“GOOD LIFE” 新米社長の独り言


ここ最近、電車移動の時には必ず持ち歩いて読んでいた。


タイトルは『龍馬の黒幕』。


明治維新における坂本龍馬をはじめとした倒幕派志士たちの働きには、裏で糸を引いていたイギリス諜報部、そしてフリーメーソンの存在があった。


内容はこんな感じ。


“黒幕”とされるイギリスの存在を説いていく文脈はなかなか読みごたえがある、というか程度は別にして本当にそうだったんだろうな、という感じ。読んでいて意外に盛り上がらず、「真実に近づいていく!」というドキドキ感があまりないのは、その内容が真実味を帯び過ぎているからだろう。


もちろん留学中の薩摩藩士と幕臣がヨーロッパで出会っていた、薩摩藩士はヨーロッパで倒幕を宣言していたなど、知らなかった事実を取り上げている点はとても興味深い。


ただ、サブタイトルでも挙げられている“フリーメーソン”というキーワードは、それほど活かしきれていなかったように思える。確かにその精神と結束力がイギリスと志士達を繋げ、その行動を倒幕→維新へと導いていったという理屈は分かるが、フリーメーソンを持ちあげることはなくても本書で説いていた内容は全然成立していた印象を抱いた。“フリーメーソン”という神秘的且つ少し怖い印象を持つキーワードを上手く消化しきれていない。


なんてまぁ、読んでいない人にはついていけない個人的感想を書いてみたけど、龍馬暗殺犯の仮設はなかなか面白い。これが真実かどうかは分からないけど、少なくても読んでいる段階では説得力あり。これから読む方のために暗殺犯が誰かは書かないけど、ここだけでも読んでみる価値はある。


佐幕、倒幕、尊皇攘夷、薩摩、長州、土佐、欧米列強など、幕末当時の予備知識がないと読み進めるちょっと厳しいかも知れないけど、エンターテイメントとしては読み応え十分。


大河ドラマのお陰で龍馬さんはいま流行りだし、また違ったアプローチなのでご興味がある人はぜひ。