念願だった 松本君とふたりだけの飲み会。

ずっと前に誘った事があったけど、
断られたから、
それ以来 勇気が出せず、誘えなかった。

それが 
松本君の方から誘って来るなんて、、、

酔って ぽやぽやした可愛い松本君が
また見れる、と思うと嬉しくて、

昼休憩後、
今日は お客様との打ち合わせが
入っていたのに、
油断していると顔がニヤニヤしてしまって、
ホント大変だったし、

こういう時に限って時間が経つのが遅い!

えっハッまだ4時前?
営業所の時計 止まってない?
何度 思った事か、

悶々としながら、漸く迎えた終業時間、

松本君に声を掛け、
急いで帰り支度をして、
ふたりで向かったのは、
駅近くの居酒屋。


「こうして 飲むのって久しぶりだね。」

「本当に、

「松本君は 何を飲む?」

「えっと、僕は、、、」

ふたりでメニューのタブレットを見ながら、
何を頼もうか 相談して、、、

それだけでも もう楽しいし嬉しい。


そうして注文した飲み物や料理が届いて
飲み始めると、

程なくして 松本君は頬がピンク色に染まり、
心なしか 瞳もうるうるしているような、、、

それが もう堪らなく可愛い♡


そんな可愛い松本君から、

「櫻井さんて お休みの日は
何をしているんですか?」

「ん〜、最近はあまり外に出てなくて
家で建物とか建築に関係する本を
見ている事が多いかなぁ。」

「え〜?それじゃあ 休みの日と言っても
完全に休んでないじゃないですか〜。
他に楽しみとか ないんですか?」

そう聞かれても、、、

俺にとっては 
会社に行って 松本君に会えるのが
一番の楽しみだし、
その次に楽しみな事と言ったら、、、
 
「あっ、最近は 行けてないけど
お城とか、神社とか、お寺とかを
見に行くのも好きだよ。」

「ふふっ、
それも仕事と関連があるような、、、
でも、僕も好きです、古い建築物を見るの。」 

「ホントに?」

「はい!
あ、じゃあ 今度 一緒に見に行きません?」

「お、いいね♪
松本君は どこに行きたい?」

「えっと、
ずっと前から行きたいと思いながら
行けてないのが、
僕と同じ名前の松本城なんですよね、
櫻井さんは行った事 あります?」

「うん、小学校の時に行った記憶があるけど、
ただ〝行った〟という記憶しかない。」

「じゃ 良かったら 今度 一緒に行きません?」

「うん、行く 行く!」

松本君と飲みに来られただけでも
嬉しかったのに、

一緒に松本城に行く約束をして
夢を見てるのよう、

でも、、、
カレを差し置いて
俺が松本君とふたりで出掛けちゃって
いいのかな、、、。