近頃の交通マナーは地に落ちたように思う。例えば、歩行者も右側通行を守っていない。平然と左側通行で大勢が道一杯に笑いさざめきながらこちらにやってくる。やむなく、当方が道を避ける仕儀となる。
しかしながら、でたらめなのは自転車であろう。小さな道の交差点で青信号になったので、車で直進しようとする。横合いから自転車が出てきて、右折しようとする。当方は予想していなかったので、あわててブレーキを踏む。そもそも右側を逆走して来るから予想がつかない。歩道を走ってくる場合は、なおさら視界に入りにくい。自転車は、歩行者なのか車両なのか判然しない。自由自在なのである。歩道を爆走して、歩行者をベルで追い散らしている。とりわけ、子供を乗せる補助いすを付けた自転車は、歩行者にとっては凶器にもなり得る。
毎朝、車で30分ほどの事務所に通勤している。同じころ、女性が自転車で近所の大学に通うが、方角が同じなのでよく出会う。最後の右折する交差点まで、私の車と自転車はほぼ同時に到着する。なぜそのような不思議な現象が起きるかと言えば、その女子大生はほぼ完全に信号を無視するからである。信号を無視できる存在なぞこの世にあるのだろうか。歩行者でもそれはダメであろう。信号を無視する自転車、交差点で、斜め横断をして右折する自転車が取り締まられているのを見たことがない。罰金を取りにくいから、取り締まらないのか。
免許証の更新の時に渡される冊子に、いつからかドライバーは歩行者とともに、自転車も保護すべきと明記されだした。冗談じゃない。自転車なぞ交通法規も順守しておらず、保護が出来る訳がない。交通警察は、このようなずるを公然とする。自転車をドライバーに保護してほしいなら、自転車側にもきちっと交通ルールを順守させるべきであろう。自転車は、一方通行から免れている。これは歩行者との整理なのだろう。だったら歩道だけを通行せよ。車道に出てくるな。車道に出るなら、車両なのだから、左側通行を守るべきだ。車両なら高速道も走行してもよかろう。道の端は道路事情が悪いからとの言い訳もしばしば聞く。しかし、それはオートバイでも同じであろう。大体、自転車は人力ではあるが、自動二輪は立派に車両で、おまけに免許が必要である。電動車いすも、免許制にするべきかもしれない。この間、暴走電動いすに老婦人がなぎ倒されていた。この種の事故はこれからますます増えるだろう。
要するに、法律の問題というより、交通マナーの問題なのであろう。
自転車から罰金を取りにくいとの話しをよく聞く。なればシナのごとく自転車利用者にポイント制を課してはいかが。ポイントの所有が少ないあるいは多い人物には社会生活上さまざまな不利益、例えば借入金の金利が高いとか、を課してもいいのかもしれない。