余談の時間(オーラ) | 芸能の世界とマネジメント

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最近は河合隼雄先生との関連で、「オーラ」というキーワードでお越しになる方も多く、オーラについて興味のある方が多いのかと思うのですが、このオーラですが、最近はあまり聞かない言葉となりました。しかしながら、それに代替する形で「圧」という言葉をよく耳にするようになりました。ユング派心理学を学ぶものとしてはオーラよりも「圧」の方がなじみがありまして、この点について今回はお話しをしようと思います。

オーラとは何でしょうということもありますが、それよりも、オーラが欲しいとか、オーラを発したいとか、オーラを発する方法を知りたいとか思っている方が多いと感じているのですが、例えば、私がLinQの深瀬智聖さんと初めてお会いしたのは福岡の天神の歩道でした。その時、私は変装しておりましたので誰も私に気づくはずがないと思い、安心して歩いていたのですが、その時に、「ファンです!」と声をかける女性が一人いまして、よく見てみるとLinQの深瀬さんではありませんか。これには驚きましたね。あの姿で私とわかるわけですから、相当な観察眼をもった人物であるのですが、その時に私が彼女を見て思ったのは、「呑み込まれそう」です。一般的にはこの状態を「オーラを感じる」とか、「圧を感じた」となります。

ある特定の人物を「見て」、オーラを感じるのか、圧を感じるのか?もう少し状況を詳しく見ると、オーラを感じる場合、それはある人からオーラがでていて、それを相手が受け取ることにより感じられるものです。これとは逆に圧というのは相手はむしろ好意的なわけですから、精神的に圧力をかけるわけではありません。むしろ呑み込もうとしているのに、「圧」を感じるというのは、それは受け手が勝手にそう感じているだけの話といえばそれまでなのですが、それほどまでに感じる何かを相手に「投影」している状況にあることを指します。

深層心理学的に相手を見た瞬間の感じ方について述べてみると、これに関してはこれまでに述べてきているように、投影する側、すなわち、見ている側の心理的要因が大きく影響することにより、相手を「感じる」ないし「認知」することができます。あくまでも見る側が勝手に様々な思いを頭の中で巡らせるものでありまして、その思いは徐々に拡大することになり、それがオーラと感じているだけで、相手はオーラなど発しているのではなく、投影者に見てもらおうと努力しているに過ぎないのです。しかしながら、見ている相手は見てもらうように全力を尽くしているので、その点においてどちらかというと、「圧を感じた」と表現する方が正しいのではないかと思っております。

これはあくまでも深層心理学的な視座によるものですから異論もあるでしょう。そこで、もう一つ別の見方では、オーラとは「電磁波である」とする研究者もいまして、私が近畿大学の大学院に在籍していた時の非常勤講師がその研究をしておりまして、芸能界で人気のある人や大手企業の社長さんからは強い電磁波がでていて、その強い電磁波を相手が感じることにより「オーラ」を感じることができるとする仮説を宇田という工学博士が力説されておられました。この場合、受け手の問題よりも発信者が主体となっているのが特徴で、その意味で、深層心理学的には受け手が主体となっており、ここに大きな差が出てくるのですが、いずれにせよ、相手に何かを感じることについては変わりなく、世の中うまくできております。

どうでしょうか、オーラについて語ってみました。いつかはやってみたいと思っておりましたので念願かなって満足しております。ご高覧、ありがとうございました。