〜S side〜
潤が持って来てくれたクッキーは、
凄く美味しいそうで、
「じゃ、早速 頂こ、、、」
「え〜っ?今はダメだよ。」
「ウソッ、なんでダメなの?」
「だって、僕 母さんから
『クッキーは 宿題が終わってから
食べなさいね。』って言われたから、
翔君が先に食べちゃったら
一緒に食べられなくなっちゃう、、、(◞‸◟)」
『マジか
』
![ガーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/020.png)
いくら母親に言われたからって、
今ここに居ない母親の言い付けを
ちゃんと守ろうとする潤が
信じられない。
俺なんか
そんな言い付けシカトして食べちゃうし、
もし バレたら
『ごめん 忘れてた』っ言って
ちょっと謝るだけ。
それなのに潤は、、、良い子 過ぎる!
「ね、翔君
急いで宿題済ませて、
それからおばあちゃんと3人で
クッキー食べるのじゃ、ダメ?」
うるうるした瞳で俺を見つめて、
『ダメ?』なんて聞かれたら、俺は、、、
「い、いや💦 ダメじゃないけど、」
「良かったぁ〜♪
じゃ、宿題しちゃお。」
「おぅ//」
こんなに真面目で 素直で
優しくて 可愛い潤、だったのに、、、
あの夏の日から 5年の月日が流れ、
今の潤は、、、
あの時と変わらず、
真面目で努力家だし、
ルックスも抜群!というか、
見事な美形に育って、周りから 注目の的で、
ちょっと面白くない、、、![もやもや](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/102.png)
![もやもや](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/102.png)
それよりも もっと面白くないのは、
めちゃめちゃモテる事。
バレンタインデーには、
すごい数のチョコを貰ってて、
でも それを全然 喜んでないのが
ちょっとイラッ💢とする。
この間も、
『バレンタインに沢山 チョコ貰っても、
ホワイトデーにお返ししなくちゃいけないし、
その為に お年玉を残して置かなければ
いけないから、全然 嬉しくないよ。』って
言ってて、
『それなら 最初から
バレンタインのチョコ、
受け取らなければ いいんじゃない?』って
言ったら、
「や、 たとえ義理チョコでも、
わざわざ買って来てくれたチョコを
突き返したら悪いでしょ?
翔君もバレンタインにチョコ貰ってる
みたいだけど ちゃんとお返ししてるの?」
「勿論、返してるよ。
大袋入りのクッキー買って来て
ひとり2枚ずつ渡してる。」
「えっ?クッキー2枚だけ?
どんなに高いチョコ貰っても?」
「うん。」
「・・(¬_¬) 」
潤の目が冷たい、、、。
俺だって本当は
貰ったチョコに見合うだけの物を渡したい、、、
けど、お年玉は 3月までには
全部 すっからかんになってしまうし、
普段の小遣いも 余裕がないから、
結局 ホワイトデーには
ひとりクッキー2枚になってしまう訳で、、、。
あ〜 ヤダ、ヤダ、
潤とは別の意味で バレンタインデーは嫌いだ!