セクハラ騒動を聞くにつけ寒心に耐えない。わが国では、ほぼ男性からの求愛行為は不可能となった。古事記を紐解くと国産みの神話で、伊邪那岐の尊が伊邪那美の尊に声をかけるべきだとされている。それが、わが国の醇風美俗に適うからに他ならない。なぜ、と問うから変なことになる。なぜもへったくれもないのだ。長らくスイスでは女性に選挙権が与えられなかった。なぜと問われたスイス人の男性が答えた。女性にあんな馬鹿げたものを手掛けさせるに忍びない、と。そうはいかない国柄にどの国もなりつつある。

それにしても、女性からの求愛を待ち望んで化粧に心を砕く薄気味悪い男の子が何と多いことか。驚くべきことだ。外国を旅すると判るが、どの国の男性もその基本は戦士なのだ。米国のある街角で出会った、赤ら顔で肥った愛想の良いおっちゃんも、実はヴェトナムで軍歴があった。世界中で、戦士ではない男性、その主たる任務は単に種馬であるオスはわが国にだけ生息している。

戦後、マックアーサーに牙を抜かれたわが国の惨状である。