永遠のこどもたち | 【邦画/洋画】世にも奇妙な深海部屋【ホラー多め】

【邦画/洋画】世にも奇妙な深海部屋【ホラー多め】

期間限定(予定)の映画の感想ブログです。毎月少しずつ、消化予定。ジャンルはホラー、サスペンスが多めです。

2007年、スペイン・メキシコ合作。製作総指揮:ギレルモ・デル・トロ。
『パンズ・ラビリンス』の監督が描く、新たな希望と再生の物語。

海辺の孤児院で育ったラウラは結婚後、同孤児院へ夫と一人息子と共に
帰ってくる。障がいのある子供たちの為の、孤児院を開こうとしていた。
しかし、一人息子のシモンは『見えない友達』と遊ぶことに夢中。
念願の孤児院を開くことになった当日、歓迎パーティの最中にシモンは
「トーマスの部屋を見せてあげる」と言って、忽然と姿を消した。

シモンは自らが『養子』であり『HIVポジティブ』であることを知ります。
ラウラたちが隠していた事実を、一体、どうやって知ることが出来たのか。
シモンが失踪してから九ヶ月、ラウラ夫婦はすっかり疲れ果てていた。
行方不明者として捜索願を届けたものの、成果は未だに上がらない。
そんな中、とある学者と知り合ったことによって、事態は一変する。
学者が信頼しているという霊媒師を家に招き寄せ、『時間を遡る』ことに
よって、過去のこの家(元孤児院)で一体何があったのか、シモンの言う
『見えない友達』は本当に存在していたのでは、といった疑問を解決
しようとしていた。見守る夫妻、霊媒師は過去の時間を彷徨い始め…。

脚本と監督は違いますが、こういう結末が好きなのかギレルモ監督…と
思わざるを得ません。その結末に至るまでの過程は、やはり残酷です。
今作品も、音楽やカメラワークが秀逸です。不安を煽られます。
無人の遊具が、錆びついた音を立てて回り出すシーンも印象的です。
かつて子供たちが犯した罪、隠された事実、悲劇の連鎖。
シモンを探し求めるラウラの姿は痛々しく、思わず目を背けたくなります。
過去の孤児院の再現、真夜中に訪れる子供たち、果てしない
追いかけっこの先に見つけたものは、耐えがたい事実でした。
『現実』で幸せになれないのなら、目を閉じて『過去』に浸るしかない。
どこまでも甘く柔らかく、優しい『過去』にラウラは捕らわれていきます。
ラストシーンの夫(カルロス)が微笑んだ理由は、言わずもがなでしょう。

そこはユートピアなのか、本人が幸せならまぁいいか度…★10
やっぱり子供って怖いよね度…★9