二人に言いかける。合図はあってもデジレがアンダーボスと知らない彼等には不審な人物である事には変わりない。まだ警戒はしているのだろう、鋭い視線を背に感じながら、傍にあった椅子を引っ張り、紳士風の老人の豪奢な机の前に偉そうに座った。まるで高級靴の裏面を見せつけるように、その高級そうな机の上に両足をどかりと乗せる。少し静かになったところで、老人が口を開いた。

「いい狗だろう?彼等は特に私のお気に入りだ。 …さて、アンディ、紅茶を。ああ、君は珈琲の方がお好みだったかな?」

少し躊躇したのだろうか、少々の間を置いて、アンディは礼をして退室した。ドアが閉まる直前に「ああ、あと灰皿頼むぜー!」と軽く言い放つが、アンディの耳に届いていたのかは定かではない。部屋に残されたのは口を固く結んでいる美男子――名をロキシスと言う――と、ニヤニヤと反吐の出る笑みを浮かべた細長い男、そしてやさしく微笑む老紳士の3名である。異様な図であった。ほどなくしてアンディ――隻眼の執事、主に幹部やボスに仕える執事達の総括である――が、豪奢な飾りのティーポットとティーカップを二組、そして硝子の灰皿を、優雅な仕草で運んで来る。老人が紅茶と珈琲の銘柄を訊ねるも、デジレには全く興味の無いものなので脳から完全に排除した。

「…で?不足の駒ァ、どうすンだよ。」

珈琲を一気に飲み干し、煙草を銜えてから、デジレが老紳士――RC二代目ボス:サウル=B=インノチェンティに問う。あまりにその言い方に品がなかったからか、アンディが少し眉間に皺を寄せる。怒んなよォと手をひらひらと振りながら肩を揺らして笑った。

「そこに困っていてね。私は面白いから構いはしないのだが…手持ちの駒では、現状を保つのも精一杯だろう、ね。困ったものだね。君はどう思う、デジレ?」

サウルはその腹立たしい程にやさしい笑顔を崩さぬまま、さらりと外道を言ってのけた。それを見てデジレは眉尻を動かし、煙草のフィルタを少し噛む。ああこの男の怒りは解り易いと言わんばかりに、サウルは少しだけ口角を上げた。その様でさえ、腹立たしい事この上ない。だからこいつの顔は見たくなかったのだ。ふう、と紫煙をあえてサウルの顔に吹き付ける。

「私に意見を求めンなよォ。そーいうのは大体貴様の仕事だろォが」

かちり。恐らく度重なる非礼にどこぞの誰かが痺れを切らしたのだろう。拳銃を握る音が、静かな室内に響く。それを聞いてデジレは馬鹿にするように大きく笑った。

「おォいサウル老!よォく躾されたワンコじゃなかったのかよォ?これは客人に失礼の極みってモンじゃねェのかァ?なァ?」

挑発的な態度。これがデジレ、否、「オルトロス」である。Re dei Cani内では全くと言う方が近い程に見かける事が無い「存在しない筈のRC構成員」、それがオルトロスと呼ばれる存在であった。デジレはそのポジションに約20年間就いていたのだ。ボスと一部の幹部以外知られる事の無かった存在なのだ、彼等が知る筈も無い。それを見やり、サウルは上品に大きく笑った、先程のデジレのように。

「いやこれは済まない、どうやら彼等は君を他人扱いしているらしい。いつもならばこうはならないのだがね。」
「態度はほぼダビデと同じだろォが。何で私だけこうも非難されるんだァ?」
「ははは!君が彼をダビデと呼ぶのは珍しい。弟なのだ、【ダヴィド】で構いはしないだろう?」

ぴくり、と、サウル以外の3人の眉が動く。

「……まァなァ。…あァ。そういやァ噂の【ドゥシャンの娘】はどこだよ?アレのソルジャーの管理頼まれてンだ。」

ダヴィド=ドゥシャン。それが今の「ダビデ=O=インノチェンティ」の幼名であった。あまりにも中性的な顔立ちであったことから、彼の幼い姿を知る者からは【ドゥシャンの娘】と呼ばれていた。そして、デジレが5年間手塩にかけて育て上げた子供が、ダヴィドであった。だからダビデだけはデジレの存在を知っていたし、デジレに対してのみ敬語を使うのである。そしてそれの話題を出すと、決まってサウルはにやりと気味の悪い笑みを浮かべるのだ。己のお気に入りが今頃どう苦労しているかを想像するだけで楽しいらしい。

