「アレクサ、ブラームスをかけて」
こうお願いすると、我が家のスマートスピーカーは高確率で[ヴィルヘルム・ケンプ]や[グレン・グールド]の演奏するブラームスの幻想曲集をかけてくれます。
この時期、この音楽が本当に心地よく染み渡るのです。きっと、秋だからなのでしょう。真夏のあの猛烈な暑さの中では、なぜかブラームスを聴きたい気分にはなれないのですが、気温がぐっと下がり、街路樹の葉が色づき出すと、自然とブラームスの旋律を求めるようになるから不思議です。
ケンプとグールドといえば、演奏スタイルに共通点は少ないように思えますが、彼らのブラームスはどちらも「歌うピアノ」という点で共通しています。一音一音が柔らかく、情感豊かに歌い上げられる。しかも、その「歌」はしつこくなく、まるで爽やかな風のようにさらりと流れていくのが良い。
ブラームスの歌曲ももちろん素晴らしいですが、この幻想曲は、しみじみとした味わいがあり、この季節にぴったりです。
芸術の秋、食欲の秋。
この時期は、[脂の乗った秋刀魚に大根おろしを添えて、熱燗の日本酒]を合わせるのが最高の贅沢です。もちろん、[ほっくりとした里芋の煮っ転がし]なんかでも良いですね。
最近はもっぱらアレクサにブラームスばかりお願いしてしまうほど、私にとってこの秋の定番となりそうです。皆さんも、秋の夜長にクラシックはいかがでしょうか。