今日から 新しいお話しを始めます。

〝はっきりしてよ〟のあとがきに
書いたように、

タイトルは〝ふたり〟

社会人1年目の 〝ふたり〟のお話しで、
全話 翔君目線のお話しになる予定です。

(もしかしたら 最後の方に、
潤君目線のお話しも〝おまけ〟として
書くかもしれません、、、)

      

    それでは どうぞ〜








【ふたり】

昨年の3月、
大学をかなり優秀な成績で卒業した俺。

その時には
大手ハウスメーカーに就職が決まって、

卒業式の日には、
仲の良かった友人の一人から、

「それぞれ 進む道は違うけど、
就職しても 月に一回くらいは
みんなで会って飲もうぜ!」と言われて、

「うん、了解!」と応えたものの、


現実は、、、


就職して 1ヶ月の研修期間を終えたのち、
俺が配属になった先は、
本社内の部署ではなく立川営業所、、、で
営業担当。

『マジか、、、ガーン


大学での成績も良かったし、
てっきり本社勤務になると思っていたから
はっきり言ってショックだった。

これでは、
卒業式の日に約束した
大学時代の友人達との飲み会に、
おいそれとは 参加出来ない、、、ガーン

これが現実か、、、

入社して 1ヶ月で
現実の厳しさを思い知らされた俺だったけど、

ただ、
本来 負けず嫌いの俺は、

良い成績を収めて、
いつか必ず本社勤務になって、
出世街道を走り抜けてやる!と
密かに思っていたのも事実。


こうした感情が交錯する中、
初めて立川営業所に出社した日、

唯一 救いに思えたのは、
立川営業所に配属になった人物が
俺以外にもいた事。

新入社員は、
てっきり俺以外いないと思っていたから、

営業所の所長から、
俺と一緒に立川営業所に配属された
新人さんを紹介された時は、
〝相棒〟が出来たような気がして、
凄く嬉しかった。

ただ、
俺の〝相棒〟は 俺と同じ〝営業職〟ではなく、
専門学校を卒業し、
建築士として入社した男性で、
年齢も 俺より2つ下。

同じ〝営業職〟ではない点は 
ちょっと残念では あるけれど、
それでも 新人は俺一人だけでなくて、
本当に良かった、、、と思う初出勤の日だった。