「おや、ご存知なかったかな?今ルーマニアで眠りに就いている筈だが。」
「ハッ!眠り姫気取りかよォ。何だァ?王子様のキスでもねェと起きませんってかァ?」
「おや、では起こしに行って差し上げたらどうかな?」
「冗談よせよォ。私ャァそんな趣味持ち合わせちゃァいねェってんだ。」

くつくつと二人して笑う。延々と続く中身の無い会談風景を見、アンディとロキシスはこの喧しい井戸端会議を聞く事を放棄した。

「…さて、いい加減本題だ。ここの一室を使わせて頂きたいんだけどよォ。どっか防音設備が完璧で、電波の通る、ウォータークロゼットとバスルームが存在した空調完備の快適な広い部屋はねェかな?」

何時間も続いたどうでもいい会話が、そのひとことでやっと終わった。


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借りられる場所に案内されて数十分、防音の完全性と盗聴器・盗撮カメラが無い事を確認し、デジレは真っ先に愛機の組み立てに入った。一般人からしたら、今何をしているのか、その部品は何の機能を果たすか等、全く意味の分からない作業を初めて数時間。漸くデジレのテリトリーが出来上がった。今度はケルベロス本部の時のようなヘマをしないよう、部屋の各点に操作式の爆弾を仕込んで。

「こんなところ、かなぁー…?」

ふと零した言葉がアメリカ英語であった事に驚いて、つい口を押さえる。そして自己嫌悪。ポーズがあまりにも女々し過ぎる。阿呆らしく感じて長い髪を掻き上げる。ふと思い立ち、自分の白髪を眺める。少し長く伸ばし過ぎただろうか。それに白髪は若干目立つ。そういえば、或る日の事を思い出す。あまりにも個性の強過ぎるケルベロスで、できるだけ自分が自分と解り易いようにと伸ばしたのだったか。伸ばし放題だったためか、毛先もばらばらである。切りそろえていた頃が懐かしい。くすり、と一笑する、それはケルベロスにいた自分の「特徴」であった、眉尻を下げて卑屈っぽい印象の残る笑顔であった。

「ウロボロス、は、殺して了った方が良い、かぁー」

その笑顔の儘、ゆっくりと呟く。そして、徐に鞄から小振りのナイフを取り出す。何の為と所持していたわけではないが、こんなかたちでお世話になるとは思わなかった。首筋にナイフを添わせ、思い切り、ばつりと、









$あたしの海にさよならを-sasie_uro_danpatsu_01











「髪も、染めた方がいいかなぁー?」

ゆっくりと、頭を上げたそれは、エメラルドの瞳をぎらつかせ、にやりと笑む。その蛇の残滓は、窓の外に、風と共に散らばってなくなってしまった。


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サウルの話の内容を思い出す。そういえば、ダビデに連絡は行っていないのだろうか。かたかた、と、愛機のキーボードを打ち鳴らす。モニタにはいくつかの病院の個室が映っていた。病院は彼の行動パターンと、RCの息のかかっている病院ということで大体は絞れていた。そのうちのひとつに、緩くパーマのかかった長髪を見つけ、拡大画像を出す。それは紛う事なき、ダビデであった。ダビデは起きている様子であるが、呑気にへらへらと女と笑っているようである。恐らくこの様子だとRC本部爆撃事件や自分の置かれた立場を理解していないようだ。我が弟ながら情けないよと、心で思っただけであった筈が、

「何してんだよあのxxxxx…」

酷い罵言を呟いていた、勿論デジレ本人に自覚は無い。仕方が無いと携帯を取り出して、彼の横に座っている女性ソルジャーの携帯に電話をかける。あの馬鹿の事だから自分の携帯を持ち歩いてはいまい。仮に持っていても電源は落としているだろう。アレはそういう最新鋭の機器というものの扱いが苦手なのだ。何が苦手かといえば、一番はそれ等の発する音だろう。耳が良過ぎるダビデにはそういったものの出す電子音や人にはあまり聞こえない高周波の音も聞こえてしまうらしい。流石ドゥシャンの御家の中でも1、2を争う「異端児」である。そして携帯の持ち主よりも早く、ダビデが反応した。それに続いて隣の女性が反応、携帯を見、訝しげな顔をする。一応出てくれるようではあるらしい。彼女の母国語、英語でまったりと話しかけた。

