こんにちはKenです!
今回は一般的な英語コーチング(とその業界)について記事を書いてみたいと思います。
<目次>
第二言語習得研究(SLA)とは?
第二言語習得(SLA)の主な理論
英語学習を成功させるファクター
英語コーチングは意味あるのか
第二言語習得研究(SLA)とは?
まず、ほぼ全ての英語コーチングサービスでは「第二言語習得研究」をベースの一つにしています。
第二言語習得研究(Second Language Acquisition, SLA)は、
人が母語(第一言語)とは異なる言語をどのように習得するのかを研究する学問分野です。
たまに「効率的な外国語学習法を研究するもの」と理解してしまっている方がいるのですが、
第二言語習得研究は「学習法の効率化・最適化」を直接の目的としているわけではありません。
あくまでも第二言語がどのように習得されるのか、その過程やメカニズム、影響する要因(認知、社会、心理、環境など)を解明することを目的としたものです。
もちろん、研究の知見を応用してより効果的な学習法を提案することはできますが、それはSLAの応用的な側面にすぎません。
あとは英語コーチングというよりも、学校教育(集団授業)の方に関係するかと思います。SLAが教育現場での指導法やカリキュラム設計に影響を与えることは多いからです。
そういった理由から、
私の英語コーチングではSLAの知見や専門性をそこまでアピールしていません。
もちろんSLAに関して基本的な情報は知っておくべきだとは考えていますが、
どちらかというと学習の「効率化」よりも「継続」のサポートの方が重要だとも思っています。
個人差もありますので「本当にその人の学習が英語コーチングによって効率的になったか」は誰にも分かりませんが「継続できたかどうか」は客観的にわかりますよね^ ^
といった具合に色々書きましたが、知っておくと何かの役に立つ場合もありますので、これから簡単にSLAについて紹介しています。
*こういった知識は突き詰めすぎると、多くの人の目標である「英語習得」の方向性ではなく「英語について詳しくなる」「教え方に詳しくなる」といった方向性にいくリスクがあることは覚えておいてください。
第二言語習得(SLA)の主な理論
SLAは学際的な研究分野です。
学際的(がくさいてき)とは、
複数の学問分野にまたがっている、または横断していること を意味します。
つまり言語学、心理学、教育学、認知科学などの視点から、学習者が言語を習得するプロセスを分析し、効果的な学習方法を探ることを目的としているわけです。
そのためこれから紹介していくものはSLAを知らない方であっても、一部聞いたことがある概念や用語かと思います^ ^
(1)行動主義(Behaviorism)
行動主義は、言語習得を
「刺激(Stimulus)→ 反応(Response)→ 強化(Reinforcement)」
のプロセスで説明する理論です。言語学習は模倣と練習によって習得され、正しい発話が強化されることで定着すると考えます。
B.F. スキナー(B.F. Skinner) - オペラント条件付け(Operant Conditioning)なんかは行動主義でも有名ですよね^ ^
特徴としては、
・言語習得は、環境の刺激(例:「Hello!」と言われる)に対する模倣(例:「Hello!」と返す)によって起こる。
・正しい発話が強化(例:褒められる)されることで、学習が促進される。
・「誤りはできるだけ避けるべき」とする。
などの点が挙げられます。
行動主義の考え方は、
言語習得は単なる模倣だけでは説明できないという点 (例:子どもは聞いたことのない文も作れる)が批判されています。
(2) インプット仮説 (Input Hypothesis)
次にご紹介するのはクラッシェン(Stephen Krashen)が提唱したインプット仮説です。
ものすごい単純にいうと、
「理解可能なインプット(i+1)が重要であり、学習者が少し努力すれば理解できるレベルの言語を大量に受け取ることで習得が進む」
と考えるものです。
*実際は「インプット仮説」はクラッシェンの「モニターモデル」の5つの仮説のうちの有名な仮説一つですが、「インプット仮説」といったときにこのモニターモデル全てを指すことも多いように思います。
アウトプットの役割を軽視している (話す・書くことも学習に必要)点や、理解可能なインプットだけで流暢なスピーキング能力が育つとは限らない という点が批判されているポイントですが、インプットが重要という点については常識的に考えてもそうですね(^^)
(何をもってして"i+1"とするか、という問題もあります。)
(3) アウトプット仮説 (Output Hypothesis)
スウェイン(Merrill Swain)が提唱したアウトプット仮説も有名です。
これは理解するだけでなく、実際に話したり書いたりすることが学習を促進すると主張するものです。詳しく説明すると、
・気づき機能(Noticing)
→言語を実際に使うことで、自分の知識のギャップに気づく。
・仮説検証機能(Hypothesis Testing)
→自分の知識に基づいて言語を使い、相手からのフィードバックを受けて修正する。
・言語の調整(Metalinguistic Reflection)
→アウトプットすることで自分の言語知識を整理し、より適切な表現を選択する能力を高める。
などです。アウトプットが必ずしも言語習得につながるとは限らない(学習者が誤った表現を繰り返す可能性)という批判もありますが、インプット仮説もアウトプット仮説も「インプットが重要」と考える点は同じですね!
