少しだけ時間が作れたので、前回からの続きをやってみようと思います。
まず、「イノベーション戦略」とはなんでしょうということ。これは新しい概念なので慎重にならないといけませんし、このように、世間一般の方々からすると、「そんなことどうでもいいから、答えを早く出せ!!」と言われるのですが、「ダンス知的女子」を目指すLinQの皆様方はこのような「面倒」なことをその都度考えて、悩むことが必要であるため、このような進め方をしております。
このイノベーション戦略を考えるにあたり、私の思考の根底を書き綴っている「実学道」を読み返してほしいのですが、まずはやはり「イノベーション」と「戦略」とを切り離して考えていただきたいのです。では、イノベーションとはなにか、そして、戦略とはなにかを復習の意味でも確認いたしますと、「イノベーション」とは「新結合」のことを意味し、「戦略」とは意思決定を意味します。そしてこれらを総合すると、「イノベーションを発生させるための意思決定」ということになります。実際にこの論文を読んでいただくと、イノベーション戦略についての明確な定義はなされておりませんが、本文中より判断いたしますと上述の意味で合っていると考えられます。このように考えると、イノベーション戦略とは、組織としての「行動規範」を定めるものでもあり、実際に行動していくための行動の方法まで取り締まるものであり、ここからしても戦略の策定と「実行」というものは切り離して考えるべきではないことを裏付けるものです。
ここで一つ、原文のニュアンスを活かすとするならば、このイノベーション戦略とは、「組織の活動に制限をかけ、メンバーに共通の認識を与えるもの」というように解釈することもできます。この論文の論者が何が言いたいかというと、「何かに規制をかけないと物事うまく運ばない」ということであり、これをわかりやすく翻訳すると、「法律がないと国はうま回らない」ということです。もし日本が法律の無い、無法地帯だったらどうしますか?殺人事件も罪になならず、詐欺師も増え、「だまされる方が悪い」というようになるでしょう。これでは生活できません。そこで法律というもので人間の本質的な行動に支障が出ない程度に、「法律」というもので「規制」をかけます。そうすると、私たちは殺人や窃盗、詐欺や傷害などを起こさないように行動します。中にはその限りではないひとも発生しますが、ほとんどの人はある一定の制限の中で行動し、そこに「豊かな生活」を求めていくことになります。
企業や組織体を豊かにするためには「規制をかけろ!!」というのがこの論文の究極の命題となるのですが、このパラドックスが面白いではありませんか。また、各種の組織体がおかれている「環境」によっても規制のかけかたは異なってくると論者は主張しております。LinQが世界に羽ばたくには「何らかの規制が必要」ということになり、しかしながら、その規制たるものは前回にアップしたマトリックスに潜んでいる・・・
このような新基準で考えた時に、前回のマトリックスのどの部分がこれからのLinQに必要とされるのか、これを考えていくことを次なる「行動」にしていただくと幸いです。ご高覧ありがとうございました。