潤への質問は、その後も長らく続いて、
昼休みももうすぐ終わるという時間になって
漸く終わった。
質問の殆どが『誕生日は?』とか
『好きな食べ物は?』などの 
当たり障りのないものだったから良かったけど、
登校初日でこれだから、
今後 潤の事が学校全体に知れ渡ったら
どうなるのか?と先が思いやられた。



潤、ごめんね。
うちのクラスの女子が、、

ううん、全然。
だけど 僕 翔くんの事 上手く話せたかなぁ?

ん?

♪キンコンカンコン♪

午後の授業開始の予鈴が鳴ってしまったので、
潤の言った言葉の意味を聞けないまま、
取り敢えず、今日 一緒に帰ろうという
約束だけして、教室に戻った。



〜放課後〜

ホームルームが終わって、
クラスメイトからの誘いも全て断って
急いで潤の教室へ向うと、
既に潤は廊下に出ていて、
俺の事を待ってくれていた。

潤‼️

あっ、翔くん!

ごめん、待たせた?

ううん、今 終わった所ニコニコ

どうだった? 高校初日は、

俺の質問に、

ん〜とねぇ、

潤は 少し考えてから、
今日一日の出来事を順番に話してくれた。

〝自己紹介で緊張した事〟
〝委員決めで風紀委員になった事〟
〝職員室や図書館 体育館などを見て回った事〟等

そして....

あの....
翔くん、僕 大丈夫だったかなぁ?

えっ? 何が?
突然『大丈夫だった?』と聞かれて??の俺に、

昼休みの事...

あっ!
そういえば『翔くんの事 上手く話せたかなぁ?』
って言ってたけど、あれって どういう意味?

だって、
翔くんのクラスの人達、
僕に翔くんの事を聞きに来たんでしょ?
翔くんに直接 聞くのが恥ずかしいから、
幼馴染みの僕だったら、
子供の頃の翔くんの事もよく知ってると思って、
僕の所へ来たんだよね?

• • •びっくり

どうりで! ...納得。

女性陣の質問に、
『僕は〇〇だけど、翔くんは. . .』とか
『翔くんも、僕と一緒だよね』とか、
全ての答えに〝翔くん〟を付けていた。

潤は 勘違いしたんだ。

そういえば、原ちゃんの聞き方も、
『潤くんに 教えて欲しい事がある』
っていう聞き方だったから、
勘違いしたのも無理もない。

でもまさか、そんなふうに思って答えてたとは。


アハハッ‼️
潤の〝可愛い勘違い〟に、
思わず大きな声で笑ってしまった。

翔くん、なんで笑ってるの?
僕が間違った事 言っちゃったら
翔くんに迷惑が掛かると思って、
一生懸命 考えながら話したんだよ?
それなのに...ショボーン

ごめん ごめん。
潤、ありがとね。
感謝してる。


そうだ!
お礼になんか奢るよ、
何がいい?

ホント?

あっ、あんま高いものはNGで。

うん、分かった音譜

『何にしようかなぁ?』と言って、
目をくりくりさせ 考えている潤。


『やっぱり、潤は可愛い❤️』