「失礼ー、不躾で申し訳ないのですがぁ、横のダビデってクソ餓鬼に変わってくれませんー?」

あ、あと電話を変わった後に貴女は部屋からご退室願いたいんですー、と付け加える。彼女とひとことふたことやりとりを交わしてから数秒、彼女は渋々と携帯をダビデに渡してくれた。それを確認してダビデへの伝令を述べる。途中罵声が飛んで来たが適当にいなした。そして「了解」という一言を貰って電話を切る。ダビデはかなり落ち込んでいる様子であるが、今のデジレになにができるというわけでもない。自分にできるのは、彼のソルジャーを一時預かるだけだ。いつかは帰さねばならない、その為にも自分はここでどっしりと構えねばなるまい。ただ顔を出すと危険なのでこのテリトリーに引き蘢ったままとはなるが。自分はデルシオネに顔を見られているのだ。ここで遭ってしまうのだけは避けたい。そのため空調風呂トイレ完備と、1つの階全体をまるまる借りてまで防備しているのだ。勿論ロックにもセキュリティにも抜かりは無い。

「………さて、これで一旦は休憩できるかな。」

とても、疲れた。移動も尚更、諸々の処理と伝達に相当の時間を要したのだ。だがまだここで行動を終える訳にはいかなかった。

「…【むこう】の皆にも連絡とらないとねぇー」

なによりも友人達の安否が心配であった。取り敢えずジキル以外の全員に連絡を回してみることにした。連絡先が解らない人はある程度の行動パターンから位置を推測、それと思しき映像から顔認証にかけて真偽を判断して所持端末へと連絡、生存の確認を行った。が、

「なんで…出ない、かなぁー…?」

苛立ちを含んだ間延びする声で呟く。ベネディクトが数日前から失踪しているのだ。恐らくそれと思しき映像は空港で発見しているが、それ以降の映像が全く見つからないのだ。なによりも「ウロボロス」にとって、ベネディクトの外出自体が想定外であった事もあってか、今回ばかりは行動が一切読めない。仕方ないので空港の監視映像から周辺建造物の映像、少し離れた所の映像もまとめて眺める。ひとつ見つけてはそこから半経数キロ範囲の監視映像をハック、ひとつ見つけては、を、すっと繰り返した。だがそんな無茶がずっと続く筈も無く、それの体力は限界に近づいていた。

「ああくそ、こっちじゃねェ…Cazzo!また消えた!あァ?次はどれだ…?……Damned!」

決して無茶だけはしないでほしいと、そんな願いを持ちつつ、ひたすらに監視映像を眺めた。勿論傍らではRCの仕事やその他の仕事を続けながら、である。身体の疲労は感じるが死への危機感や行動の停止などというものは元より備わっていなかったそれには、一度集中してしまった事項を最優先してしまうため、非常にどうでもいいものでしかなかった。寧ろ疲労感などというものは枷でしかなかった、と言う方が正しいだろう。ひたすらに頭をフル回転させ、ベネディクトだけではなく元ケルベロス隊員全員の行動を読む事にムキになっていた。意識は朦朧、もう普通に喋る事も儘ならなくなり、字でさえまともに書けなくなった頃に漸く、

「…ん、じゅぅーぶん、データは、とれたかなぁ…?」

そうしてその無謀な行為は、がたん、と、どさりいう音とともに、彼の気絶という結末で一旦幕を閉じた。





  ――それはきっと、刻まれた蛇の残された骸



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ながかった!!!!!!!!!すまん!!!!!!!!^q^^q^^q^^q^^q^
でもつめこむもんつめこんだら!こうなった!!!!すまん!!!!!
実はもっと伸びる予定だったけどカットカットした!!!入浴シーンとかいらんだろ!?ってことで!!!←←←←←←←←←←




※ほそくがないとあなたなにもできないのねすみません※

デジレさん、まあめんどいんでうろって言いますけど、うろはこれより黒髪ぱっつんになるます!wwww断髪式ってロマンだよね!!!!←

うろは気絶してます。まあ頭に酸素と血がまわりだしたらすぐ起きるかもですが。多分爆撃事件から1週間経ったくらいかな…?

