ブリュンデルマイヤーのアンドレアス・ヴィックホフMWを迎えてのウメムラワイン会。

オーストリアの生産者来日ウメムラ会は初、失礼ながら存じ上げておらず。
ブリュンデルマイヤーは音楽の都ウィーンから北西に70Kmほどのランゲンロイスに拠点を置くワイナリー。ランゲンロイスはニーダーエステライヒ州のカンプ渓谷、ドナウ河の上流にある非常に美しい場所。
オーストリアの代表品種のグリューナー・ヴェルトリーナーの銘醸地カンプタールを代表するトップワイナリー。
ヴィックホフ氏は世界に422人しかいないマスター・オブ・ワイン資格者であり、2016年よりブリュンデルマイヤーのGMに就任し現在に至る。
(日本人MWは2015年認定の大橋健一氏、2023年の大橋容子氏、2024年の田中浩史氏、同じく2024年の三澤彩奈氏の4人)

オーストリアといえばグリューナー・フェルトリーナーを中心に辛口白ワインが約70%を占める中、今回のライナップは泡、白、赤すべてブリュンデルマイヤーのワイン。

<泡>
・Brut NV / Sekt Austria Reserve Niederösterreich g.U

PN、Ch、PG、PB、GVより。ベースワインは瓶内二次発酵から澱とともに3年半熟成したのちにデゴルジュマンが行われる。
青リンゴや柑橘の爽やかさと酸味甘味のバランスがとても良く広がりもある。
<白>
・Ried Lamm 1ÖTW Erste Lage Grüner Veltliner 2022 / Kamptal DAC
"ラム"は南東向きの斜面下部に位置するカンプタールでも特に温暖な区画のひとつ。複雑な土壌構成と温暖な気候でブドウは成熟度と凝縮感を備える。
スパイス要素を備えつつ柑橘やハーヴの複雑な香り、エレガントで繊細な酸とミネラル、複雑さと豊かな旨味、後に感じる塩味が最高。
・Kamptal Terrassen Riesling 2023 / Kamptal DAC

複数のテラス状の畑から収穫した比較的若い樹齢のブドウ使用。高地は石質土壌、低地は肥沃なレス土壌、組み合わせによりフレッシュさフィネス、力強さを兼ね備える。
白い花、柑橘、ミネラル、ドライでフレッシュで上品で若々しくグラスが進む。
・Reid Heiligenstein 1ÖTW Erste Lage Alte Reben Riesling 2021 / Kamptal DAC
ハイリゲンシュタインは火山性の土壌に砂漠砂岩が混じる底土にある原生岩と軽いレス土壌、リースリングを育てるのにベストな地域。
スパイシーでスモーキー、良い意味の野性味を纏ったミネラルと複雑さ奥深さ。
「ホワイトアスパラとタケノコと天然猪のパンチェッタ」とのマリアージュ、これ以上無いだろうという、このワインのための一皿ね。
<赤>
・Zweigelt 2021 / Niederösterreich

ツヴァイゲルト博士が作り出した品種。ランゲンロイス周辺畑のブドウより。石灰質のレスと粘土主体の土壌で一部にローム質の区画も含む。
赤黒系ベリー、チェリー要素にスパイシーさも。エレガントでバランスも良く、北海道のそれとは違う気がする。最近北海道Zweigelt飲んでなかったかな。
総じてエレガントでミネラル豊富で、後味に舌と頬の奥にふんわりと感じる塩味がすごく好き。和食にドはまりするの間違いない。

<聞き学んだ雑事>
【ペトロール香】
リースリングのペトロール由来はブドウ表皮に含まれる前駆体が変化したTDN(1,1,6-トリメチル-1,2-ジヒドロナフタレン)という芳香化合物による。リースリングはこのTDNを多く堆積しやすく、日光を多く浴びると顕著に表れる傾向。紫外線から果実を守るために前駆体が多く生成され、リースリングの酸が化学反応を促進する。
【温暖化影響】
北側のチェコ側から吹き降ろしてくる冷涼な"ボヘミアン・フォレストからの風"に守られている。ただし無影響ではなく、その影響を管理し品質向上に繋げている。30年前は冷涼でブドウが十分に熟さず、年によっては糖度不足。今はその点ではよい。
2024年はカンプタルでもかなり暑い年になった。以下4点の管理が大事。
- Soil management:土壌はブドウの体温と保水をコントロールする基盤
- Water management:灌漑の重要性。
- Canopy Management:葉を取るか残すか、グリーンハーヴェスト(房落とし:房の数を減らす)
- 収穫のタイミング:糖度の具合(アルコール度数の管理)、種や皮の熟し具合(フェノール類の熟成)
・昔は段々畑の石垣が陽光で暖まり保熱効果が有益だったが、今はそれがタイヘンなことになる。
・平均気温が1℃上昇すると、7%の蒸発率が上がる。それだけ水が必要となる。
・水不足よりも近年では局所的な大雨の方が問題。テラス上部では雨で土壌が削られてしまう。
【肉料理と赤ワイン】
コースのメインの肉に赤ワインを合わせるなら、オーストリアの人は何を?(ブリュンデルマイヤーのワインなら) という質問。
ツヴァイゲルトよりも、ルーレンダー(Rawländer:ピノグリの別称)や、やはりピノ・ノワールだそうだ。
【グリューナーvsシャルドネ】
1998年にウィーンで開催された「国際的シャルドネvsグリューナー・フェルトリーナー」ブラインドで錚々たるシャルドネに対し1995年のGVが優勝したことを受け、2002年にロンドンでジャンシス・ロビンソンMW、ティム・アトキンMWが主催したリベンジマッチ"ロンドン・テイスティング"。熟成したGVに対し、ブルゴーニュ特級、カリフォルニア、オーストラリアなどの世界各地のプレミアムなシャルドネによる対決。審査の結果、トップ10のうち7本をブリュンデルマイヤー、F.X.ピヒラー、クノールなどのオーストリアワインが占めた。
たくさん話をしたがあまりメモを取れず。。。
お料理は岡崎市のアンフュージョンさん。白主体の今回のワインにピッタリ合うお料理、最高でございました。






