「闇夜の髑髏」

 

 

張り付かれていた。

 

相変わらず、

 

記事を更新すれば、1番に刻印を打ってくる。・・・・まぁ、2番ってこともあるけれど。

 

 

 

「えーーー!!??

 

日本全国車で行くの!!」

 

 

 

花ちゃんのラインだった。

 

 

 

「コロナ渦」だ。

 

自宅待機。

 

引きこもり生活だ。

 

 

 

「コロナに罹かったら死にますよ」

 

 

主治医から言われている。

 

 

部屋に引きこもっているしかない。

 

 

・・・・しかし、

 

 

ひとり自営業。

 

 

引きこもっていれば収入はない。

 

すでに「金」は底をついていた。

 

 

今や、

 

日々の生活、

 

その全てが「借金」で賄われていた。

 

 

銀行から、

 

 

「コロナ対策融資」

 

 

それを受けて生活していた。

 

 

明日のこと・・・・先のことを考えれば気分は真暗だった。

 

・・・・そうじゃなくても、

 

「不治の病」

 

抱えて、

 

人生は真暗なのに・・・・

 

 

生きてるってことは、嫌になることの連続の日々だ・・・・

 

 

花子と・・・・

 

花ちゃんとラインのラリーが続いていた。

 

 

 

・・・・しっかし、

 

「花子」という名前がしっくりこない。

 

 

 

「The・宝塚」

 

 

キリリとした眼元。

 

 

スッとした立ち姿。

 

 

・・・・そして、「喫煙」姿・・・

 

 

リアルの彼女は、

 

 

「花子」

 

「花ちゃん」

 

 

そんなイメージじゃない。

 

・・・いや、

 

彼女の「ブログ」は、

 

人気ブログは、

 

 

「花ちゃん」ってイメージだ。

 

明るく、

 

健気に闘病生活を送る。

 

 

「佐藤花子」

 

 

そのまんま、

 

 

「名は体を表す」

 

 

ピッタリの名前だと思う・・・

 

しかし、

 

「リアル」の彼女。

 

とても、

 

 

「花ちゃん」って感じじゃない。

 

 

 

・・・・そして、

 

あの、

 

 

「闇夜の髑髏」だった。

 

 

花ちゃんのブログにも「いいね」が押されていた。・・・・ボクと違って毎日ってわけじゃない。

 

そもそも、気づかないくらいの頻度。

 

 

20記事に1個・・・それくらいの頻度か。

 

 

それでも、付いているのは確かだ。

 

 

花ちゃんに対しての「アンチ」ってことなのか。

 

 

確かに、

 

 

品行方正。

 

明るく前向き。

 

健気な闘病ブログ。

 

 

粘着質の「アンチ」が付きそうな内容ではある。

 

妬みや、嫉み・・・しょせんは、そんなものに毒された、

 

憐れな人間が、「アンチ」という下等生物だ。

 

 

病人だろうが何だろうが、

 

自分よりも、

 

どこか「キラキラ」したものが許せないって精神構造のクズどもだ。

 

 

花ちゃんのブログに張り付いていてもおかしくはない・・・・

 

・・・いや、

 

しかし、

 

それなら、

 

何故に、20件に1件という頻度なんだ・・・??

 

そして、

 

何故に、

 

ボクには毎日張り付いてくる・・・・?

 

 

なんだか、

 

モヤモヤが解けない・・・・

 

 

どうにもスッキリしない気分だった。

 

 

 

・・・・まぁ、

 

全ては、

 

「コロナ渦」

 

そこに原因がるのは明白なんだけど・・・

 

 

 

「佐藤花子」

 

 

謎の女の子だった。

 

掴みどころがなかった。

 

 

五里霧中の迷宮だった。

 

 

・・・・まぁ、

 

どうでもいい・・・

 

 

ボクは、投げやりだった・・・・