売ることを考える 15 | 芸能の世界とマネジメント

芸能の世界とマネジメント

芸能界、芸能人のために論じます。

影の問題は前回で終了しました。それにしても売ることを考える際に、なぜ心理学的に、さらには元型にまでさかのぼって考えなければならないのか?という疑問も多いかと思います。それはこのシリーズの序論にて既に論じておりますが、ここでおさらいしておきますと、芸能人として活躍するには「資本」が必要となるからです。それもイニシャルコストとして5千万円ほど必要となります。換言すると、このイニシャルコストを捻出できない人は芸能界に入ることすらできません。しかし、夢を追いかけたい!!という人のために、さらには最初から5千万円の現金を用意できないので、まずは芸能界に入門するための5千万円を何としてでも手にしたい!!という人のために何らかのお手伝いをしたいという意図からこのシリーズはスタートしております。また、既に芸能人として活躍している人であっても、次のステップを考えている人のお役に立つことができればという思いから論文を書き続けております。私にはこれくらいのことしかできませんから、今後も書き続けようと思います。

 

今回から老賢者の話に入りたいところですが、実際に芸能界で活躍するにはどのようにすればよいのかについて論じてみようかと思います。話は脱線しますが、私は大阪の音楽業界の改革も任されておりますので、その意味で、主に大阪の人々に向けて私から発信を行ってみようと思います。

 

芸能界で活躍するには、まずその登竜門としてテレビに出演することです。それ以外にもネットTVという手段もありますが、世間様に向けての発信力の強さはやはりテレビの方が強いかと思われます。テレビに出演すと自動的にネットにも映像は違法な手段であれ合法な手段であれ、ネットでの配信がなされます。これがネットでの配信だけであると、それがテレビで放送されるかというと、よほどのことがない限り放送はされませんから、やはりテレビに出演することが芸能人として活躍することの第一歩となります。しかしながら、どのようにしてテレビに出演するかであります。

 

テレビに出るには実のところ簡単で、番組枠を買い取れば誰でもテレビに出演できます。但し、放送法なるものがありますので、その趣旨にのっとり番組の構成を行い、その構成に従った進行ができなければなりません。細かい規定はいろいろあるのですが、要するに、番組枠を買い取ればテレビに出演することは誰でも可能であります。

 

この番組枠の買い取りですが、どのような枠が販売されているかについてはテレビ局によって違いますから、各テレビ局にお問い合わせください。ここでは一般的な事例をあげることにします。

 

まず、番組枠の概念ですが、これもテレビ局によって大きく異なります。ですからここでは理解しやすいように時間というもので「枠」を買うという考え方をご紹介します。例えば、テレビに出演したいと思い、番組枠を買うことを検討します。その際に、やはり見ている人が多い時間帯を狙いたいと考えます。そうすると必然的に19時~21時頃の時間帯になるかと思います。予算は限られますし、ましてや19時から買うとなると非常に高くつくので、20時30分から21時の枠を買うとします。これを全国ネットで放送するかローカル放送とするかでまた価格は異なりますが、ここでは全国ネットで考えます。そうすると、仮に、200万円で枠だけは買えたとしましょう。そしてテレビでの出演権は獲得しました。しかし忘れてはならないのは、枠を買っただけで、テレビ用のセット(美術)、盛り上げ役のゲスト、エキストラをどうするか、さらにはカメラさんや音響さん、収録であれば編集も別に発注しなければなりません。音楽番組であれば音楽番組の専用スタッフを発注することになります。このようなことをやっていると、平日木曜日、20時30分から21時まで、キー局による全国ネット放送となると安くて1千万円くらいの費用が発生します。それも1本での制作費用ですから、週に一回の放送を一か月続けると4千万円となります。さて、この費用をどのように捻出するかです。

 

上述の事例は個人で番組枠を買い取るときの話としましたが、番組の制作費というものは基本的に誰がどのように作ろうが上述の条件であれば安くて1本で1千万円はかかります。ですから、芸能事務所に所属していたとしても、その芸能人に30分で1千万円以上/1本の経済効果がある場合にのみ出演が許されるわけです。要するにカネの世界であります。しかし、このカネを引っ張ってくるためにどうすればよいのか?を考えるときに、やはり多くの視聴者を取り込むだけの力が必要であり、そこに心理学の力を借りようとするのが私の戦術であります。

 

これらの芸能界の原理原則を単純化すれば、「ファンを多く取り込めば、カネも自動的に入ってくる」という長所となります。これが芸能界のおいしい部分であります。この部分を最大限に活かせる人が芸能界で活躍できる人であります。ですから、大阪でミュージシャンを育て、全国へ羽ばたかせていこうとするのであれば、まずは大阪でミュージシャンを目指そうとする人が日本全国の多くのファンを取り込まなければなりません。そのためにはこれまでの大阪の人の心構えでは成り立たず、まずは心の問題から改革を進めていく必要があります。なぜなら、これができていれば私が大阪で「音楽の街化事業」を取り組む必要がそもそもないからです。

 

もうあと数回にわたり芸能界の仕組みについて論じていこうかと思います。ご高覧、ありがとうございました。