音楽・バンド事情 昔と今 その2 | Linのブログ
さて、前回からの続きです。

今回は以下の点についてです。
・媒体制作
・機材系(エフェクター)
・機材系(アンプ)
・楽器系
・楽曲制作
・楽曲コピー
・スタジオ
・プロとアマの差
・JASRAC

今回で終わるかなと思ってましたが、意外とネタが多く、もう一回くらいいりそうな勢いです。

★媒体制作
Past
昔でいうと媒体はレコード・カセットテープ・ソノシート。僕の頃はさすがにソノシートはすたれてましたが、レコード→CD波が完全に切り替わったのが大学卒業くらいの時かな。ちなみにソノシートってわからない人もいるかもですが、ペランペランのレコードです。昔は絵本とか、雑誌の付録についてました。
で、話を戻すと僕が高校~大学くらいはレンタル屋もレコードとCDを併設してました。ですが、当時は業者もCD制作をうけおってくれるところはなくレコード盤の制作。作る過程は前述したとおりですが、アルバムともなるとジャケ・歌詞カード・帯・パッキング等の音源以外のもろもろがかかる。またこれがバカにならない。しかもプレスは最低でも1000枚からとか・・・。当時は音源制作のためのスタジオ、レコーディングエンジニアのギャラも含め、百万突破してた気がします。今から考えると恐ろしい時代でした・・。
音源制作の仕方は前回書いたので割愛します。
Now
さて、現在はというと媒体はもちろんCDです。CDすらつくらず、Net配信というパターンもあります。で、CDはアナログのレコードと異なり、デジタルです。楽曲データもデジタルなわけで、WAVデータから作ります。マスタリングデータからCDを作る過程はレコード盤とは異なるとはいえ、基本的には媒体がレコードからCDにかわっただけです。ですが、なにより大きさがレコードよりもよりコンパクトになります。結果、ジャケ・歌詞カード・帯・パッキング等の音源以外にかかる原価も安くなり、かつ材料も手間もアナログよりもデジタルのほうがずっと少なくて済むので、媒体制作にかかるお金はぐっと減ります。ジャケ・歌詞データ・音源データさえそろっていれば、300枚プレスで7,8万で済んでしまいます。昔と比べれば泣けるような安さです。もちろんジャケ・歌詞データは真面目にやるとデザイン料等で結構なお金がかかってしまいますが、僕が前回ソロCDをつくった時は知り合いのデザイン事務所にたのみ、5万でしあげました。問題は音源データですが、詳細は後述しますが現在はPCにDAWソフト(Degital Audio Workstation)のソフトさえはいっていれば、そして、ダイナミックマイクとPCへギターの音を送るAudio Interfaceさえもっていれば、録音から、ミキシング(楽曲データの作成)・マスタリング(CDにいれるすべての楽曲データをひとまとまりのCD音源データとしてバランス調整すること)まで自宅で行えちゃうのです。もちろん、スピーカーで鳴らした音を録音したい場合、あるは生ドラム、自宅では歌えないよみたいな場合はスタジオに行って録音することになりますが、部分部分での差し替えやブツ録り(たとえばAメロだけとかBメロだけとかを区切ってレコーディングしていくスタイル)も可能なので、こだわりを最低限にさえ押さえれば、短時間で済みます。ボーカルなんぞ、いくら音が外れていようとも、簡単に補正できます(ただ限界はあります(笑)。ギターソロやドラムなんぞ、へんな話、1回ストロークした音、一音の弾いた音を録音するだけで、PC上でその音を使って、楽曲データすべてを作ることさえできます。詳細は後述します。なので、結論からいうと、すべて自宅でもできちゃうので、スタジオ代がいらないという感じになり、実質はジャケ・歌詞データの制作料(これも自分でやればタダ)+CDプレス代だけで済んでしまうのです。なので、前回のソロCD作った時は、実質はデザイン料5万+CDプレス代8万の13万ですべてを作りました
昔は百万Over、今は13万・・・。1/10以下なので、技術の進歩は素晴らしいといわざるおえません。