(4) 相互作用仮説 (Interaction Hypothesis)
これはロング(Michael Long)が提唱した、言語習得は他者との相互作用(会話など)を通じて促進されるとする仮説です。
・学習者は相互作用の中で、より理解しやすい形に調整されたインプット(Modified Input)を得ることができる 。例えば聞き取れなかったら「もう一度お願いします」と言って、相手がゆっくり言い直してくれる → 理解が深まる等。
・ネゴシエーション(交渉)を通じて言語を学ぶ (例:「What?」「Do you mean X?」のようなやり取り)。
などが特徴です。
相互作用が言語習得にどの程度寄与するのかが明確でないことや、すべての学習者が相互作用を活用できるとは限らない(シャイな学習者もいる)といった点で批判はあります。
(5) 認知アプローチ (Cognitive Approach)
これは言語習得は、一般的な認知プロセス(記憶、注意、処理能力など)に依存すると考えるものです。
アンダーソン(John Anderson)のACTモデル(手続き的知識と宣言的知識)などが影響を与えているとされています。
特徴としては、
・言語習得は、最初は意識的(explicit learning)だが、練習によって自動化(automatic processing)される 。
・学習には、メタ認知(自己モニタリング、自己評価)が重要 。
・学習者がどのようなストラテジーを使うか (例:推測、反復練習)が言語習得に影響する。
といった点です。
認知理論は学習の過程を説明できるものの、個々の学習者の違いを完全に説明できない点が課題です。
とここまで長々と紹介してきましたが、有名なのは大体上記になります。
効果的な学習法を知りたい学習者にとっては、やはり直接は関係しない のかなという感じです^^;
英語学習を成功させるファクター
ものすごく簡単にSLAについて上記で解説しましたが、
こういった流れを踏まえた上で英語コーチングすること自体はとても重要だと思います。
こういった知識を分かった上で教えるのと、
ただ自分の体験だけをベースに感覚的に教えるのとでは説得力や信頼感が違う 、と考えるからです。
ただし、
・可愛い帰国子女のギャル
・イケメン英語系インフルエンサー
みたいなコーチに「こうです!」と断定されてコーチングされると、
そのコーチがSLAの知識がなくても、英語力は伸びてしまうのも事実です。
*特定の人について言及しているわけではないです。
そういう人が「いる気がする」程度の表現だと思ってください^^;
実際英語学習者の方で、
「可愛いバイリンガルのインフルエンサー」
をフォローしている人は結構多いです。
SLAや英語教育関連の知識が豊富な専門家からすると面白くないかとは思いますが、現実問題としてそうなってるわけです。
私は、これは何の問題もないと考えています。
これはこれで一つの付加価値だからです。
もっというと、まさにこれは「継続」の部分への付加価値といえます。
そもそも英語学習の成功は、大きく分けて下記の二つの要素が重要です。
「効果的な学習法」✖️「学習の継続」
前者にとってはSLAは少しは役に立ちますが、後者が0であれば意味がありません。反対にどんな学習法でも「よほどおかしいもの」でない限り、英語力は伸びます。
これをいうと英語コーチング関係者の中には、
「効率の悪い学習法を選択してしまい、遠回りになってしまうリスクがある!」 などのような批判もあるのですが、そもそも効果的な英語学習法というのはだいぶ広まってきているので、「最悪」な学習法を選択することは起こりにくいと私は考えます。
あとよく多くの英語コーチングサービスで、
「科学的根拠に基づいた」「SLAに基づいた」
などの表現が使われますが、実際はそのメソッド自体に意味があるというよりも「続けられるようにするための方便」としての側面が強いと個人的にあは思います。最近は「AI」というワードも流行りですね笑
