2026.06.11 マルセル・ダイスのマチュー氏を迎えてのウメムラワイン会。 | SINのブログ

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12年ぶりにお会いするマチュー氏はアルザスの大御所ジャン・ミシェル・ダイスの長男。
2007年から父のドメーヌでワイン造りをスタートし、後に叔父の畑を継承して自らのドメーヌ『Vignoble du Rêveur』をスタートしたのが2013年。父マルセル・ダイスの醸造所で仕込み始め、昼は父のドメーヌで働き、夜11時からは自分のドメーヌでの仕事というフランス人らしからぬ(失礼)ハードワークをこなしてきた。2025年に父の醸造所から200m離れたところに自らのドメーヌの醸造所を設け独立、「自由と革新」がキーワード。醸造所の一部を若手に貸し出すなど未来のアルザスワインのための活動もアルザス初の試み。

<泡>
・Vignoble du Rêveur Artefact Extra Brut NV


新たに作ったクレマン・ダルザス。ビオのMCR(精留濃縮ブドウ果汁)によるドザージュは2g/l。
「Artefact」は「人為現象」という意味の学術用語。Chardonnay60% , Pinot Blanc40%
まずキリっと引き締まった酸が立ちつつ、エレガンスと全体のバランスは崩さない。夏に合うイメージ。ミュズレがかわいい。


<白>
・Vignoble du Rêveur Vibrations 2023

果実味が口内で振動しているように感じられるほど生き生きとしているから「Vibrations」と命名。
ドメーヌにおける良いEXAMPLEだそう。高い丘にある谷の畑でフレッシュ、繊細なタッチのタイプ。
Riesling100%

 


・Domaine Marcel Deiss Engelgarten 1er Cru 2022


マルセル・ダイスの看板クリュの一つ。標高が最も高く、重い土壌、骨格がありミネラリー、丸みを帯びた横に広がるような味わい。
2022年は暑い夏で長熟向きのスタイル、なので今はまだ開き始めのベビーちゃん。
Riesling主体、Pinot Gris、Beurot、Muscat、Pinot Noirの混植。


<橙>
・Domaine Marcel Deiss La Colline Rouge 2022


マチューが父も含めドメーヌで最初に仕込んだオレンジワイン。14%Alcあるが飲み心地は軽く、まさにテロワールを表している。
果実もよく表現され複雑であるが理解しやすい、取っつきやすい。Easy Wineと説明された通り。ホントにスルっと馴染んできて美味い。
RieslingとPinot Grisが50/50の混植・混醸。


<赤>
・Domaine Marcel Deiss Burlenberg 1er Cru 2020


アルザスの赤ワインを変えた!という1本。畑は丘のTOP、特別な場所。火山の溶岩によって焼かれた非常に硬質な粘土石灰質土壌。
「野生との闘い」を表したエチケット。しかしワインは優しく包み込まれるように滑らかで妖艶。
93~95%のPinot Noir主体にPinot Blanc、Pinot Gris、Pinot Beurotの混植。


<白>
・Domaine Marcel Deiss Altenberg de Bergheim Grand Cru 2018


アルザス全体においても非常に重要な畑。アルザスの全ての伝統品種13種の混植。「テロワールよりもブドウ品種」という古い概念支配と闘う意思の象徴。
日当たり良い場所で分析的にはエレガントになりにくいが、全くそんなことはない。力強く長い余韻。貴腐菌が完熟を促す。
8年目を迎える年、普通のアルザスならピークから下がっていく頃だが、これは今からまだまだ育っていく。偉大だ。


その他

【Field Blend】
AOCを表現することは土地への理解。ずっと同じ場所でワインを作り続けたい&他とは違うワインを作りたい、その概念から混植・混醸。もともと色々植ってた。異なる品種も同時に収穫、同時に仕込む。(これをField Blendと言っている)
熟度にバラツキはあっても(完熟は当然で、その上でのバラツキ)それが複雑さにもつながりその土地のワインを表す。『品種はテロワールの声』

【ペトロール香管理】
果皮内側に含まれるチオールから生成され、完熟前に収穫すると生じやすい。完熟収穫のタイミングでフレッシュ↔︎複雑さ のバランスを調整。

【ガラス栓と蝋キャップ】
ガラス栓はコルクよりも密閉度が高く酸素透過率が低いため、ワインはゆっくり熟す。ビン差が出にくい。ブショネのような病気もない。酸素が通らないので酸化もしにくくなるためSO2も減らせる。ただしコストは高い。
ではなぜスクリューにしないか?⇒ ガラス瓶をスクリューに加工するので、耐久性の問題もあり取り扱いに気を遣う。また瓶内の液量に対する空気量も増えてしまうため、酸化のリスクも。リスキーなので採用しない。
蝋キャップもO2遮断に効果的とのこと。


まぁ、たくさん喋る。。。多すぎてメモしきれない。
説明したいことがたくさんある、想いが強いのが非常によく伝わりこちらも熱くなる。
そんなマチューが述べたのは
「ワインは人の手を介して造られ、人が楽しむもの。造り手と飲み手があって完成するもの。飲み手がいかに興味と教養をもって向き合うかが大事」
私も最大限の興味と教養を持って向かい合うぞ。


‎お料理は岡崎市のアンフュージョンさん。


アルザスワインに合わせたお料理、今回も素晴らしかったです。