潤の好きな人って…。
カノジョはいないみたいだけど、
今度は、それが気になって仕方ない。
『もしかして、俺?』 なんて。
そうだったら嬉しいけれど、
今日の昼休みに 俺の耳に聞こえた
『僕も…好き』
その言葉が甦る。
そんな事を考えていたから、
潤が立ち止まったのに気付かず、
ぶつかってしまった。
ごめん🙏
うん、大丈夫
ここだよ、僕の住んでるマンション。
潤が指差したのは、
俺のマンションの隣りに立つマンション。
え〜‼️
まさか、隣りのマンションだったなんて…。
『これって運命かも?』
なんて思っていたら…
ここを潤に紹介したのは、
俺の親父だというからびっくり。
潤が、ウチの病院に勤務する事が決まった時に、
親父が知り合いの不動産屋に頼んで
探しておいてくれたのだという。
院長先生、凄く優しいから
なんて潤は言うけど、
『いやいや、それ 俺の親父と違う』
それから更に驚く事に、
潤は 俺の住むマンションが隣りだという事も
親父から聞いて知っていた。
え〜、知っていたなら教えてよ〜。
俺 全然知らなかった
そう言う俺に、
えっ、しょお先生 知らなかったの?
• • •
そんな話をしながら
エレベーターに乗り、向かった潤の部屋。
俺の心臓は 潤の部屋に近付くほど
ドキドキが激しくなっていき、
潤が部屋の鍵を開けて
しょお先生、どうぞ〜
と言った時には、足が震えて なかなか一歩が
出せない程だった。
潤に再び促され、
お邪魔しま〜す。
やっと入った潤の部屋は、
まだ引っ越したばかりで
ちょっと散らかっててごめんなさい、
と 言うけれど、
散らかっているどころか、
俺の部屋より数段 綺麗で キチンと片付いている。
テキトーに座ってて、今 夕飯作るから。
そう言うと、腰にエプロンをつけて
キッチンに立った潤。
その姿は 本当に美しくて、
そんな潤を間近で見られる俺は
凄く幸せで、
『夢なら醒めないでくれ〜‼︎』
と 思いながら 潤の料理する姿を見つめていた。
その事に気付いた潤から、
そんなに見ないで、緊張しちゃう。
テレビでも見てて。
と言われたけど、
うん、分かった。
と言いつつ、
俺はテレビを見るフリをして
横目で潤を見ていたのは、潤にはナイショ。
『やっぱり綺麗だ〜』