心の磁力の活用(具体策 18 布置を考える 4) | 芸能の世界とマネジメント

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昨日は布置に関する話を少しだけ行ったのですが、それにしてもこれだけ科学が発達し、科学の恩恵を受けながらも超自然的な現象を好まれるというのも不思議なもので、とはいっても、そのようになることはユングも既に指摘しており、それに次ぐ人たちや哲学者もこのような状況になる、またはなっていると指摘しているにもかかわらず、実際にその現象、すなわち、私がその超自然的な現象を説明せねばならないという状況になりますと、いささかの混乱が生じるもので、ここにより一層の慎重さを要求されるわけでありますが、このよくわからないが因果関係がありそうだという「共時性」なるものを信じるか信じないかは読者の姿勢によるのですが、例えば、ある魚釣りが好きな男性が夢の中で波止場で釣りをしていたところ、突如として沖へ行きたくなり、海を歩いて沖へ向かった夢を見たという例があります。しかし、その男性は2か月後、沖の岩場で魚釣りをしているときに波にさらわれお亡くなりになりました。このように、夢など何の意味もないものだと思っていると、実はそれが人生のおいて大きな意味を持つこともあり、あなどってはいけません。信じるか否かは読者の姿勢次第ですが・・・

 

このように前置きしておきまして、では、布置を読むという、いわゆるプロファイリングの技術を少しだけ触れようと思います。これも不思議なもので、プロファイリングと表現すると科学的に聞こえますが、布置と表現すると超自然現象のような印象を与え、それを使うものは超能力者や霊能力者のように見られがちなのですが、実はそうではなく、それなりの根拠があり、その状況を把握し、真実を見ていこうとするものであります。これを詳しく解説すると犯罪に転用される可能性がありますから、あくまでも概要として見ていただければと思います。また、LinQの皆様方は何かどこかで交渉しないといけないような場面に出くわした時、この布置の技術を使うとスムースにことが運ぶ可能性が高くなります。いろいろと練習し、メンバー同士でシミュレーションを行い、技術を習得していただければと思います。

 

前回はパーティーに来場している有名企業の社長と交渉を試みることを例とすることを予告しておりましたが、予告通り、この例を使ってみようと思います。ちなみに、この例は私が実際にロンドンのあるパーティーにて経験したことでありますが、そこで行ったことの全てをお伝えするわけではありません。相手の人権を尊重することにおいても、すべてを語ることはできません。あくまでも概要として把握していただければと思います。しかし、できる限りリアルな空想を描けるように書くつもりであります。そして、これはロンドンでの話ですが、応用すれば日本でも使えるかと思いますが、失敗しても私も内閣官房も一切の責任を負いません。

 

1:社長の外的環境の状況

 

では、ある有名企業の社長があるパーティーに出席しています。これも前回に書きましたが、有名企業の社長というのは通常、非常に警戒心が高いです。ですから、接近するものは全て「敵」とみなしていることが多いです。しかしどうでしょう、そのような警戒心が高い人物が人が大勢集まる場所に来ているというのはどのような状況でありましょうか。通常、このような名の知れた社長というのは経営資源、いわゆるヒト、モノ、カネ、情報の全てがそろっている人ですから、人の集まるパーティーに出席する必要などありません。出席するとしても自社の大きな出来事でのパーティーや政治がらみのパーティーに無理やり引っ張り出されるようなことがあれば別ですが、貴族などが主催するとはいえ、そのような一般的なパーティーに出席することはまずなく、その意味で、この社長は人の助けを必要としていると判断して間違いないでしょう。

 

2:社長の内面の状況

 

ユング心理学では意識と無意識など、対立する考え方をトータルして考えることが求められます。ですから、社長の外的な要因が判明すれば、次は彼の内面を知る必要があります。外的環境が「意識」や「自我」を表現するものであれば、内面の世界は「無意識」を表現します。

 

ここで、前述しましたが、それを引用してみますと、「接近するものは全て「敵」とみなしていることが多い」と書きました。これをどのように解釈すればいいのかとなるのですが、ここでユングの「タイプ論」を引き出してみましょう。向かうところ敵だらけというのは典型的な内向型の人になりますが、では、なぜそのような人物が社長として成功し、かつ、大勢の人が参加する場に存在しているのか?と考えるとき、この内向型の選択肢はなくなります。すなわち、彼は内向的に見えながら、実は外向型の人間であると判断することが可能です。人間のタイプを大別すると外向型と内向型とに分けることができるとすると、ここで既に彼のタイプを言い当てる確率が格段に上昇したということができます。