サウルとのお話は別にどうでもいいとか内容がないわけではなくて、どうでもいい会話の中にヒントが隠れていて、それを読み解くゲエムってだけですwつまりは口頭の暗号ですwwwわかんねえよって話ですねwwwwwwww←
そこから色々今のRCの状態とかを聞いて、自分のやる事をある程度お話ししたっていうかんじですw

あ、あとダビデはサウルの弟分であって、実の弟ではないです。ダビデにはドゥシャンの血は入ってません。外部の子です。当時のドゥシャン当主の愛人の連れ子(といってもまだうまれたてほやほやで連れてこられた)です。ちなみにドゥシャンの一門はもうこのふたりしか存在していません。

ダビデへのお電話ですけど、それは後日まったり文章にしまーす^q^←

暫くは誰とも会う事も無く、ソルジャーさんやアソシエーテが来てもドア越しに電子音で指示を出したりドアの前に書類を置いたりしてます。完全ひきこもるんやってます。
なにがあってもそこの階から出ない!お部屋からもトイレとお風呂以外出ない!!!食事のときはドア開けてこっそり受け取る!!!←←←←
でも隙があればちょこっと外出したりもするよ!流石に缶詰すぎるのは頭が回らない!←

そしてCSの皆には生存確認の電話とかを鬱陶しいくらいにかけまくります!!!隊長以外!だって隊長に電話かけたらブチ切れられそうなんだもn←←←←←
たまにパシリ電話とかかけるけどシカトしてね☆←←←←←←←←←←←←←←




なんか…びっくりするほどうろがヤンデレでしたね。親もびっくりだ。アルェー??^q^
そしておおよそ7800字、なんだそうです、この残念文^q^どういうことなの…長過ぎ乙…^q^


すみませんでしたああああああああ!!!!
|←マフィア本部|    ┗(^o^ )┓三
マフィア企画でまた漫画モドキを描かせて頂いたんですがほんとりんりん自重しろって話ですねごめんなさい^q^←←←←←←

※※ひとさまのお子様にセクハラしております(←)、ご注意下さい。すみませんでした^q^※※
※※自己満足も甚だしいですね!!!!!!すみませんでしたorz※※
※※いつもどおり残念画力です!加えいつもよりてぬk(ry)さーせんしたああああ!!!!!※※



今回お借りいたしましたのは、
狼様宅のエマちゃんです。
+うちの隻眼になったイケメェン(笑)でお送りさせて頂きますた^q^^q^^q^^q^


似ないのはご愛嬌でお願いしますね(前置き)



あっあといつもどおりヤマもオチも意味もないです本当にただの自己満足です、
そして多大な捏造な上にすんごい大事故です本当にすみませんでした(土下座)


残念くおりちーではございますが…どうぞ^q^



あ、あと今回初の試みで字をちっちゃくしてますw見辛いかもしれませんのでそこは申し訳ないです…w





あたしの海にさよならを-manga_neodavide_wakeup_01

あたしの海にさよならを-manga_neodavide_wakeup_02

あたしの海にさよならを-manga_neodavide_wakeup_03

あたしの海にさよならを-manga_neodavide_wakeup_04

あたしの海にさよならを-manga_neodavide_wakeup_05

あたしの海にさよならを-manga_neodavide_wakeup_06






※ほそく※
エマちゃんに抱きついたのはアレです、きっとあまりに絶壁で女性扱いしてなくて男友達感覚ではぐはぐしたらこうなった的なアレです。^q^←さいてい←←←←←←←←←←
多分エマちゃんならこういう反応してくれると思うんだけどどうかなあああああwwwwww

胎児瓶の子の名前は女の子だったら「アビシャグ」にするつもりだったらしいです。
でもどっちもイスラエル系の血は入ってませんwwwww←←←←←

「もう二度と逢えないと思っていた」というのは、ダビデの失態の処罰が死罪になるんじゃないかな、逢えないままアビィとはばいばいするんじゃないかな、っていうことでそう言ったみたいです。
処罰がどうなるかは…漫画モドキは描けそうにないから小説モドキになるのかなぁ…^q^w

