師走も押し迫ってきたっていうのに、次の完全オフ日は元旦だっていうのに、
大掃除も年賀状もまだだっていうのに、
話題沸騰の『KAGEROU』を読みました。
巷では賛否両論あるようですが、いや、けっこう面白いよ、これ。
確かに、大きな小説大賞受賞作にしては、ストーリー展開に新鮮味はないのかもしれない。
しかし「聞いたことがないような話」が優れているのか、といえば、そういうわけでもないだろう。
そして確かに、主人公の設定に違和感がある。40歳男性にしては、言動が軽い。
「25歳、ミュージシャンとしての夢破れたフリーター」とか、
「30歳ベンチャービジネス失敗して借金まみれ」とかなら、問題なく主人公に感情移入できるのに。
しかし、読後感は良い。
ひとそれぞれ小説に求めるものは違う。
わたしは、「さわやかな読後感」を求める。
絶望や破滅ではなく、希望の光が少しでも見出せる作品に出会いたい。
その点から言えば、読む価値のある本だ。
荒削りだが、全編通して作者の強い気持ちがブレずに直線で伝わってくる。
テクニックの巧拙ではなく、作者のまっすぐな情熱が評価され、
将来性が期待されての受賞だったのでしょう。
「これからは様々なコンテンツを発信する側にもなりたい」
数年前の、日本アカデミー賞新人男優賞受賞の際の水嶋ヒロくんのスピーチ。
理路整然と話す様子が、とても印象的でした。
