この、リリース当時に評論家達が、こぞって高い評価を送った、
中でも自作すぴーかーでは、名高い故人の教祖様 が、
「まとりくす」なる接続法で、大絶賛したこのひとは、
わたくしにしては珍しく、その身が型落ちする直前に、
新品買いしたものなのです。
当時、知人の居宅にて、やまはのNS-1000M様 の、
その 「べりりうむ 」 の「つぃーたー」 と、「みっどれんじ」 の美質をば、
定価でたかだか3万円を、わずかに超えるこのひとが、
これまで聞いたいかなるあんぷも、真似のできない軽やかさにて、
見事に引き出し響かせたのに、ショックを受けたわたくしは、
一目散に今は亡き、DAC秋葉原 の店内に、
駆け込み同じく1000Mを鳴らし、その響きをば再確認して、
ただちに購入したのです。
※ まっ黒けっけっのけ~~~で、ディティールが今一つっすね。。。
自宅に帰りて確かめたるや、入力された信号を、
その体内に何ら留めず、ただ通過させているかの如き、
疾走感にあふれた音を、ひたすら聞かせるようでした。
恐らく、そうした「スピード感」 には、このひとに備えつけられた、
「低抵抗型ぼりゅーむ」 に、大きな秘密があったのでしょう。
そのぼりゅーむは持たされていて、良く似た音を聞かせたものの、
このひとはほうは輪をかけて、簡素化された単純さをば、
逆手にとって疾風の如き、音が吹き抜けていくのです。
もっとも相手のすぴーかーが、「ばすれふ型」 の場合だと、
やや中域が薄めとか、軽いドンシャリ気味では? などと、
感じてしまう瞬間も、まるきり無いではなかったけれど、
これがひとたび 「密閉型」 の、すぴーかーをば相方に
とりわけ 日本びくたー様の、SX-3II をあてがったなら、
たちまち変わってまろやかな中に、「コリコリ」 とした歯応えと、
密度を高めた歌声を、聞かせてくれたようなのです。
この組み合わせで拾有余年、ときには機器を改める際に、
それらの個性のお毒見役にも、大いに活躍してもらい、
何度か操作を誤って、過大入力を与えてしまい、
「ひゅーず」 が切れてしまっても、そのひゅーずをば交換すれば、
何事もなく甦り、おまけにひゅーずの容量を、
既定のものより大きくすれば、
※ 良い子のみなさんは真似しちゃダメっすよ!!!
面白いことに中高域の、スピード感を保ちつつ、
中低域に逞しさをも、加えて図太く堂々とした、
鳴りっぷりへの変貌も、見事に遂げて見せたのです。
※ べた褒めですなぁ。
とはいえ結局、このひとも、
2007年の6月に、自宅リフォームの資金の足しにと、
手放さざるを得なかったのです。
されど、このひとの名を継いだ、あんぷを店で耳にするたび、
世代を重ねてそのたび所謂、おーでぃお的な洗練を、
増していくその一方で、あるいはめーかーの主張として
初代に持たせた音の魅力は、薄まったように感じられ、
そうした意味では古き良き 「でんおん」 様の 「良心」 が、
あらわれたものでなかろうか? などと、
手放したことを改めて、悔やまずにいられないのです。