ダビデさんが隻眼になった経緯は夏電戦のハト先生の素敵通り魔んが【犬共の死闘】を御覧いただくことを推奨しますv


…手抜き乙!!!!!!!!^q^^q^^q^さーせんでしたwwwwwwww途中でやる気スイッチさんがいなくなっちゃったのwwwwwwwwwwwww

意味不明もいいところですね知ってますごめんなさい^q^^q^^q^^q^^q^


不都合等ございましたらこの展開自体パラレルで!☆





すみませんでしたああああああああ!!!!
|←マフィア本部|    ┗(^o^ )┓三


闇夜にぽつぽつと光る街灯とテエルランプが、くらりと世界が歪む程に眩しく覚えた。



  ――それはきっと、蛇を




一仕事を終えて一旦全身の服装を着替え、のんびりと煙草を吸いながら怪我人二人がぶっ倒れている廃墟をあとにする。いつもどおり、高級靴のヒールをかつかつと鳴らす、その歩き方はまるで、自分がここにいることを強くアピールしているかのようであった。かつん、と一際大きな音を立てて立ち止まり、【デジレ】から【ウロボロス】に戻る為に長い白髪をひとつに纏め、赤いフレエムの眼鏡を装着、そして最後にハットを被る。ふぅ!と一息、【ウロボロス】は真っ白な外装の携帯を見やる。携帯画面には、テルシスを起動している赤いカバーの携帯と、少しだけ診療所のロビーが映っていた。別の携帯のような端末を取り出し、遠隔操作でテルシスの位置情報検索を行う。どうやらハスキーは既に診療所に着いているらしい。ほ、と溜息を吐く。そして自分があまりにもケルベロスという組織に依存しすぎていると、そんなことが頭をよぎり、頭を振った。それに気付いてしまうのが怖くて、なにも考えないようにしてきたのに。一度思考を外に追いやろうとするかのように、肺に溜まった紫煙を思い切り吐き出す。鼻を抜けるメンソールの感覚がとても心地良い。そういえばジキルはどうしているのだろうか。無茶をしていなければいいが。そうぼうと考えて、まああの餓鬼の事だろうからその辺で女子学生かといわんばかりに旨いモノでも食ってストレス発散でもしていそうだな、だから大丈夫だろう、そう自分に言い聞かせる事にした。どちらにしろ自分にはどうすることもできないのだ。あれ、と首を傾げる。前にも同じ事を思った気がする、と、妙な既視感を覚えるも、どうでもいいかと、その内容も思考の外に追いやる。白い外装の携帯の画面を切り替え、運転手――もとい、オットマールを呼ぼうと通話ボタンを押そうとして、ふと気付いてしまった。今日一日ほとんど彼の後部座席に座っていたという事を。うえ、と一言呟いて、流石にもう男二人むさ苦しいのは厭かなぁーと、「いつものアメリカ英語で」零す。仕方が無いので本当にその辺から車を盗もうと考えたが、ここはルーマニア、わんこが多い事で有名なルーマニアだ。暫く車に乗っていない自分ではその犬まで巻き込んでしまうだろう。暫く悩んだ結果、携帯を取り出して通話を始めた。運転手様マジ便利、心でそう思いながら。

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診療所に着いてすぐ、ハスキーのもとへと向かう。あの場では応急処置が限界であったため、無駄に血を流さぬようナイフを刺しっぱなしにしていたのだ。彼が診察室のベッドに腰掛けているのを確認してひとつ溜息を吐く。あのハスキーの事だから、と少し心配していたのだが杞憂に終わったらしい、とても安心して思わず長く溜息を吐いてしまった。そしてそれを誤摩化すように、そして改めてウロボロスへと転換するように、いつもの間延びした英語で遅くなった事への詫びと少しの愚痴を言おうとした時。ふと、ハスキーの鋭い視線がウロボロスに向いているのを感じた。「準備」をしつつ、僕の顔になにかついてる?と冗談混じりに問うと、荒い息づかいが混じる低い声で、

臭いが、

というひとことが返ってきてようやく、その蛇にしては珍しいイージーミスに気付いてしまった。「ダビデの治療後、着替えること以外特になにもしていなかったのだ」。心の中で若干の焦りがあったが、いつもの蛇の笑みを崩す事はなかった。ハスキーの異常な程の鼻の良さを完全に失念していた。自分の馬鹿さに嘲笑、ひとつの本音で誤摩化す事にした。

「ハスキー君、今はとにかく君の治療を最優先したい。お話はそれからでもいいかなぁー?」

ここにあるぶんだけで血は足りるだろうか。そんなことを考えつつ、外界から入ってくる音のほとんどを遮断して集中する事にした。勿論医者の顔に変貌したこの男に、ハスキーの声は届く筈も無かった。

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施術を終え、ウロボロスはやっと一息吐いた。煙草を取り出そうとしたが、先程からばんばん吸っていた所為か、ボックスには葉の残骸しか残っていなかった。Damned、ひとこと漏らし、ボックスをぐしゃりと握りつぶす。と、急にぐらりと視界が歪んだ。体勢が崩れるのを感じ、一度椅子に座り大きく息を吐く。うまく回らない頭を無理矢理叩き起こそうとするもうまくいかない。一度眼鏡を外し眉間を押さえ、酷使した目に休憩を入れる。と、そこでふと気付いたことがあった。そういえば、と、診療所に置きっぱなしにしていた鉛色の鞄を弄る。そして「大きな忘れ物」にやっと気付いたのだ。診療所の天井を仰ぎ見、あー、と気の無い声を上げ、がっくりと項垂れた。

