今回の「サポートライダー養成プログラム」の講師は田代さんという方で、アテネオリンピックのプレーヤーであり、現在は「Linkage Cycling」という会社を運営されています。
会社としてサイクリングツアーを企画されているので、事業者としての視点からの講義内容が多かったです。
ここからは僕の解釈で、講義の内容を正しく反映するものではありませんので了承ください。
まず感じたのは事業者として、つまりお金をとってサイクリスト(田代さんもお客さんとおっしゃっていたので、お客さんと呼びます)をガイドすることは、非常に大きな責任を持たなければいけないということです。
わかりやすく、ガイドの役割をいくつかに分けます。
・道案内
・安全を守る
・お客さんの社会的立場を守る
・お客さんに満足感(楽しみ)を与える
・道案内
サイクリングコースを企画・設計し、試走して道中の危険箇所やトイレ・休憩所のほか見所などを確認します。
走行距離、獲得標高、休憩所、ランチの場所、終了時間などのスケジュールをお客さんに伝え、特に注意する箇所があれば、あらかじめ説明します。
・安全を守る
出発の前に自転車をチェックします。 ハンドサイン、交通ルール、緊急時の対応などを確認しておきます。
交通ルールに従って、道路の最も左の走行車線を1列で走行します。
休憩時にはお客さんの体調に気を配ります。
・お客さんの社会的立場を守る
普段のサイクリングでは、あまり意識しませんよね。
企画者は、コースの設計・道案内をしますが、安全は各自の自己責任です。
しかし、社会的立場を守ることが、無料のガイドと有料のガイドを分ける最も大きな違いだと感じました。
社会的立場というと、どういうことかイメージしにくいですが、要するに他人に迷惑をかけない、不快感を与えない、後ろ指を刺されないようにするということです。
実習では、ここに関する部分が最も難しかったです。
1人で走る時は何でもないことが、集団になると様子が大きく変わります。
直面する事案はケースバイケースなので、経験したいくつかの具体的な例で説明します。
〇信号等で停車する場合、車の通行を妨げないこと、歩道を塞がないこと、施設(特に駐車場)への入り口を塞がないことに気を配ります。
〇前方の歩行者、低速の自転車などを追い越す場合、対象を認識した時点で後続に伝え、減速します。 対向車線の様子、後ろから車が来ないかを確認し、右によって対象を追い越します。
〇道路に想定外の物体(事故車など)がある場合、まず減速して状況を把握し、必要があれば停車します。 交通量が多かったり、状況がわかりにくければ自転車から下りて歩道に退避します。
状況を確認して、安全な場所に移動して再出発します。
これらのケースで、自転車が邪魔になったり、歩行者や他の自転車・車に脅威(不快感)を与えたり、交通を妨害することがあれば、まず自転車のイメージダウンにつながります。それから、お客さんの印象が悪くなります。
なにも卑屈になることはないのですが、一口にいうと正しくマナーを守って、自分も周囲も気持ちよく自転車に乗ることが大切です。
・お客さんに満足感(楽しみ)を与える
先の3つを満たして、その上に満足・楽しみが成り立ちます。
後はガイドの企画力・人間力ですかね(笑)
ガイドがいっぱいいっぱいではお客さんに不安しか与えません。
経験を積んでスキルアップし、同行者ともども楽しく走れるようになりたいものです。
そのためのとっかかり、道筋を今回教わり、大変勉強になりました。
講師の田代さん、助手の花田さん、他関係各位の方々に感謝します。