〜S side〜

潤が持って来てくれたクッキーは、
凄く美味しいそうで、

「じゃ、早速 頂こ、、、」
「え〜っ?今はダメだよ。」

「ウソッ、なんでダメなの?」

「だって、僕 母さんから
『クッキーは 宿題が終わってから
食べなさいね。』って言われたから、
翔君が先に食べちゃったら
一緒に食べられなくなっちゃう、、、(◞‸◟)」


マジかガーン

いくら母親に言われたからって、

今ここに居ない母親の言い付けを
ちゃんと守ろうとする潤が
信じられない。

俺なんか
そんな言い付けシカトして食べちゃうし、

もし バレたら
『ごめん 忘れてた』っ言って
ちょっと謝るだけ。

それなのに潤は、、、良い子 過ぎる!

「ね、翔君
急いで宿題済ませて、
それからおばあちゃんと3人で
クッキー食べるのじゃ、ダメ?」

うるうるした瞳で俺を見つめて、
ダメ?なんて聞かれたら、俺は、、、

「い、いや💦 ダメじゃないけど、」

「良かったぁ〜♪
じゃ、宿題しちゃお。」

「おぅ//」


こんなに真面目で 素直で 
優しくて 可愛い潤、だったのに、、、



あの夏の日から 5年の月日が流れ、

今の潤は、、、


あの時と変わらず、
真面目で努力家だし、
ルックスも抜群!というか、
見事な美形に育って、周りから 注目の的で、
ちょっと面白くない、、、もやもや

それよりも もっと面白くないのは、
めちゃめちゃモテる事。

バレンタインデーには、
すごい数のチョコを貰ってて、

でも それを全然 喜んでないのが
ちょっとイラッ💢とする。


この間も、

『バレンタインに沢山 チョコ貰っても、
ホワイトデーにお返ししなくちゃいけないし、
その為に お年玉を残して置かなければ 
いけないから、全然 嬉しくないよ。』って
言ってて、

『それなら 最初から
バレンタインのチョコ、
受け取らなければ いいんじゃない?』って
言ったら、

「や、 たとえ義理チョコでも、
わざわざ買って来てくれたチョコを
突き返したら悪いでしょ?
翔君もバレンタインにチョコ貰ってる
みたいだけど ちゃんとお返ししてるの?」

「勿論、返してるよ。
大袋入りのクッキー買って来て
ひとり2枚ずつ渡してる。」

「えっ?クッキー2枚だけ?
どんなに高いチョコ貰っても?」

「うん。」

「・・(¬_¬) 」


潤の目が冷たい、、、。

俺だって本当は 
貰ったチョコに見合うだけの物を渡したい、、、
けど、お年玉は 3月までには
全部 すっからかんになってしまうし、
普段の小遣いも 余裕がないから、
結局 ホワイトデーには
ひとりクッキー2枚になってしまう訳で、、、。


あ〜 ヤダ、ヤダ、
潤とは別の意味で バレンタインデーは嫌いだ!