 

このようにして社長の内面に入っていく準備が二つ進みました。三段跳びの例で行くと、次はジャンプとなります。

 

3:内面と外見の態度

 

相手が外向的であると判断したのであれば、もうその人物は100%外向的なタイプの人であると信じ、最終段階へ入ります。タイプ論によれば、人間のタイプは8タイプに類型化可能とされております。その内、大分類としての2タイプの内、一つに絞りましたから残る機能の類型(以下、機能類型)について見分けていく必要があります。機能類型については4つあります。思考、感情、感覚、直観の4つです。この内のどれに該当する人物かを特定することにより相手に接近していく際に有意義となると考えております。そこで、彼のパーティーでの振る舞いを観察するのですが・・・

 

思考型

 

外向的思考型の人が何でもないパーティー出席している場合、それは悩みを持っている場合が多いかと予測されます。なぜなら、このタイプは合理的判断が全てですから、人の手を借りないで過ごせるなら、人の集まるところにそもそも来ないです。思考型ゆえに深く考慮したうえで人に助けを求めている可能性が高く、それ故に、表情も暗いかもしれません。もしそのような表情をしている場合、もはやこちらが助けてもらうこと無理なので、接近することは取りやめるか、悩みを聞くことによって仲良くなり、さらなる状況を見極めて深く入っていくことをお勧めします。

 

感情型

 

このタイプは例えば、私の妻の宗子が該当しますが、このような人物がなんでもないパーティーに参加しているとき、それはただ単に参加したかったという理由からです。外向型ですから表に出ていくことや舞台に上がることが好きで、人と接することも好きです。さらに、招待された人しか来ないとなると自分をフルにアピールできる格好の場となりまして、その意味で、自分をセールスするための場となっていることが多く、このような場で、このような人物に接触しようとする場合、ギブアンドテイクが必要となります。

 

感覚型

 

このタイプの人は外的な事実を取り込みすぎるタイプの人であります。ですから、このタイプの人が何でもないパーティーに来ているということは、これまで出会った人や物以上の人や物を求め、来場していることが多く、強烈な刺激を求めているものと推測できます。ですから、このタイプの人物と接触するときは、外見も実力も強力で、かつインパクトが非常に強い自我の持ち主であることをアピールできれば接近に成功すると思われます。

 

直感型

 

直感型というのはいわゆる直観に生きる人物のことです。このタイプで多い職業は政治家や企業の経営者です。ただし、政治家や企業経営者は「思考型」にも多く、これを見分けるのが大変なのですが、直感型のひとが何でもないパーティーに来ているということは、自身の置かれた現状に満足できず、新しい何かを発見する、ないし、それができるパートナーを探している場合が多く、いろんな人に気さくに話しかけては探りを入れているような人物であれば外向的直感型の人物であると特定できます。

 

そして、私が接近しようとしている人物はまさに「外向的直感型」の人物でありまして、様々な人とまんべんなく会話し、何らかの刺激を求めようとしておりましたから、私もその波に乗り、接触が可能となりました。

 

4:主体の行動のあり方

 

では最後に、このタイプの人物と実際に接触し、心の中に入っていき、スポンサーとなってもらうにはどのようにすればよいのかという、方法論ですが、基本的に外向的な人物には外向的な態度で臨むことがいいでしょう。というのも、一般的態度が外向的だからといって、純粋に外向一辺倒な人物ではなく、外向的な態度の中に内向的なものを内包しており、人の集まるところに来ているということは少なくとも否定的な要素が前面に出がちでありますから、それに対抗するには外向的態度によって行うのが妥当であると考えられます。

 

ここで大切なのは、人間のタイプは一人ひとり異なるということを認めることであり、その違いを認めた中で人間関係を築いていくことです。それを自分なりに納得させるための素材としてタイプ論があるわけですから、相手に食いつくための手法というよりは、自分自身を高めるための手法であるということを忘れてはなりません。これを忘れたとき、相手に幻滅というダメージを与え、信用は台無しになります。

 

5:まとめ

 

以上が布置、ないしプロファイリングの概要です。大切なのは対象となる人物の外的環境と内的環境の両方を吟味することです。そして、対象に接近していくのに必要な予備知識を即興で整える方法としてタイプ論を使用しました。しかしまだ問題は解決しておりません。接近してから相手を「口説き落とす」方法について議論せねばなりません。それを次回以降に行っていこうと思います。

 

ご高覧、ありがとうございました。