お世話になっているグループ会社に行く時には利用する京成金町線。
高砂・柴又・金町と3駅しかない、東京都内を走るのに知る人の少ないマニアック路線だ。
寅さんで有名な柴又帝釈天への最寄路線として観光客の利用も多いが、途中からは単線になるし昼間は1時間に3本しか来ないし、車両はボロッちいし、なんだか貴重な文化遺産の様な電車。利用客の年齢層が明らかに高めなのも他路線にはない魅力だ。
全長2.5㎞しかないこの路線は、駅間の距離も短いのであまりスピードが出ない。ガタガタと頼りない音を立てながら散歩するようにゆっくり進む。まぁ見るからに古びた車両だから、ヘタに気合入れてスピード出されてもこっちが怖いけど。なんか時速50㎞以上は耐えられなさそうな車両だし。
そして意外と揺れる。
駅に入る時、最後に絶対“ギュッ”って前のめりな感じで停まり、身体が結構揺さぶられる。いつも利用しているお年寄りなんかは慣れたもので、しっかり手すりを握っているからへっちゃらだが、たまに利用する身としては予期せぬ重力に襲われ少々焦る。だって最近の電車って急ブレーキでもかけない限りそこまで“ギュッ”とはならないよね。
そんなボロッちくてガタガタ揺れる“三丁目の夕日”みたいな金町線。
でも、だからって金町線に最新鋭のピカピカ電車が走るなんて、赤ちょうちんにタキシードで行ってホッピー飲むようなもんだ。それは似合わないな。
ちょっと寂しげで豆腐屋さんのラッパが聞こえる下町の夕暮れを走る列車には、やっぱりバスにも追い抜かれるあのボロさが似合ってる。
ボロいものには、ボロいなりの良さがある。
