「そんな古ぼけたものを、
いつまで後生大事に抱えているの?」
「もう、手放したら?」
そう言われるものがある。
ずっと昔のこと。
怒り。
悲しみ。
許せない気持ち。
傍から見れば、
そんなものを抱えているから、
苦しいのだと
思えるのかもしれない。
手放したほうが、
きっと楽になれる、と。
でも。
手放したら、
あのとき傷ついた自分まで
なかったことになる気がする。
怒りを失ったら、
もう自分を守れない気がする。
忘れてしまったら、
相手を許したことになる気がする。
だから、手放せない。
それを握っていることで、
今の自分はここに立っていられる。
そう信じているから。
『ピーナッツ』のライナスが
いつも抱えている毛布みたいに。
古びていても。
きれいじゃなくても。
それを握っていることで
安心して立っていられるのなら、
「もういらないでしょう」
と、誰かが
取り上げるものでは
そう信じているから。
『ピーナッツ』のライナスが
いつも抱えている毛布みたいに。
古びていても。
きれいじゃなくても。
それを握っていることで
安心して立っていられるのなら、
「もういらないでしょう」
と、誰かが
取り上げるものでは
ないのだと思う。
いつか、
自分から手を離す日が
来るかもしれない。
来ないかもしれない。
でも
いつか、
自分から手を離す日が
来るかもしれない。
来ないかもしれない。
でも
それでいい。
必要だから、
まだ持っている。
たぶん、
それだけのこと。
必要だから、
まだ持っている。
たぶん、
それだけのこと。

