ロスへ来て5日、
明日は日本へ帰る日。

この5日間、
すごく楽しくて時間が経つのが早かった。

もう明日 帰るのかと思うと
寂しくて仕方ないけど、
そんな顔を見せてしょおさんを心配させたくない。

そんな僕に、

潤に話そうと思いながら ずっと言い出せなくて、

と前置きしてから しょおさんが話してくれたのは、
僕と出会う前の事と留学を決めた理由。

俺、小さい時からずっと
『お前は櫻井家の大事な跡取りだから』
って言われて育って来たんだ。
欲しいものは何でも買って貰って
側から見れば〝何不自由ない生活〟なんだけど、
実は〝籠の鳥〟のような生活だった。

決められた毎日を、ただ 淡々と過ごす 
そんな感じだった。

だけど、潤に出会って俺の日常が変わって
毎日が充実していて、凄く楽しかったし
潤との日々を凄く大切に思ってた。

そんな中で、
『潤は俺が守るんだ』とか
『片時も潤と離れたくない』って
思うようになって...

でもさ、これって 良く考えると、
以前の 俺と同じ状態、
潤を〝籠の鳥〟にしてしまっているんじゃ
ないかって...
これじゃあ ダメだと思うようになったんだよね。

そんな時に留学して こっちの大学でビジネス学を
学んだら?って言われてね。
潤と離れるのは辛いけど、
留学してビジネス学を学びたいっていう
気持ちもあって、
すごく悩んだんだけど 留学する事を決めたんだ。

『これは潤の為でもある』って、
勝手に自分で自分に言い聞かせて。


ごめんね、潤に全然 相談しないくて..



ううん、僕も いつも何かあると
しょおさんを頼ってばかりで...

しょおさんから留学の話しを聞いた時は、
もちろん寂しいと思った、
でも、
『しょおさんに頼ってばかりじゃダメ』って
思ったのも事実。

僕ね、しょおさんに
『頼りにしてるよ』って言われるような
人間になりたい。

今は まだ、何をどうしたらいいか分かんないけど、
しょおさんに負けないように頑張ろうと思う。

俺も、、、
俺も 目一杯 頑張るからニコニコ

うん♡

潤 愛してるよ♡


しょおさんと僕の唇が重なり
貪るようにキスをして、

暫く触れ合う事の出来ないお互いの体を、
慈しむように何度も何度も 愛し合った。

時間が止まればいいのに...

そんな事を考えながら。