〜S side〜

潤は俺にとって 一体 何なのか?

潤が中学生の時は、
真面目で素直でちょっと不器用で、
揶揄い甲斐のある可愛い〝弟〟と
思っていたような気がするけど、

それが いつからか、
『誰にも渡したくない』と
思う存在になっていて、今では、、、

今まで以上に 潤と一緒に過ごしたくて、
潤の家庭教師になる!
勝手に宣言した俺。

潤は 戸惑いの表情を見せたけど、
潤の両親は 勿論 大喜びしてくれて、

そして意外にもお袋が大喜びで ビックリ‼️

お袋曰く、
「翔が高いバイト代に目が眩んで
変なバイトしなくて良かったわ〜、
それに全然知らない子の家庭教師するより
潤ちゃんなら翔が気が短い事も
熱くなり過ぎる事も知ってるし、
潤ちゃん優しいから、
揉め事になる事もないだろうし最適ね。」

「え〜?俺 そんなに気が短くないし、
熱くなり過ぎる、って、、、」

「えっ? 自覚ないの?」

「・・・もやもや

確かに俺、
自分に向いてない、と思うと、
すぐに見切りを付けちゃうし、

自分で言うのも烏滸がましいけど
正義感が強いから
態度が悪いヤツには 熱くなって説教しがち。

そんな俺とは真逆で
潤はすぐには投げ出さず
コツコツと努力するタイプだし、
俺みたいに すぐにはカッ💢とは ならない。

考えてみたら俺と潤て
ある意味 相性抜群かも、、、(*´꒳`*)



こうして 始まった潤の大学受験に向けての
家庭教師。

これまでも 時々 潤に勉強は教えていたけど、
これまでとは 訳が違う。

〝潤を俺の大学に合格させる!〟という
はっきりとした目標に向かって、

俺が教えるのは 
学校の授業に沿った勉強ではなく、
(大学)合格に向けての受験勉強。


「潤、俺 かなり厳しく教えるからな。」

「はい!宜しくお願いします、翔先生。」

「///翔先生って、、、」

「でも、家庭教師の先生だから、
〝翔先生〟で あってるでしょ?」


元々、鼻に掛かった甘い声の潤だから、
その甘い声で 翔先生と言われると、
こそばゆい、というか ちょっと照れてしまう。

俺 こんな事で 
潤にちゃんと教えられるのか、と
ちょっと不安が過ぎるけど、

そんな事は 言ってられない。

潤をなんとしても 俺の大学に現役で合格させて
たとえ1年間だけでも、
潤と一緒にキャンパスライフを謳歌したい。


「よし!頑張ろう‼️」

「はい、頑張ります‼️」

目を キラキラ輝かせて 
やる気満々な潤が 眩し過ぎる、、、