「新世界より」第十七話の感想です。



※ネタバレします。


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☆第十七話「破滅の足音」の感想です。


真理亜達と別れてから時が経ち・・・。

早季は二十六歳になっていた。

保健所の異類管理課で、

バケネズミの実態調査と管理を行う日々。

そんな折、覚がバケネズミ達に関する妙な話を

持ってきた。




二十六歳の早季さん、とても好みですぅ!!


・・・とかはどうでもよくて。


とにかく、早季と覚は無事二十六歳になり、

バケネズミを管理したり使ったりする立場の

仕事に就いたようです。


子供の頃はバケネズミに関わることは

割合禁止されていたような気がしますが、

大人になるとごく普通に彼らと接するんですね。

しかも、完全に上の立場で。


どうやら覚は農場でバケネズミ達に下働きをさせる

業務についているようだし、早季はと言えば、

彼らの生態を研究し、現状をあれこれと把握して、

管理を徹底する仕事をしている様子。


驚いたのは、早季が言っていた「お役所仕事」の数々。

どうやらバケネズミには、コロニーの統廃合、

移転といった事柄だけでなく、コロニー間で戦争をする時は、

前もって「コロニー間の戦争行為等許可申請書」なるものを

人間に提出しなければならないという義務があるようです。


何から何まで人間に管理されているんですね。

自分達の歴史も人間に許可を求める必要があるとは。

これでは少し放置されていて自由があるように見えるだけの

人間たちの体のいい奴隷・・・。


なので。

ここにきてバケネズミ達からきな臭い動きが出てきた。

ということなのでしょう。


現在、バケネズミのコロニー群は大体が二つの勢力に

分類されるようです。

一つは、昔ながらの女王を頂点とする封建主義の

大雀蜂コロニー。代表は奇狼丸。

もう一つは、選挙で代表を決める民主主義の形を

とっている塩屋虻コロニー。代表はあの野狐丸。


そして、今回、問題を起こしたのは、

一応独立の形をとっている木蠹蛾コロニー。

彼らが大雀蜂コロニー傘下の鼈甲蜂コロニーを

襲撃した・・・ということのようです。

しかし、木蠹蛾コロニーは既に塩屋虻の下に

ついているのではないかという見方もあり、

何ともきな臭いと・・・。


それで、奇狼丸と野狐丸の二人が召集され、

尋問をうけることになったのですが・・・。


つーか。


見た目でもうスクィーラの方が悪でしょ!

何だあの服!

また進化している!

完全に悪の上皇様的な!!

すごい成金小物臭がする!!


それはともかく。

流石に服装だけで白黒決定するわけにはいかないので、

人間の偉い方々がそれぞれに意見を聞きます。

が、どちらも互いが仕組んだことと言ってきかず・・・

判定は持ち越されたようです。


いや、どうみてもスクィーラの方が・・・。

あの滲み出る、弁舌だけ達者!臭・・・。

表は恭順にふるまうけど、

裏では盛大に舌を出してるよ!臭・・・。


まあでも、雰囲気だけで決めるわけにはいかないしね。

絶対にあいつの方が嘘ついてるけど。


それはともかく。

そのいざこざが原因で(?)、大雀蜂コロニーと

塩屋虻コロニーは戦闘状態に・・・・・・と思ったら、

大雀蜂コロニーと塩屋虻コロニーの傘下のコロニーが、

戦闘を行うことになったようです。

下のコロニーだけ戦わせるとか・・・。

スクィーラさん、怪しい匂い全開過ぎです!

そして鬼畜です!

知ってたけど!


でも、実は大雀蜂も薬物で兵士の士気を

向上させていたとか!

奇狼丸もなかなかの黒さ・・・。


でも、これらはどちらも人間の歴史にあったことですね。

そして、そのバケネズミ達の存亡と繁栄を賭けた

命がけの歴史を、

「武器が進化してるよねえ、気持ち悪い」

とか言いながら、のほほんと鑑賞している現在の人間・・・。



あああ、もうやだやだ。

新世界、やだやだ。

バケネズミも人間もやだやだやだ。


そんな風に。

バケネズミも人間も醜い実態ばかりで

嫌になってきました。


しかし。

ていうか。

早季は昔からスクィーラのコロニーがどうなっているか、

その驚きの進化の様子を知っていたのに、

大人になっても黙っていたんですかね?

覚なんかは「人間に反乱するかも」という危惧すら

抱いていた気もするんですが、

おまけにミノシロモドキから情報を得ているんじゃ?

とも予想していた気もするんですが、

それもさらっと忘れちゃったんですかね?

お互いにボノボでストレス解消したら忘れちゃった!?

・・・駄目駄目じゃないですか。

人間の存亡に関わることだろうに・・・。

のほほんと下働きさせたり戦闘する申請書を出させたり

してる場合じゃないですよ、本当に。


最後の早季の上司ものほほ~んと団扇で仰いでいたし、

何だか人間には危機感が足りない気がします。

自分達の子供達にはあれほど危機感を抱いているのに・・・。


なんか・・・釈然としない・・・。