前回は慣習的イノベーション戦略を説明しました。今回は破壊的イノベーション戦略の説明を行うことにします。時間があきましたので、もう一度図を出しておきます。

出所:http://ameblo.jp/linqno1/entry-12133441767.html の図を改訂し掲載
破壊的イノベーションといえばクリステンセンの「破壊的イノベーション」のことです。論文の原文にもそのように明記されております。とはいえ、「破壊的イノベーション戦略」となるとさすがに意味が異なるのですが、その点については図の説明が全て終わった時に説明します。ここではゲイリーのいう「破壊的イノベーション」について説明します。ゲイリーは原文中においてこの戦略についてはクリステンセンの概念を引用したことを明記しております。そこに彼なりの理解を付け加えておりますので、それについて解説していこうと思います。
まず、この戦略は「技術は旧式、ビジネスモデルは新式」の構図です。原文ではOSのアンドロイドを例にあげ、アップルやマイクロソフトのOSとの比較で説明しています。要は、OSとしての機能はほとんど変わらないが、アンドロイドは無料、アップルやマイクロソフトは有料というビジネスモデルの違いを強調して説明されております。厳密にいうと違うのですが、破壊的イノベーションを一言で説明するとなるとかなり明確な答えとなっております。
アイドルでいうなれば、踊りは古典的なアイドルとほとんど変わりないが、入場料が無料で、その分、物販でのグッズの単価が高い、ないし、単価は低いが人気商品を連続ヒットさせ、回転率が高いがゆえに収入増に貢献し、ライバルを寄せ付けないなどとなるでしょうか。
ではこのモデルをLinqに、すなわち、「知的ダンス女子」の枠となるかということですけど、「知的」にいくならこの枠を使うべきだと考えております。現在のLinQは、現状では無理やり慣習的イノベーション戦略を採用しておりますが、これはX軸上の選択は正しいものの、Y軸上の選択を間違っているためにAKB48を抜けない、ないし世界進出の機会を逃す原因となっていると考えられます。せっかく古いダンスがものすごくいい状態で機能しているわけですから、ビジネスモデルだけを変えて勝負すればAKB48を超えることは可能と判断されます。そうする間にAKB48も次なる戦略を考えるでしょうし、そうすると戦略の競争が生まれてきますから両者はとんでもなく素晴らしいアイドルになっていくでしょう、という仮説が生まれてきます。
次回以降は残りの二つを説明したうえで、この破壊的イノベーション戦略を選んだ、また、選ぶべき理由を探っていこうと企画しております。
ご高覧、ありがとうございました。