戦略と行動 その 7(マトリクス解説4) | 芸能の世界とマネジメント

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今回でマトリクスの解説は最終回となります。次回は結びとなりまして、今回と合わせてゲイリーのネタではあと2回で終わります。


イノベーション戦略

出所:http://ameblo.jp/linqno1/entry-12148094812.html


本日は最後のマスとなる新設計イノベーション戦略です。

これは見てのとおり、全てが新しいことになります。技術もビジネスモデルも新しいわけですから、相当な困難が待ち受けているか、既に困難な状況ゆえにこの道を選択するかのどちらかです。論文の原文ではコダックとポラロイドを例にあげ、本業のカメラよりもサービスや紙製品などで利益を上げていることを説明しております。

もう少しわかりやすい例はないかと探してみるのですが、日本の企業では近いことをやる企業はあるものの、本業より稼ぐ全く別の事業という例はありません。近い例は、コンビニの親会社がコンビニ事業を展開する子会社に売り上げを抜かれるとか、自動車企業が家を製造販売するケース、家電メーカーが自転車を製造販売ケースなどがありますが、そもそも資本関係はあっても別会社であるとか、同一の企業内であっても、収益の柱にはなっていないなど、ゲイリーの理論には当てはまりません。そこで、卑近な例でいくと、私と内村がアイドルグループLinQのカバーをやるなどはどうでしょうか。

実は、このLinQのカバーがあまりにも好評なため、パールジャムのカバーやオリジナル曲の需要をはるかに上回り、田中&内村=LinQとなるほどに皆様方の頭の中に刷り込まれるに至っております。もはやLinQ抜きのライブは考えられず、私たちにとっては大事件となっております。このようなことから、私たちが運営するバンドは「破壊的イノベーション戦略」に見えているかもしれませんが、実際には「新設計イノベーション戦略」でバンドの運営が行われております。アイドルのダンスの技術もビジネスモデルも全く持ち合わせていないにもかかわらず、この戦略が通用するのはなぜかというと、それは周りの人々が持ち上げるからです。要するに、この戦略で前に進むには強烈なほどの支援者が必要で、事業主よりも支援者が前面に出えてくるような場合にのみ通用する戦略です。ここで少し心配なのは、LinQ自体が新設計イノベーション戦略を選択するようになってきておりますが、まずはこれを支持する猛烈な支援者がいるかどうかを見極めてほしいと思います。

最後は自己分析も含め、LinQへの提言まで行いました。次回は結論と将来展望となるわけですが、この修士レベルの研究も改めてやってみると面白いですね。この程度の研究を行ったところで「だから何??」という声がたくさん聞こえてくるのですが、まあ、自己満足です。私の研究室でこのような研究は許されませんから、せめてブログでは自由にやらせていただきたいですし、ブログはそのような場として活用しております。

次回は結語です。ご高覧、ありがとうございました。