「…僕、一体何日寝てなかったのさぁー…?」

睡眠薬を入れていた筈のケエスがない。ウロボロスは酷い不眠症で、強めの睡眠薬を飲まないと眠る事ができなかった。そして自分自身には日付の感覚があまりないうえに興味の無い事は絶対に頭に入れないため、ルーマニアで何日過ごしたかも、いつから飲んでいなかったかというのも全くといっていい程覚えていないのである。加え疲労で頭が回っていない状態だ、気絶寸前なのも無理はない。参ったなーと一言漏らす。これで急患が運ばれようものなら、ろくに施術できる気がしない。かといって眠れる訳でもない。失神と睡眠は別物なのだ。

「…んー、でもせめて、ハスキー君快復してからじゃないと寝れないし…ちょうどいいのかもねぇー…」

ウロボロスには、自分に対する生への執着がほとんどと言って良い程無かった。だからだろうか、なんとしても生きようとする人達がとてもうらやましく、彼等の手助けができる医者という仕事に就ける、それがウロボロスにとっていちばんのしあわせであったのだ。加え、彼が昔愛した女に自分は蛇のようだと言われてからはずっと、医療に従事すると決めていたのだ。そしてその言葉と執着のみで、彼は今ここに生きているようなものである。名声を手に入れ、いちばん輝いていたであろう【医療従事者】である男はもう、此処には存在していないというのに。当時の事を思い出し、眉間に皺を刻む。一番思い出したくない事を思い出し、ふらついていた頭が少し起きた。

「…うあー、厭な事思い出したーっ!気分転換にどっか爆破させてこようかなぁー!」

そんな物騒な事を叫びながら、蛇はぼうっとした意識を叩き起こす。先の馬鹿みたいなミスの連続を思い返せるだけの頭があれば今行動する事が危険だと自分でも解っている筈なのに、それでも行動しようと言い出すこの男は余程疲れているらしい。流石にそれはねーよ、と持ち主の精神状態にツッコミを入れるかの如く、身体は脳の命令を完全無視していた。ぐぬう、と一言、それからぐちぐちと不満を呟く。せめて煙草があればなー、そんな事をぶつくさと言って、ああそうだ、と、さも名案のように明るく言い放った一言が、

「調達部隊は調達部隊らしく煙草と薬調達するようにお願いすればいいんじゃーん!あ、あとついでに必要な物もお願いしようかなぁー!流石僕、賢ーい!」

オットマールを完全にパシリ扱いしかしていない、40代に差し掛かろうという頭の可哀想な大の大人の発言だった。




    【それはきっと、蛇を引き連れたアスクレピオスのように】



 ――ゼウスの鉄槌は、いつ下るのだろうね?



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[#uroboros_nero]ってタグがつきそうなかんじですね。
同じ事を繰り返し考えたりポカミスやったり忘れ物したりほんと馬鹿か!!!wwwww
ちなみにどうでもいいですがこいつ、3日程寝てない+集中的に仕事しすぎて疲労たまってるっていう設定です。目の隈とか酷そうだなwwwwwwww

あとなによりwwwwwwwwwwwwwwwwwwオッティ氏まじごめんしか言えねえwwwwwwwwwwwwwまじごめんwwwwwwwwwwwwwww運転手扱いから完全パシリ扱いとかwwwwwwwまじもうwwwwww殴ってくれwwwwwwwまたはぜんぶ断ってくれていいのよ!!!wwwwwwwww

廃墟付近で運転手…もといオッティ氏にお電話してるという表現がありますが、オッティ氏がボイコットしても構わないようにそこの表現は伏せてますwwwww
あとパシリ…もといお願いも聞かなくていいですほんとwwwwwwwwwまじこいつなんなのwwwwwwwwwww誰か殴ってあいつの目ェ醒まさせてやってくれwwwwwww


あとどうでもいいんですが、ウロの話のタイトルはすべて【それはきっと、】から開始するものです…wwwちなみにダビデの話は【~、或いは~】といったやつがタイトルですw
ブログ記事の【マフィア企画】から後に書いているタイトルは、ただのひとことだったり内容の補足でして、皆様がふとした時に気付いたら面白いなあというやつなんですって補足だけ打っておきますwwwwwwwwww