売ることを考える 24 | 芸能の世界とマネジメント

芸能の世界とマネジメント

芸能界、芸能人のために論じます。

それにしてもモノを売るということは大変です。まずは認知されなければならない。これがまず難しいですよね!!近年はネットの世界ですから誰でも簡単に様々なものを無料で公開できますが、「認知」となれば話は別で、これが難しい。バンドであれば最近ではユーチューブでの再生回数でデビューが決まりがちでありますが、さて、この再生回数を稼ぐにはどうすればよいのか?ですよね。世のミュージシャンの方々。ユーチューブの仕組みは私にはよくわかりませんが、再生回数をカネで買うことも可能な場所は存在します。そして、その再生回数をみて多くの人は人気を判断するのですが、では、この再生回数を常時維持するにはやはり「カネ」が必要なわけでして、一時的に課金して再生回数を増やすだけでは意味はなく、常に上位を狙わないといけないため、常時の課金が必要となります。こうなるとアルバイトだけで賄うことはできず、やはり最終的に実力が問われるという結果になります。では実力とは何か・・・それが心理学的には集合的無意識の操作方法ということになります。

 

これもこのように書くと無意識との付き合い方は簡単であるかのような印象を受ける人が多いかもしれませんが、これが難しいゆえに全て人が報われないのであります。ここが私として辛い現実でありますが、ここをどうにか克服できるように皆様方に頑張っていただきたいです。

 

前稿では関西を例とし、オンリーワンの強みと弱みを問題提起しました。オンリーワンというと経営戦略の領域、とりわけ、日本語版のHBRなどの経営誌にはよく使われておりまして、オンリーワンだから強い!などのタイトルをよく目にします。果たしてこれが本当なのか?ということです。オンリーワンということは数の上からすると明らかに劣勢となります。そんな劣勢な存在が有利になることがあるのか?ということです。逆に、オンリーワンであるがゆえに競争相手がいないため注目がされやすく、競合他社も真似できない部分も多くあり、その点がオンリーワンであることの強みであるという考え方もあり、これは経営学でいうところのオンリーワンの意味であります。これを心理学的に考えてみますと、オンリーワンというのは個性化されている場合のオンリーワンとそうでない場合のオンリーワンと二つあるわけです。その意味でこのオンリーワンという言葉は難しいのです。日本語に翻訳してみたとしても「唯一無二」となりまして、やはりこれは個性化されている場合なのか否かについて判断が難しい言葉であります。

 

一般的に個性のある人というのは「目立っている人」のことを意味します。しかし、ユング派では全く違います。ユング派からするとただ単に目立っている人は自我肥大に陥っていると判断することが多く、その意味で病的であると判断します。ここが大きく異なる部分であります。また、一般的には目立っている人=オンリーワンとすることも多く、製品で例えると大きな注目を集め、それが唯一無二であるならばオンリーワンとなってしまっている場合が多いのではないでしょうか。これをもう少し応用範囲を拡大しますと、例えばとにかく目立つミュージシャンがいたとします。そしてそのような人はこれまで見たこともないような独特な見た目であります。演奏も上級なのでこれをもって「個性あるミュージシャン」とされがちであり、またファンもそのように思い込んでしまいがちでであります。ところが全国に出ようとすると全く歯が立たなく、プロミュージシャンへの夢をあきらめる人が多いのが現状であります。このシリーズではA氏がこのパターンであり、ホームグラウンドでは目立つ存在である老賢者が、違う地域に入ればたちまち通用しなくなる。これを本当に個性といえるのか?という問題であります。

 

では皆様方はオンリーワンをどのように評価しますか?例えば私が運営しているニューイシューというバンドは関西のオンリーワンを駆使することにより全国展開を成功へと導きました。こうなると、関西のオンリーワンは本当にオンリーワンなのでしょうか?逆にA氏は関東でのオンリーワンだったのですが、関西では全く話にならず、苦戦が続きます。ではオンリーワンとは何か?個性とは何か?ということをやはり考えていかねばなりません。目立つだけが個性ではなく、やはり、目立ちながらも万人受けするという、非常に矛盾した世界にいかにして身を置くかという方法を考えなければなりません。心理学的に個性的なる人物はこのような人物のことを意味します。

 

A氏は関東のさまざまな影響を受け関西のオンリーワンとの対決の際、やはりオンリーワンの強さを思い知ることになるのであります。続きは次回。ご高覧、ありがとうございました。