★機材系(エフェクター)
Past
さて、僕の若いころは、コンパクトエフェクターのラインナップが現在のラインナップの半分くらい。名器といわれるものはこのころに登場していますが、ほぼアナログでデジタルといわれるものは、Delayがちらちらとあるくらい。価格はおおむね5000円~20000円までの間。マルチエフェクターもほとんどなく、必要なエフェクトはその都度買い足すという形でした。なので、エフェクターボードの中味はそれこそひどい時は、3か月に一回くらいは変わっている状況で、都度重たくなり(笑)、つなぎも変わり、当時のボードは今でもありますが、ボロボロです(笑)。
感覚的には、アナログが主流で、基本線の歪系はDistotion or Overdrive、空間系はコーラス、Delay、Flanger、Phager、ベーシック系はグライコ、Noise gateくらい。あとはWah、ボリュームペダルくらいでしたね。コンパクトではReverbを再現するのは難しかったらしく、当時はコンパクトがなくアンプのReverbを使ってました。マルチがないので、とにかく、ボードの配線は大変。なので当時はラインセレクターが大活躍でした。あと、メーカとしては、パワーサプライはGuyatoneが定番、コンパクトは BossとGuyatone、MXR、maxsonくらい?ラインナップ的にはBossが一番種類が多く、イメージ的にはその他のメーカーは歪系によってた気がします。Maxsonのoverdriveは秀逸でOD-830を長く使っていた時期がありました。あとはBossのTurbo Overdrive(現在は廃番)が秀逸でジャンルによって変えるという感じ。
またBossは他のメーカーと極性だかが違うらしく、Guyatoneのパワーサプライにつなぐと電圧なんかが足らないらしく、他メーカのコンパクトを一緒につながないとだめみたいなことがありました。
ラック系もやはりアナログ中心でしたが、価格も5万くらいが最低ラインでした。また今でこそLine6等でワイヤレスシステムが4万くらいででてますが、若いころはラック式のものしかなく、かつ10万以上し、そして音ヤセするという、いまから考えると悲しいものでした。ただ、それ以外の空間系はたとえばRoland SDE3000(Digital Delay)とかDBXシリーズとかの名器があり、コンパクトより格段に音がよかったです。
Now
基本はデジタルで、マルチ全盛です。というか、マルチエフェクターですべてが解決!。なんせハイゲインディスト―ションからOverDrvie、Fazなどの歪み系+アンプシュミレーターやマーシャルやH&Kから往年の名器までシミュレートしてくれます。それに加え、空間系一通り(Corus/Franger/Phager/Delay/Reverb)、パライコですがEQにノイズゲート(Hush)、Comp、Pitch Shfterに中にはAutowahがついてるやつも。正直すごい。しかもこれだけの性能で安い(もちろんいいやつだと10万以上しますが、まあ大体5万くらいまで)。僕は自宅ではPODの愛用者ですが、これでも4万弱です。昔のラック式のエフェクターのSDE3000なんか1台でDelay機能だけで12万。お話になりません。しかもDelayタイムは1500msまで。僕は外ではRocktronのXpressionを使ってますが、これ一台で空間系+Pitch Shifter+Noise Date+Compで5万。それから考えても、足元マルチでこれだけついててその価格。さらにAudio I/F付きのまであるので、そのままPCでLine録音とかもできちゃう。コスト面では断然今に軍配。コンパクトエフェクターもほぼDigitalになって、音もいい。さらにメーカーも多く、大手だけでなく、町のリペア屋さんや楽器店がオリジナルのものも出したり、Netの発達で海外のメーカーとかも変える。素晴らしい時代です。つまりは選択肢は豊富。価格も性能はおいておいてBEHRINGERだとかもう価格破壊!くらいの勢いで安いものある。ただ数が大杉、選択肢が大杉、メーカー大杉で僕には何が何やらの世界(笑。それでもコスト・性能面からみれば今に軍配でしょう。逆にあまりに足元コンパクトやマルチの性能・コストパフォーマンスが上がって、ラック式はすたれてきてます。スタックアンプで歪みを作り、空間系はSend-Retrunでマルチに送り、足元にはなるべくおかない派の僕にはつらい時代ですが(笑。欠点は特にマルチですがあまりにも多機能のために操作が難解すぎる。XPressionでも未だに使いこなせているとは言えない(笑。

