翔く〜ん!

あれっ、潤 どうしたの?

放課後、
俺が部活( 軽音部 )が終わって
帰ろうとしていた時、潤が俺の所に来た。

今日ね、僕 けいちゃんのいる化学部に
体験入部して来たんだよ照れ

化学部に?

うん音譜

それでね、カップケーキ作ったの。

それって食品サンプルみたいな?

違うよ、
お菓子のカップケーキ。

えっ、化学部でお菓子 作ったの?

うん、そうだよニコニコ


化学とお菓子作りが 
どうしても俺には結びつかなかったけど、

《お菓子作りの工程は、化学の実験の工程と
   似ている部分がある》みたいだ。

そう言われれば、そんな気がしないでもない。

それでね 翔くん、
『同じ〝スイーツ部〟の翔くんにも、
  食べて貰いたいね』ってけいちゃんと話してて
それで持って来たの。

あまり上手に出来なかったんだけど...
食べてもらえるかな?

あっ それから、
これ化学室で作ったけど、
普段 実験で使うビーカーとか、秤とか、お皿とか
そういうのは使ってないから安心してねウインク

うん音譜
でも、俺が食べちゃっていいの?

もちろん❣️

潤の手作りのものを食べるなんて初めてだし、
めちゃくちゃ嬉しい。

すぐに食べたいな、いい?

うん、食べて食べて音譜

あっ でも、ここじゃあ...
ね、屋上に行かない?

うん いいね、
じゃ 行こっか?

嬉しさでニヤけてしまいそうになる顔を
必死に抑えながら、
潤と2人 屋上へ向かった。


〜〜〜〜〜


翔くん、どうぞ召し上がれニコニコ

ありがと、いただきます❣️


潤から受け取ったカップケーキは、
作り立てで まだほんのり温かくて、
ひと口 口に入れると、
優しい甘さが口いっぱいに広がり、

うんめぇ‼️

ホントに?
良かった〜❣️


お世辞抜きで すごく美味しかった。

潤がレシピと睨めっこしながら、
一生懸命 作ったものだと思うと 尚更。




『美味しかったよ、潤。 ありがと♡』

そして...潤の頬にキスを、
〝チュッハート〟 


そんなふうに出来たら最高なんだけど、

まだ それは遥か遠く....だよなぁ。


幸せなんだけど、ちょっぴり苦しい。

潤の笑顔を見て、そんな事を思っていた。