ヤマトに一体 何があったのだろう?
松本君の辛そうな顔を見ていると、
俺に出来る事なら
なんだってやってあげたい、と思うけど、、、
松本君からの話は、
「あの 実は
大家さんにヤマトの事が知られてしまって、
『猫を誰かに引き取って貰うか、
猫と一緒に出て行ってくれ。』って
言われちゃったんです。
僕のアパート、本当は ペット禁止で、
だから 仕方ないんですけど、でも、、、」
「そうなんだ、、、困ったね。
俺の家でヤマトを飼ってあげられるといいけど
家族がいるから俺の一存では
決められないし、、、」
「あ、いえ そんな💦
櫻井さんに こんな事
話しちゃってごめんなさい。
本当は ペット可の所に引っ越し出来れば
いいんですけど、
引っ越しするとなると色々と、、、」
「そうだよね、お金も掛かる事だし、
急には引っ越し出来ないよね。」
泣きそうな顔をしている松本君、
そんな顔を見せられたら、
やっぱりここは、
俺が一肌脱がねば いう気持ちになって、
本気で考えて、、、
「いい事 思い付いた💡」
「えっ、本当ですか?」
「うん!
俺 前から一人暮らししたいと思ってたから、
俺がペット可のアパートに引っ越して
ヤマトと一緒 住むよ。
そうすれば、
松本君もいつでも会いに来れるし、、、」
松本君の力になれるなら、
ヤマトの一匹くらい 俺がどうにかする!と
いうのは 建前で、
本音は 松本君に
『櫻井さんて頼りになってステキ♡』と
思われたいから。
でも、
一人暮らしをしたい、と思っていたのは事実で、
というか、、、、お袋から
『もう社会人になったのだから、
家から出て行ってくれない?』と前から
言われていて、
強制的に家から追い出される前に、
本気でアパートを探さないといけない、と
思っていた。
俺が家を出るとなれば、お袋からは
『やっと 出て行ってくれる気になったのね、
良かったわ。』と言われる事 間違いなしだし、
それに、
松本君からも感謝される事になる(多分)
俺にとったら一石二鳥♪♪
ヤマトと仲良くやっていけるかどうか、、、は
ちょっと不安では あるけれど、
そこは、
『ヤマトが寂しそうにしているから、
会いに来てやってくれない?』と
松本君に言えば、
絶対に会いに来てくれるだろうし、
場合によっては、
ヤマトを口実に 『泊まって行きなよ。』と
言う事だって出来る♪
そんな期待を込めて
松本君の返事を待っていると、、、
「櫻井さんにそう言って貰って
凄く嬉しいです、ありがとうございます。」
「じゃあ、決ま、、 「でも 櫻井さんに
そんな負担を掛ける訳には行きません。」
『やっぱり、ダメか、、、(◞‸◟)』
多分 松本君は、
家事全般 全くやってこなかった俺に
ヤマトを預けるのは、ちょっと、、、と
思ったのだろう。
折角
〝いい事 考えた!〟と思ったのに、、、
松本君に信頼されてないのか、と思うと
ちょっとショック😨!
結局、
会社に着くまでの短い間では、
松本君もヤマトを預けるか、引っ越すか、の
どちらかに決められず
ヤマトの事は また後で、という事になり、
その日の昼休み、、、