松本君との日帰り旅行は
夢のような時間で、

こんなにも 俺の願い通り、、、というか
それ以上に楽しくて、

天気にも恵まれたし、
平日だった事もあって
松本城も、その後に行った美術館も
それほど混んでいなくて、
ゆっくり見られて、

しかも、
熱心に展示物を見る松本君の美しい横顔も
見放題だったし、、、(^-^)v

ただ こんな時は
何故か 時間が経つのが あっという間で、
気が付けば 帰りの電車の時間まで あと少し、

「そろそろ 駅に行かないといけないね。」

「えっ? もうそんな時間ですか?」

「うん、」

「そっかぁ、残念、、、
なんか、、、楽しい時って
時間が経つのが早いって思いません?」

「あっ、俺も今 そう思ってた!」

「えっ?ホントに?」

「うん、今日は特に あっという間に
時間が経ってしまったような気がする。」

「ふふっ、良かった、、、一緒で。」

松本君も 俺と同じ思いでいると分かって、
嬉しいし、
俺の立てたスケジュールに
満足して貰えたようでホッとした。


もしかしたら、
(今日が)楽しかったから
また ふたりでどこかに行きたい、と
言われたりして、、、

そんな事を考えていたから、
俺は帰りの電車の中でもテンション高めで、


松本君から、
「あの、、、櫻井さんにお願いしたい事が
あるんですけど、、、」と言われた時は、

これは きっと、
ふたりでまた どこかに行きたい
言われるに違いない、と思い、

「いいよ、いいよ、何でも言って♪
どんなお願いでも聞いちゃうよ、俺。」
返事をした俺。

「ホントですか?」

「うん!お願い、ってどんな事?」

「あの 実は、、、櫻井さんに
ちょっと手伝って貰いたい事があって、
ウチに来て貰えませんか?」

「えっ?松本君の家に?」

「はい、ダメですか?」


松本君とカレが暮らす家に 俺が行く?

ちょっと怖い気もするけど、
最初にどんなお願いも聞いちゃう
言った手前、

「イヤ 全然ダメじゃない、手伝うよ。」
返事をするしかなく、、、

「良かった〜。
ありがとうございます♪」

俺が断らなかったからか、
松本君は 凄く嬉しそうで、
良かった とは思うものの、

ふたりで旅行じゃ無かったのは
ちょっと残念で複雑な気分。


でも、
何で 俺に手伝って、って言うのだろうか?

前に
カレってすっごく優しいんですよ。って
言っていたから、
松本君が頼めば 
カレはどんな事でも『いいよ』って言って
手伝ってくれると思うけど、

わざわざ俺に頼む、って、、、


もしかして、
最近 カレと上手くいってない、、、とか?
俺と日帰り旅行したのも それで?

これは、
喜んでも いい事なんだろうか?

胸がモヤモヤする、、、