★機材系(アンプ系)
Past
アンプというと、とにかくトランジスタ。真空管なんて買えないし、でかいし、うるさすぎ。でも当時はマーシャルがほしかった(笑。それでも40万~50万とかしたのでとても手が出ません。Boogieなんぞ、300で100万オーバー。いやいやいや(笑)の世界です。当時はまだマーシャルもミニアンプ作ってなかったので、僕は自宅ではローランドのSprit 20とかいうのを使ってました。みんなもローランドとかYAMAHAとか使ってたと思います。そのうち我慢できなくなり当時は月賦でMarshall 2203 100WHeadを中古で買いました。たしか大学一年の時。それを使ってたんですが、そのうち変えようのないMarshallサウンドが嫌いになりました(笑。でも当時は、Peavy/Boogieくらいしかなく、大学四年の時Boogie レクチに買い換えました。かなり高かったですが。これは今でも現役(笑)。大阪で使ってます。マーシャルはうっぱらいました。が、嫌いだけど、ヴィンテージとしての値打ちはあるので、今ではちょっと後悔してます(笑。いずれにせよ、中古は別にしても50万くらいしたので、全体的な性能を考えるとコストパフォ―マンスは悪いと思います。ただヴィンテージ好きには出物も結構あってよい時代だったのかなと思います。
ベースアンプはHiWATT!。まあたいていのベッドもちのベースさんはHiWATTでしたね。というのも選択肢がないにつきます。まあ、これはギターアンプも同じで、もちろん昔ながらのVOXやFenderとかはありましたが、ロックやるならマーシャル!・HiWATT!!。金持ちはBoogie/Peavy。そしてHR/HMでもJC愛用者がたまにちらほら、ライトロックはJCみたいな時代でした。ちなみにJC120は大好きなアンプです。音が作りやすく変な癖がないので、足元コンパクトで作った音を鳴らすには最高のアンプ。正直、足元コンパクトで音をつくるなら(Send-Return使わずに)、JCが一番良い気がします。みんなライブハウスだとのマーシャルとかつかってるんですがね。特に初心者さんはJCで鳴らしたほうがいいと思ってます。
Now
もうメーカー、いくつあるんですか?状態が今です(笑。とにかく、え?エフェクターのメーカーじゃないの?え?ギターのメーカーじゃないの?みたいなところがアンプを作っているし、アンプの専門メーカーも10はくだらないんじゃないかな。昔は真空管命の風潮でしたが、それはトランジスタ特有のパンチのなさとか、いわゆるトランジスタ臭さがきらわれてのもの。ところが、ここでも技術革新の波はすごい勢いで、この真空管・トランジスタの壁を突き崩している。トランジスタ・真空管併用のスタックアンプもあるし、トランジスタオンリーでもすごい分厚いサウンドを生むアンプもある。それになにより、エフェクターと一体型になっているアンプもあり、アンプにReverbはおろかDelay/Corus等の空間系が一通りついていたりする。もう、ほおおおっていう感じです。そして価格も昔に比べれば、円高の影響もあり、安いのだと15万以下、いいのでも30万~50万前後で買える。選択肢が多すぎてかなり研究しないとあれなんですが、コスト・パフォーマンスや性能という点では断然今に軍配でしょう。僕はマーシャル嫌いになって、さらにBoogieでは音がハイゲインすぎるので今はH&K TRIAMP MKIIを10年つかってます(大阪でやるときはBoogieを使いますが)。このアンプは、Send-Returnにチャンネルはmidi連動、3系統6chという豊富な音の選択肢、なにより、クランチサウンドがすばらしい。これを30万程度で手に入れましたが、コストパフォーマンス・実用性含めて文句のつけようがないアンプです。さらに最近TRIAMP MKIIIが発売され、さらに機能豊富になっている様子。ほしー。
ちなみに今は自宅はアンプすら持ってません。出音はPCです。エフェクターを通し、mixierに送ってAudio I/FでPCに送ってそれをイヤフォンやヘッドフォンでモニターする。それで十分(笑)。アンプで鳴らしたらうるさいし、しかも、PCで音源を再生しながら一緒に弾けば、一緒にモニターできるのでかえって好都合(笑。コピーするにも便利だし。
とギターアンプばっかり語っていますがそれはベースアンプも同じ。さらにベースアンプはバンドでの役割や音の特性上、チャンネル等の切り替えも必要のないので、コンパクトなものが多い。
昔にくらべれば、今は天国です(笑。

