しょおさんの前で〝僕〟と言った日から、
〝俺〟じゃなくて〝僕〟って言って欲しいな〜
と度々 言われて、

『どっちでも そんなに変わらないと思うけど』
とは思うものの、
根負けして〝僕〟と言うようにしたら、
しょおさんから
『可愛い』『可愛い』と やたら言われる。

どうもそれは、
〝僕〟というのに言い慣れてなくて、
「僕は」とか「僕が」と言う時、照れてしまい
どうしても頬がちょっと赤くなるのが
しょおさんから見ると〝可愛い〟みたいだ。




そんな時、
来年度の入学案内の冊子作りに
生徒会役員が 協力する事になった。

協力といっても、
教室や図書館 などで写真を撮るだけ。

メインは、その教室や図書館だから
僕たちは小さく写り込む程度だと言われた。

「じゃあ きっと、冊子に載っても
豆粒みたいで 誰が誰だか分かんないだろうね。」

「そうだね〜」

「あ〜でも、俺は 全然 分からないのも
ちょっと寂しいかなぁ」

「ホントに〜?」

みんなで そんな話しをしながら、
気楽な気持ちで写真撮影に参加した。

智さんは、ひとりだけ
「めんどくせ〜」と言ってたけど。



それから数日後、

見本誌が出来上がったという事で 見せて貰うと、

えっ!何これ⁉️

裏表紙に、
しょおさんと僕のツーショットの写真が。

それは、
中庭の芝生に座り 2人 見つめ合って、
微笑んでいるもの。

もちろん、しょおさんの顔も僕の顔も鮮明に
写っている。


しょおさんは、

おっ、いいな この写真口笛
綺麗に写ってる。
後で、引き伸ばして貰って
額に入れて俺の寝室に飾ろうかな〜音譜

と言って喜んでいるけど....


僕としては、
小さく豆粒くらいな写真が載るだけだと
思っていたから、
裏表紙にこんなに大きく写真が載るのは、
ちょっと複雑な気持ちだった。