心の磁力の活用(具体策 17 布置を考える 3) | 芸能の世界とマネジメント

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なんといいますか、ユング心理学において最も重要なことになる夢分析へ話を移していこうと思っていたのですが、世間様の需要はどうもそこにはあまりないようで、どちらかというと布置の議論を進めてほしいとの要請もありますので、今回もやってみようと思います。見えないものを見ようとする技術なのですが、聞こえはいいですけど、見る側はものすごく辛いわけです。というのも、個性化の過程における個性化についてはカウンセラーではなく、患者が主体となるのですが、布置の議論は主体がカウンセラーになるため、患者のいろんな部分を背負うようになりますから、ものすごく辛いわけです。いいことも悪いことも全て他人のことを自分の問題として受け止めねばなりません。その覚悟があるのでしたら続きを読んでいただいても結構ですが、その覚悟のない人は読まない方が賢明です。そしてなぜ、先に夢分析の話を企んでいたかと申し上げますと、最近のLinQの公演を見ておりますと、これまで以上に「魅せる」方法を獲得していることが実感でき、心理学者である私が転移しそうになるくらいに魅せられました。ステージ後の引き戻しに苦労するくらいに引き付ける力がついておりまして、ここまできたら少だけなら助け舟を出しても問題ないと判断し、苦労している彼女たちが睡眠中に実際に見るであろうと予測される「夢」についての判定方法を書いていこうと思ったのですが、それはまた次の機会に行おうと思います。上述のように、LinQにアドバイスを送っても私が老賢者的な見方をされる心配はないと判断しておりますので、布置の議論といえども少しばかりLinQのためになるように話を進めていきたいと思います。

 

私の実学道やロンドンのブログを見ていただいている方は既にお分かりだと思いますが、布置の考え方は相手の思いを第三者的に見るためのものであり、さらには、主体が布置を見る場合、それは相手の領域へそっと入っていく方法の技術となります。私はこの論文を今は「心の磁力」として書いておりまして、そのことからすると対立概念となります。これも私が運営するすべてのブログを古くからご覧になっている方々はお気づきと思いますが、人が人や物に好意を寄せる場合、それは対象が主体に接近するのではなく、主体が対象に接近するのだとずっと主張してきました。また、その意見を変える気もなく、むしろその意見を立証するために様々なブログにて様々な現象や理論を書き綴っているわけですが、そのような論理と対立するのが「布置による判定法」であります。

 

どこから説明するについて非常に難しいのですが、純粋に深層心理学的な視点による布置というものは、患者があり、そしてカウンセラーがあり、患者が夢や自身がおかれた現状を語り、それをカウンセラーが物語化するために布置を使って診断していくものであります。従いまして、深層心理学的には対象や現象がはっきりしている場合に有効とされる手段であると定義することができます。しかし、私はこれを応用して経営学の領域に持っていき、活用しているのですが、そうなると深層心理学で使用する布置とは少し違った様相となりますし、いわんや「心の磁力」などとは全く逆の考え方となります。ではなぜ私はそのようなやり方で経営学的診断をし、それをニューイシューというバンドに適応させているかというと、それは「地方創生」にかかわる事業であるがゆえに、それに見合った方法を開発したというのが正直なところです。この件はずいぶん前に内閣官房のブログに書いた記憶があるのですが、元型イメージとコンプレックスを援用した、マスプロダクト型のようなやり方をあえて行わない理由を書いたと思いますが、それを実践するには実のところ、主体が対象に向かっていく作業が必要となり、そして、向かって行った先において「元型イメージ+コンプレックス」の方法を使うというのが地方創生という難問に立ち向かう態度であると私は、そのような仮説を持っております。

 

これは余談になりますが、最近では地方のコンプレックスを私は十分に熟知しているにもかかわらず、それを公表しないのはなぜか?という質問を受けることがあります。確かに私は日本全国、それにヨーロッパと北米、そして南米についてのコンプレックスを調べ上げておりますが、これはコンプレックスゆえに公表することは難しく、私の行動をよく観察していただきながら国や地域のコンプレックスを読み取っていただくということで対応していただくしかありません。また、地域や国を知っているがゆえにニューイシューというバンドは「モノ」のように自由に動かすことができると思っていらっしゃる方が大勢で、これも驚きなのですが、実のところかなり意識的に操作している部分があることは否めませんが、しかし、操るために研究活動や音楽活動を行っているわけではなく、努力の結果が実ることに、やはり喜びを感じておりますので、冷静な対応をお願いしたいものであります。

 

ところで、この布置を見ていく作業ですが、これは何度も繰り返しておりますように、自分が相手の中に飛び込んでいく方法であります。ですから、まずは自分が何者であるかを明らかにしないと始まりません。相手の心に入っていくには、まずをもって自分の心が開かれていないといけません。警戒されていては相手は防御の体制となりますから、防御している布置は現れるのですが、それでは知りたいことが知ることができず、失敗に終わります。

 

例えば、あるパーティーで目当ての有名企業の社長を見つけることができました。その社長にバンドのスポンサーになってもらえるチャンスが目前となったわけです。しかしながら、その社長にどうやって近づけばいいのかがわからない。面識はないが、同じパーティーに参加しており、立ち位置的には同じ立場でありながら、面識がないがゆえ、話しかけて悪い印象を与えたらどうしよう?相手は自分よりも20歳も年上で人生を熟知している。しかも、取り巻きの数も多い。警戒心も強いし、何よりも人なれしているに違いない。さて、近づくにはどうしたらいいのか?と考えたりするものです。まず、有名企業の社長であるというのが第一の壁となるかと思います。そして、そのような人はたくさんの人と出会っているがゆえに、私のような若輩者を相手にするか?などと思ったりすることでしょう。そのようなとき、この人の心の中を覗ければ・・・と空想にふけるのが一般的だと思います。このように書くとその有名企業の社長は全てその逆の人物か?と考えてしまうかもしれませんが、実際に非常に警戒心の強い経営者であるかもしれません。通常、有名企業の経営者の警戒心は人一倍強いです。では、その警戒心という壁を超えるにはどのようにすればいいのか。また、最初から警戒心が低い経営者に近づくにはどうすればいいのか。窮極的には、警戒心という壁の高低をどのように判断すればいいのか?など、次回以降に徐々に話を進めていこと思います。

 

LinQの皆様のさらなる発展をお祈り申し上げます。ご高覧、ありがとうございました。