林健良の「「中国の要人籠絡戦術 - 実録』ハニートラップ編」」と言う発表がなされた。ついにここまで来たかと思い、遅きに失した感はあるが、反面この内容が表層的な発言でしかないことにある意味懸念を覚える。

 明瞭にしたいのは、とにかくチャイナに渡り、長期滞在したほぼ全ての人がハニートラップの罠に陥っているということである。そのようなことが明らかになると、恐らく多くの企業および役所が困惑するだろうが、これが事実である。駐在員の全員が遅かれ早かれ女性をあてがわれていて、それを断る勇気というか克己心を持つ人物ははなはだ少ないだろう。というのは、女性との交際を随所で気前よく勧められるからである。彼らの多くは恙なく任期を終え、問題なく帰任しているが、それはその人物がとるに足りない小者であったからに他ならない。

わが国に一時帰国をして、またチャイナに戻る際、土産を所望された人物はほぼ全員であろう。たいていは電気製品を買って来いとか、化粧品を持って来いなどといわれる(それはそれで問題であるが。)程度であろうが、それ以外の任務を帯びている人物もどっさり居る。それは植物の種であったり、何かのパーツであったり、あるいは特殊な記述の印刷物であったりする。ばらばらに依頼されるため、その目的あるいは用途は依頼された人物には判然しない。ある目的をもってそれらを集めた側の人物あるいは部署だけがその意味を知っている。寝物語で語られた話の内容も、ほぼ間違いなく集められ蓄積されている。これらは、個人としては点でしかないが、それを集積している人物あるいは部署にとっては、線になり面になるということである。これらの動きが、わが国の国益に適う筈がない。明確にかつ直ちに判断するべきであるが、企業および国はチャイナに滞在したことがある人物を一切信頼してはならないということであり、その言動は必ずバイアスがかかっているということでもある。企業あるいは国は苦渋の決断であろうが、チャイナに滞在した経験のある人物を思いきって、いったん全て解雇をしないとしても、枢要な職務から切り離すべきである。さもなくば、わが国あるいは企業は、その人物を責め問いにかけなければならない。しかしながら、米国のCIAあるいはFBIのようにわが国にはさようなノウハウも胆力もなかろう。この現象が渡支した人物の全てに当てはまるということにある意味戦慄を覚える。政府の要人だけではない。渡支した例えば職人にも女はあてがわれている。恐ろしいことである。