“GOOD LIFE” 新米社長の独り言


取引先から次の打ち合わせ場所に向かう途中、不忍池に寄ってみた。


上野公園の一角にある不忍池はその周りが遊歩道になっていて、ベンチには仕事サボってるサラリーマンや散歩中のお年寄りが、冬空の下でただただ静かに池を見つめている。


ビルとアスファルトばかりの街を歩いて来たので水辺に辿り着いた瞬間はホッとするが、この時期の池は枯れた蓮の葉で一面が覆われており、夕暮れの景色と相まって少し寂しい印象。それでもクルマが行き交いネオンと呼び込みと店のBGMが鳴り響く大通り沿いの狭い歩道を進むより、一瞬でも水辺の風景に触れながら目的地を目指すのはやっぱり違う。ここを歩いている方が都会のひとつひとつの音が鮮明に聞こえるのだ。


水辺を歩くと、カモがたくさんいる。


23区中のカモは、きっとみんなここと水元公園に集まっているんじゃないかっていうくらいの数。みんな人の上を飛び交い餌のくれる人を探しているんだろう。いくつかのグループで行動しているが、見てるといくつかのグループを行ったり来たりしているヤツもいる。逆に一人で行動しているヤツも。


涼しい顔して、水の中では足をジタバタさせているカモ。手すりを掴み水面を覗き込むと、なんか求める様な視線でこっちを見つめてくる。


なんだか不忍池のカモは、都会で生きて行く術に長けている。あんな顔で見つめられたら、すぐ近くにある売店の「カモの餌」自動販売機でお金を使ってしまいそうになる。


スーツ着てるしデカいバッグも持ってるし、私などよく見れば「あ、こいつは餌くれないな」って分りそうなものだが、それでもヤツらは寄ってくる。


餌、買わせようとしてるんだろうな。


営業上手なカモ。