櫻井さんに 甘い言葉を囁かれても、
信じちゃダメ!

自分自身にそう言い聞かせていたのに、、、

その日の夜、

櫻井さんから電話が掛かって来て、

今日 潤に会えて嬉しかったよとか、
潤と一緒の食事 楽しかったとか、
明日も会えるかな?とか、、、

まるで 
初めてのデートの後の電話みたい、

そんな電話 掛けて来なくてもいいのに、と
思う部分もあるけど、

電話番号を交換してその日のうちに、
こうして電話を掛けて来てくれた事が嬉しくて

つい、
「わざわざ電話掛けて来てくれてありがと、」
って 言ってしまった。

本当はそんな事 言うつもり無かったのに、、、。

そしたら 櫻井さんも、
『電話を掛けただけでお礼を言われるとは
思ってもいなかったから、
俺 めちゃめちゃ嬉しいよ
俺の方こそありがとう、大好きだよ 潤♡」

そう言っていたのに、、、



次の日の朝、大学へ行き、

正門から法学部棟に
向かって歩いていると
僕の10mほど前を歩く
撫で肩でスタイルが良くて足の長い人。

あれはきっと櫻井さん!

ここで 会ったのも運命かな?なんて思いながら
少し早歩きして櫻井さんに
追い付こうとしたら、

僕よりも先に櫻井さんに走り寄って
弾んだ声で「翔さん、おはようっ❣️」
声を掛けた人がいて、

その人の後ろ姿しか見えなかったけど、
声と着ている服から
小柄だけど男の人だという事だけは分かった。

櫻井さんの事を
名字ではなく名前で呼ぶ人、

昨日 初めて櫻井さんに会った僕よりも、
あの人の方が
明らかに櫻井さんと親しい関係だと分かる。

あの人は 一体、、、凄く気になる、

けど、
僕には2人の間に割って入る勇気はなく、
2人が仲良く歩いて行く姿を
立ち止まって見送る事しか出来なかった、、、💧


見たく無かった、2人のツーショット。
僕は 見ちゃいけない物を見ちゃったのかな?

でも逆に、
今 見て良かったのかもしれない。

もっともっと
櫻井さんの事を好きになった後だったら
今よりずっとショックが大きかっただろうから。

2人の姿が頭から離れなくて、
重たい気持ちで、法学部棟に向かって
ノロノロと歩いていると、


「潤ちゃ〜ん、おはよう‼️」

100m先の人にも聞こえるんじゃないか、と
思うような元気な声で僕を呼ぶ人は、、、

「あっ、相葉さん おはよう、、、」

「潤ちゃん どうしたの?
なんか元気が無いみたいだけど、、、」

「別、、「あっ!そうだっ!
元気のない潤ちゃんに いい物あげるっ!」

僕が言い訳しようとしたら
それよりも先に話し始める相葉さん。

「いい物?」

「うん!ほら あそこに座ろ。」

相葉さんに言われるまま、
すぐ側のベンチに座った僕に、

相葉さんがくれた〝いい物〟は、、、。