※波瀾(本編)は、完結しましたが、
引き続き波瀾 番外編をお送りします。

番外編は 全て N sideで、
波瀾 本編では 分からなかった翔さんのお話です。

潤君に一目惚れしてからの翔さんが
どんな様子だったのか、、、



それでは、どうぞ〜







「惚れたっ❣️」

「えっ?急にそんな事 言われても
残念ながら ワタシ 翔さん、、いえ副社長の事、
ぜ〜ったい好きになりませんから。」

「ば〜か、誰がお前に〝惚れた〟って言った?
お前みたいなゲームオタクなヤツに
俺が惚れる訳ないだろ?」

「はいはい、そうですか。
そう聞いて 安心しました。」

「それより、
あれが誰か至急 調べて報告、今日•明日中にな。」

「〝あれ〟って誰ですか?」

「ば〜か、それが分かんないから
調べろって言ってるの!」

「そうじゃなくて、、、
翔さんの言う〝あれ〟っていうのは
どの人を指しているんですか?」

「だから、たった今 エレベーターで降りて来た
二人連れのめちゃくちゃ可愛いかった方、
ほら 目がぱっちりしてて、色白で、、、」

今エレベーターから降りて来た2人、、、ですか?
確か2人とも男性だったように思いますが、、、」

「そう!それ!
あっ、でも俺が先に惚れたんだから、
お前は、好きになるなよ。」

もやもや


ワタシ、二宮和也。

今や世界的にも有名なアパレル会社•STORM社、
そのSTORM社副社長 櫻井翔の秘書になって3年。

日頃 この副社長の翔さんには、
かなり手を焼いていて、苦労しているけど
どうにかこうにか秘書として働き続けている。

それは ぶっちゃけ かなりの高待遇だったから
というのもあるし、
昔からの腐れ縁というのもあって。

そもそも、
初めて ワタシが 翔さんに会ったのは
高校1年の春。

高校の2年先輩の翔さんと、
生徒会の役員をした事で知り合い、
(因みに翔さんは会長、ワタシは書紀)
その時から 何故か翔さんに気に入られ、
今に至るのだけど、



それにしても前代未聞、
天変地異が 起きたりしないかちょっと心配。

あの翔さんが、一目惚れなんて。

頭もルックスも良く、
しかも、将来STORM社の社長になる人、、、

だから 翔さんは洒落にならない程 モテる、
それは もうずっと前 高校生の頃から。


言い寄る女性は 数知れず、
そんな中から付き合った女性もいるけど、

最終的には、
翔さんの独特な、、、というか、
手に負えない性格には付いて行けず、
長続きしないで終わりを迎える。

そんな事の繰り返しで、

ワタシの知る限り、
翔さんの方から〝惚れた〟というのは初めて、
言ってみれば初恋だと思う。

優秀な秘書のワタシとしては、
そんな翔さんの初恋を成就させてやりたい、
とは思うけど、
果たして上手く行くのだろうか?

と、その前に
急いでどこの誰か調べなくては いけない。

今日•明日中に翔さんの言う
〝可愛いカレ〟の事が分からなかったら、
一体 どんな仕打ちが 待っているか、、、。

『お前、もっと出来る男だと思ってたけど、
全然ダメだな。』

ぐちぐち言われるのは必須だし、
それだけなら いいけど、

マイナスポイントを付けられて、
ボーナスの査定に響く可能性も充分ある。

それだけは どうしても避けたい、
早々と夏のボーナスの使い道を
決めてしまっているのだから。

気が進まないけど背に腹は変えられない。

なんとしても今日•明日中に
突き止めなければ❗️