黒田君から幽霊の話を聞かされてから数日後、

担任の梅っち(梅田先生)から呼ばれ、

「明日からウチのクラスに転入生が来るから、
櫻井 面倒を見てやってくれよ。」と言われて

「はい、分かりました。」と答えたものの、
なんか ちょっと気になる。

5月末に転入って、
凄く中途半端な気がするんだけど、、、

もしかして 
前の学校でイジメられて
やむを得ず引っ越す事になったとか?

もしそうだとしたら
暖かく迎えて入れてあげたい。

そう思いながら迎えた次の日、

登校して そのまま職員室に向かっていたら、
職員室に着く前に 
梅っちと転入生に出くわした。

「おっ、櫻井 来てくれたか。」

「あ 先生、おはようございます。」

「松本君 紹介するよ、
ウチのクラスの学級委員長の櫻井翔。
分からない事があれば
櫻井に聞けば何でも教えてくれるから。」

「はい、、、あの僕 松本潤です、宜しくお願いします。」

「こちらこそ、
1Aで学級委員長をやってる櫻井翔です。
宜しくお願いします。」


俺が挨拶すると一瞬だけ目を合わせたものの、
すぐに俯いてしまった松本君。

でも その一瞬の間に見えた顔は、
凄く綺麗で でも少し儚げで、
声も小さいし、
よっぽど緊張しているのだろうか?
、、、という事は やっぱりイジメに遭っていた?

そう思ったから、

「俺たちのクラス
気のいいヤツらばかりだから安心して♡」

「うん そうだぞ、
学級委員長の櫻井を筆頭に
大雑把な性格のヤツが多いけど、
優しいヤツらばっかりだから、
何も心配する事ないからな。」

「え〜?
先生、俺たち そんなに大雑把じゃないよ〜。」

「そうかぁ?」

「そうだよ。」

「ふふっ、ありがとうございます。」

松本君が顔を上げて
俺を見て笑ってくれたから、
それに気をよくして


「あっ、そうだ!
昼休みに学校の中を案内するよ、俺。」

「えっ、そんな、、、迷惑掛けたくないから いいです。」

「ううん、全然 迷惑じゃないし、
だから 遠慮しないで。」

「、、、じゃあ、お言葉に甘えさせて頂きます。」

「うん♪」


こうして
松本君の〝お世話〟をする事になった俺は、

おとなし過ぎる松本君が、
早くクラスに馴染んでくれるように頑張ろう!
と思っていたのだけど、、、。