智さんが言った通り、
噂話は いつのまにか 無くなり、
平穏な日々が続いて 
気がつけば もうすぐ夏休み。

夏休みといっても補習があって、
完全に休みなのは、お盆前後の2週間くらい。


潤、夏休みなんだけど
もし良かったら俺のウチの別荘に来ない?

は〜い、オイラ行くぞ‼️

え〜、智くんは誘ってないえー

どうせ 軽井沢の別荘だろ?

そうだけどえー

潤、翔ちゃんちの別荘なんか行かないで
オイラんちの別荘に来い!
オイラんちの軽井沢の別荘の方がいいぞ、
潤が見たがってたオイラの絵も
別荘に沢山 あるからさ、

えっ、ホントに?
智さんの絵は、 見たい...けど...


それにしても 2人とも軽井沢に別荘って...

庶民の僕からしたら
それだけでも凄いと思うのに、
それだけじゃなくて、
『それとも海外の方がいいかなぁ』なんて呟いて
いるから驚いちゃう。

じゃあさ 潤、
ウチの別荘に来て、
智くんの絵だけ見せて貰いに行ったら
いいんじゃない?

うん、行きたいけど...
どうしよう?
毎年お盆の頃は 家族で おばあちゃんちに
行くから...

そっか〜ショボーン


ホントは しょおさんに誘って貰って
凄く嬉しいし、
2週間も会えないのは寂しいと思ってたから
『行きたい‼︎ 』と思う気持ちは 強いけど、

今まで友達の家にも 泊まりに行った事がない、
そんな僕が、
いきなり〝大好きな人〟の別荘に
泊まりに行くなんて。

ハードルが高いというか...
もしかして、キス以上の事もあったりする?

一瞬で色んな事を想像してしまって、
そんな自分が恥ずかしい。


あの、じゃあ行っていいか聞いてみるねあせる

翔ちゃん、
オイラも一緒に行くからなっグラサン

智くんは 来なくていいんだけど....えー

えっ、何か行ったか?



2人の会話を聞きながら、
『しょおさんと一緒に花火がしたいな』花火
『スイカ割りも楽しいかも』スイカ

そんな景色を思い浮かべて、
もう僕の気持ちは 軽井沢に向かっていた。