潤との〝大切な約束〟

それは、幼い頃の懐かしい思い出のひとつ、
ただ それだけだと思っていた。

翔くん 僕ね、
小さい頃の事で 一番はっきり覚えてるのが
あの日の事なんだ、
ブカブカな制服と、翔くんのキス。

あの時、僕が『翔くん だ〜いすき♡』って
言ったら 翔くんがキスしてくれて...

えっ、、ちょっと待って!
あの時は、俺がキスして それから....

え〜、違うよぉ、
僕が『大好き』って言ったのが先❣️

そうだっけ??

もぉむかっ
翔くん ちゃんと覚えてないの⁉️

ちゃんと覚えてるよ
ブカブカな制服を着た潤が、
すご〜くすご〜く可愛かった事。

そんな事 言って誤魔化してるプンプン
ホントは、忘れてたんじゃない?

って、口では文句を言いながら 潤の顔は真っ赤。

頬を赤く染めて少し拗ねた潤は、
幼い頃を思い出させる。

あの時と同じように愛くるしい。

こんな顔を見てしまうと、あの時のように
『キスしたい』という気持ちが頭を擡げる。


潤、

なに? 翔くん

キスしたい。

単刀直入な俺の言葉に、
潤の赤かった顔が更に赤くなって、
そのまま俯いてしまった。


『あっ、やっちゃった?  俺あせる

潤が可愛くて堪らなかったから、
つい『キスしたい』って
思ったままの言葉を言ってしまったけれど、
こんな時 どんな言葉を言えば良かったんだろう?

困ってどうしたらいいか分からず
オロオロしている俺に、
潤は俯いたまま、

聞かなくて いいのに、
あの時だって不意打ちだったし....

やっ、だってあの時は子供だったし
も考えずに本能のまま キスしちゃったけど、
今は流石に それはダメかなって...


ダメじゃないよ、

潤が顔を上げて そっと目を閉じた..から...

椅子から立ち上がり 身を乗り出して、
潤の唇に、俺の唇を重ねた。


幼稚園の時以来の潤とのキスは、
ちょっぴりプリンの味。

甘くて、そして柔らかくて...

『潤の唇って こんなに柔らかかったっけ?』

ん♡

潤の口から漏れる吐息が、俺を尚更 夢中にさせる。

角度を変えて、再び唇を重ねた。

『大好きだよ』
という思いが 唇から伝わるように。