*特定のサービスについて述べていません。
*そんなサービスが「ある気がする」という意味合いです^^;
ここまでの話をまとめると、
「どの学習法」 で「どれくらい続けられるか」 が英語力向上に影響し、
SLAの知識があった方がこの二つの要素に良い影響がある可能性が高い、といった感じです。
英語コーチングは意味あるのか
上記を踏まえた上で私は、
「英語コーチング」
をオススメします。
それはSLAがベースにあるからでも、AIアプリがあるからでもありません。
それではなぜオススメなのかというとそれは、
「人は味方がそばにいると成功しやすいから」
というのが理由です。
つまり、
「誰かにコーチングしてもらっている」という状況そのものが効果的な学習法であり、継続しやすい方法になっている
ということです。
「現象が先で理論が後」なのでなぜコーチングが良いのかではなく、
コーチングが良いという事実がまずあって 、その理由づけとしてさまざまなサービスがさまざまな説明をしている、ということだと私は考えています。
極端な話一人で試行錯誤するよりも、誰でも良いので誰かと会って定期的にセッションすれば英語力は伸びると思います。
ただしそのとき、その合う人が自分より英語に詳しい方がより良い、程度のものです。
「英語コーチングなんて、結局自分でやるしかないんだから無駄!」
というような意見も耳にすることがありますが、私はそう思いません。
あとは利用するサービスの価格です。
英語コーチングは高すぎる!という意見もありますが、現在は色んなサービスがあります。
それこそ数十万、数百万といったものから、数千円のものまでさまざまです。
これは利用者側の予算次第になるかと思います。
ちなみにですが、例えば私の強みとしては
何千時間もセッションしてきた経験や、
国内で英語を独学で伸ばしてきた経験、
コーチング理論を学んできた経験、
などがあるので、数千円では絶対にやりません。
逆いいうと、それだけのバリューを提供できる自信があります。
ただし私は現在、英語コーチングのクライアントを何名も取ろうという考え自体ないです。
生活のために本業でやっているわけでもないですし、負担も大きいからです。
そもそも英語コーチングというのは
「セッションやって、はい終わり」ではなく、
・セッション前の準備
・セッション後のサポート
・その人にあわせた個別のカリキュラム設計
・セッション中の課題発見と解決策の提示
・クライアントのやる気を引き出す働きかけ
・クライアントの適性に合わせた話し方への調整
などさまざまなことが必要になります。
単なる「英語の先生」でもないですし、家庭教師ではないのです。
そういった点を考慮すると、
激安なコーチングは何かおかしい(コーチが疲弊している、専門性が極端にない、何か別の狙いがあるなど)とは思いますので、それだけ注意しながらご自分にあった英語コーチングサービスを探してみることをお勧めします。
もちろん「友達同士で一緒に頑張る」などのやり方でも良いですが、その場合は「効果的な英語学習法」をネットなどで調べて、自分で戦略を立てた上で攻めると良いかと思います^_^
======================
本音をいうと私でなくても、
「コーチング経験が豊富な個人で活動しているコーチ」
が一番良いです^_^
なぜ個人なのかというと、会社でやっている英語コーチングは普通に考えて広告を打ちまくっているからサービスの料金も高いだけで、人材の専門性が高いこととからずしもイコールではないからです。
例えば「年収1000万の英語コーチ」は個人で活動していない限りいないのではないかと思います^^;
======================
ほかにも色々書きたい知識はたくさんあるのですが、だいぶ長くなったので今回はここで一旦終わりにしたいと思います!
次回は具体的な学習法などを惜しみなく公開していきます。
それではまた!