先日、聖心会のシスターの
鈴木秀子さんが書いた
『死にゆく人にあなたができること』
という本を偶然手にし、
読みました。
この本を母を見送った後に読んで
今までを振り返り
母の最期の時間を
私たち家族があのように過ごしてよかったのだと
肯定する助けになったし、
大切な人を亡くした後のことにも触れているので、
今回読むことができて
よかったです。
鈴木さんは
自ら臨死体験をなさり、光の存在に会ったことや
多くの人の死に立ち会い、看取った経験から、
死は怖いものや忌むべきものではなく
魂があらゆることから解放されて自由になり、
次の世界に移行していくことで、
至福の世界に入ることだと語っています。
だから、
身近な人が死にゆくときには
幸せに送り出してあげることをすすめています。
死別は、送り出す側にとっては
この世の何とも比べ難い、辛いことですが…
特に、
鈴木さんは「仲よし時間」を大切にすることを
すすめています。
「仲よし時間」とは
死が近づいた患者さんが突然、元気を取り戻し、
まるで病気から回復したかのような状態になり、
今まで思い残したことや言えなかったことを
家族や大事な人に語り出すことがあって、
残される側も
感謝や伝えたいことを伝えることができる
時間のことをいいます。
私も亡き母との「仲よし時間」に
とてもよい時間をもてたことが
何よりの救いになっています。
(詳細は、母と私だけのこととして
大事に心に留めておきます。)
私自身のことを振り返ってみると
母が入院した時点で
手術や抗がん剤治療などができない
状態であることを
医師から伝えられたときは、
ありのままの母の状態を受け入れるのは
なかなか難しかったです。
それまでは
母は、好き嫌いがはっきりしていて
お互いの共通の興味のあることは
楽しくおしゃべりができるけれど、
私の関心事には全く興味をもってくれない人。
病院に行った方がいいのに
頑固でなかなか行かなくて
困っていました。
また、母は細かく気がつきすぎて
割と大雑把なところのある私は、
注意されることが多く、
私はのびのびと自分らしく生きていけない
と思っていました。
でも、ホスピスに移ることが決まってからは
母が幸せに最期を迎えられるように
全力でサポートしてあげようと
覚悟を決めました。
覚悟を決めると不思議なことに
母に対して今まで感じていたわだかまりが
すーっとなくなっていくのを
感じました。
この鈴木さんの著書にも
お姑さんの介護に
出口の見えない苦悩を抱えるお嫁さんの例が
出てきます。
このお嫁さんは
「ここまできたのだから
最後までお姑さんの面倒をみて
しあわせにしてあげることが使命なのではないか、
そうだとしたら、
イヤだけど、とことん引き受けよう」と
自分に正直になって、覚悟を決めたら
日常が変わり、
身のまわりの人間関係が
豊かになっていったそうです。
「仲よし時間」がとれないうちに
亡くなったとしても、
亡くなられた人は
今、至福の世界にいて
私たちに光や愛を注いでいます。
亡くなった人や死が迫っている人が
家族や身近にいなければ
なかなか手がのびないテーマだとは思いますが、
これから自分がよりよく生きるためにも
鈴木さんのこの著書は
大きな助けになると確信しています。
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