先日、ハーモニーディレクターとメトロノームを使い、指揮者や指導者がいない状態で、機械の音やテンポに合わせて音を出す練習をしている団体を見かけました。
こうした練習にも、音程やリズムを確認するという意味はあるのだと思います。ただ、実際の様子を見ていて、ふと「この練習は、実際の合奏の中でどのように生かされるのだろう」と考えました。
たとえば、チューナーで一人ひとりの音程を確認することと、周りの音を聴きながら、その和音の中で自分の音をどう置くかを考えることは、少し違うように思います。
音楽は、正しい音を機械に合わせて出すだけではなく、人の音を聴き、自分の音を聴き、その場で響きを作っていくものでもあります。
もちろん、どのような練習を選ぶかは、それぞれの団体の考え方によるものです。ただ、機械に合わせる練習を取り入れるのであれば、「この練習によって何を身につけ、それを実際の音楽にどうつなげていくのか」を考えてみることも大切なのではないでしょうか。
きれいに音が揃うことと、聴く人の心に何かが届くこと。その二つは、必ずしも同じではないのかもしれません。
今回の光景を見て、私自身も改めて「音楽をするとはどういうことなのだろう」と考えさせられました。