次回以後は更に、前開き部の形状変化が着用感触(穿き心地)と他の実用面にどう影響し、どう感じられたのかについて順次説明して頂く予定です(注)。今回も含めていずれも幼少時から欧州型のブリーフ(Slip)に馴染んでいた方だからこその視点と内容と思います。
(注)年度変わり以来、kia***さん共々多忙続きで、掲載が遅れました。取り急ぎのupですので、使用図面や説明の細を追って改訂して行く可能性があります(本筋は変わりません)
以下、kia***さんの本文――――――――――――――――――――――――――――――――
前回までの「Slip vs.ブリーフ」比較項目
3. Slipと比べたブリーフの特徴と印象(毎日の両者比較)
3-1.形と着用感の相異概要(比較1)
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12720909528.html?frm=theme
3-2.着用前(平置き)の前面デザインと構造の違い(比較2)
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12729006992.html?frm=theme
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12788893542.html?frm=theme
3-3.穿き上げると拡大する前面形状の違い(比較3)
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12750319274.html?frm=theme
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3-4
着用前面の印象(広がる一重部と縮小する二重部が与えるブリーフの印象)
再掲16図から分かるように、ブリーフでは着用の前後で前開き部の形状がかなり大きく変化します。ここで赤字・赤矢印で示したC(前開きの補強縁取り)とD(前あき部内の一重部)はブリーフだけにある部位でslipにはありません。二重(ふたえ)生地となっている部分の形と広がりの変化は重要なので、判別しやすいように薄灰色に着色してあります(本来は周囲と同じ白生地)。ブリーフを穿き上げると、以下の変化が起こっています。
再掲16図 ブリーフの着用前後の前開き部の形状変化。赤字・赤矢印部はブリーフのみにあり、黒字・黒矢印部はブリーフとslipに共通してある部位。生地が二重のる箇所を薄い灰色で着色(本来は白生地)。穿き上げると、両サイドのC:前開き内の補強縁取り)が近づいて、②中央のA:二重部が狭まり、③D:前あき部内の一重部が大きく広がる。
①左右のC(前開きの補強縁取り)が近づき、
②そこに挟まれたAの二重(ふたえ)部が狭まって杵型になり、
③両サイドのD(前開き部内の一重部)が大きく左右に広がる。
この①②③の変化はslipにはなく、ブリーフに特有のものです。私自身も「隠れslip派(着替えあり登校はブリーフ、在宅や着替えなし外出はslip)」でブリーフを穿く内に、①②③の変化が見た目の印象、穿き心地、継続使用感などに大きく影響することに気付かされました。
Slipに慣れた者にとって①②③の変化は一種目新しいものでした。と同時に、ブリーフ派の先輩と部活の着替えをしていて、幾つかの点を否応なく気付かされ、それを自宅でも入浴時の鏡で確認することになりました。
先ず、ブリーフは穿くと①②③のために前面の全体と各部品の形が変わって、それが目立つので、slipに慣れた者には「何だか複雑でゴチャゴチャしているなあ」という印象を受けました。
参考挿入図
あと、「何だか恥ずかしいなあ」と思ったのは、③の前開き部両サイドの一重部がガバッと広がることでした。その場所は、丁度、太股の付け根線、鼠径(そけい)部とその内側領域にまでわたるので、これらの中身が一重生地を通して外からうっすら透けて見えてしまいます。
とくに、思春期で発毛が始まっている先輩のケースでは、それが微妙に透け見えになる感じなので、「ああいうのはマズイなあ」と思いました(毛色の薄い欧州人なら目立たなくて済むのですが・・・)。一重生地で目立たなくするには濃紺~黒色生地にすれば良いのでしょうが、そんなブリーフを穿けばかえって目立つし、「発毛を自白しているような感じ」に思えたのかも知れません。実際に、濃紺や黒色のブリーフの着用者は上級生や周囲にもいませんでした。
このような一重部の拡張との関連で、「これって何だかなあ・・・」と思ったのは、②の二重部の「やせ細り」です。この二重部は男子の重要箇所(袋部と棒部)を覆っていて、前側に膨らみ出るので目立ち易い箇所です。そこが着用とともに膨らんで狭まり、その狭まった領域がCの補強縁取りでクッキリと「区分け」されています。その両サイドは拡張して透け見え感のある「D:一重部」ですから、コントラストは否応なくハッキリしてしまいます。あたかも「ここに重要部あり!(笑)」と無言主張しているように見えてしまいます。
参考図:再掲16図の着用後像
思春期に生じる事象は、青年世代以上になってしまえばもう慣れた後で、昔話的になるので、どうと言うことはないでしょう。しかし、思春期直前から思春期入りした少年が身近な上級生達で見聞きし、さらに自分自身で経験する身体変化と関連事象は「人生初めての出来事」です。このためどうしても過敏に受け取りがちですし、大変気になります。私自身もそうでした。
このような観点から着用時した際に起こること(一重部拡大、鼠径
部周辺の透け見え、二重部のやせ細りとその下の重要部強調)を考えると、ブリーフは他のタイプに比べてかなり特徴的というか、前開き構造内の各部が「自己主張」する下着と言えそうです。このためブリーフという下着は、思春期の直前から最中までの間、周囲と自分自身に生じる諸変化を、これまた周囲と自分に知らせ・感じさせやすくする性格があるのかも知れません。
以下の図17(前回参考図1の改訂版)と再掲図16との比較から明らかなように、slipの場合は穿き上げてもブリーフのような各部の形状変化を生じないのが特徴です。また、前面の二重部がその箇所一帯を必要十分に覆うので、「重要箇所のハイコントラスト化や鼠径部周辺の透け見えの心配」がないのです。当時の私も、ブリーフとの交互着用を通じて、このようなslipのメリットに気付き、それを意識するようになりました。
図17 slipにおける着用前後の形状変化。黒字・黒矢印部はブリーフとslipに共通してある部位。青字・青矢印部はslipのみにある構造。再掲図16と同様に、生地が二重(ふたえ)になっている箇所を薄い灰色で着色(本来は白生地)。slipを着用してもブリーフのような各種の形状変化は起こらず、被覆中央部のハイコントラスト化や鼠径(そけい)部とその内外周辺部の透け見えは生じない。
次回以降は、以前の予告に従って、「着用時の形状変化がブリーフの穿き心地にどう影響するか」について、当時の私がslipとの比較で気付いたことを述べて行く予定です。