日々の幸せ何かの雑誌で、松本清張氏が近ごろ楽しみなことは、家内がたててくれる風呂に入ることであると言った。本当にそうだとしみじみ思う。家内が風呂を洗って入れてくれる。入れ、と言われて入る風呂のひとときは無上の喜びである。晩の膳に、ふと日本酒が飲みたくなって注文をする。燗をつけてくれて、最初の一杯お酌をしてもらえる。その一杯が何より美味い。庶民的な喜びと言われようが何と言われようが、幸福感に満たされる。何とも言い難いひとときなのである。