★楽器系
Past
ドラムは正直わからないので、ベース・ギター・キーボードだけ書きます(笑。
僕が高校生だったくらいの時は、もちろんGibsonなんぞ高嶺の花!。
というより、楽器としてひいちゃいかんくらいにおもってました、自分程度のクソガキで(笑。
もちろんたかすぎで手が出なかったのもありますが(笑。
当時は普通に30万~50万とか。とても手が出ません。で、行きつくところはFernandess/Greco/AriaPro IIとかの国産メーカーなんですね。当時は手が出ないし仕方ないよねとか思いながら使ってますが、今考えると、まったくそんなことはない。というかむしろ本家よりいい音しているケースが多々。日本の工業製品のクオリティーというのは素晴らしいと今になって思います。当時は、AriaPro IIのZZ・PEとかFernandessのJIMMYVとかRandy V、Grecoのレスポール(メイン)とか使ってましたが、今でもまだあるし、すげーいい音する。職人としてのクオリティもさることながら、いい材をつかってたんですねー。どれも7万~12万くらいのしろものですが、今でもいい音するし、多少色褪せはしてもまだしっかり現役です。当時5万以上のギターは今でも十分現役レベルなんじゃないでしょうか。これはギターもベースも同じ。ベースも当時一緒にやってたやつはワーロックのコピーとかもってましたが、今でも現役と言っておりました。国産メーカー侮るなかれです。まあ、Gibsonとかが高杉だったのは、為替レートの関係もあったんでしょうけど、たぶんに工業機械化のレベルが今とは雲泥の差だったので、人ががんばる系の場面が多かったのも一因でしょうな。
キーボードはRoland/YAMAHAの独擅場で、DX7/JUNOですね。僕はキーボディストではないのでわかりませんが、当時うまいやつはこのどちらかを持ってた気がします。音色が音源カセットを差し替えれば変えられるとういうので、結構話題になった気が・・・。
あと、ドラムはわからないといいましたが一つだけ。HR/HMドラマーはみんな深胴のスネアでした(笑。8inchくらいあったのかしら。ポッコンポッコンいってました(笑。
Now
もうメーカーがありすぎで何が何やら(笑。しかも安い。まあ、それなりのものはそれなりにしますが、それでも昔よりは安い感覚です。昔に比べて円高の影響もあるかもですが、それとやはり、機械工程の増加による原価の低下、またGibsonにせよ、Fenderにせよ、企業としてグローバル化していて、人件費の安いとこで作っている、あるいは国内のメーカーに作らせている(機械行程の増加で職人技がいらない)。安いギター/ベースはそうやって作っているんでしょう。でも感覚的に安いものは材が悪くあまり持たない気もします。これは経年で使ってみないとわからないです。高いものは職人技を発揮しないとだめなんで、それなりにしますが、GibsonとかFenderのブランドでも安いギターはあるのでそれはそういう作り方をしているのでしょうね。唯一PRSが全体的に昔ながらの職人技にこだわって作っている気がします。
ただ、これは世界的な話ですが、やはり昔に比べて圧倒的に良い材は減っていると聞きます。なので、質のいい材にあたる確率は、昔と比べると減っているのでしょうね。これはギターに限らずBassも同じでしょう。ただ実際のところ、最近は僕は全部オーダメイドのギターを使っているのでコストパフォーマンスはわかりません。それ以外のギターもジャンルによってはつかいますが、みんな昔の国産メーカーの楽器を中古でかったやつか、改造品です(笑。なので最近出ているギターを買うって場面がありません(笑。なのでわからないんですが、でもPickUpの性能は確実に上がっているのは確か。シングルコイルの外面でハムバッキングのPickupが出たときはひっくりかえりました(笑)。たしかディマジオ?一方、トレモロに関しては選択肢があまりありません。昔は結構Licensedで国内メーカーが頑張っていたんですが、今はGOTOHくらいしかききません。そしてFloydroseはやはりだめです(笑。ケーラーが復活したのであれですが、あの柔らかさはやはり慣れないです(笑。
キーボードはものすごく進化しました。デジタルであることはもとより性能的にもコストパフォーマンス的にもすごい。もう数がありすぎで何が何やらよくわかりませんが、鍵盤の右半分と左半分で音色を変えられるみたいなのを見たときはひっくりかえりました(笑。それで3万程度です。そんな値段で十分に使えるレベルのものが手に入るんですから、技術進歩万歳です。

さて書き出してあまりにネタが多すぎて、しんどくなってきました。ちょっと後悔してますが途中でやめるわけにもいかないので、もうちょい頑張ります。今回はこの辺でお開き。