沈黙したパンと、笑うわたし

 




今日の朝ご飯は、
少しだけ、
思い通りにいかなかった。


オートミールと豆腐、
おからパウダーにタピオカ粉。

それもありかもと、
1次発酵を
ヨーグルトメーカーに委ねた生地は、
いつもよりずっしり重い。


とりあえず、 
最後までやってみようと、
ひとつはあんぱんに。


もう一つはウィンナーをのせて、
いつものように、
こたつに押し込んだ。


途中で、
妙に胸騒ぎがして、
のぞいたこたつの中。

ふたつのパンは、
ひんやりと沈黙を守っていた。


失敗は、我が宝。
失敗とは、
みずから認めたときのみ。


そのまま、
オーブントースターで
焼きに入った。





あんぱんは、
フランスあんパンみたいで、
これはこれで悪くない。


そして、ウインナーの方は、
…すこし、しわい。


けれど不思議なことに、
味だけは、
今までまでいちばんよかった。


発酵が十分でなかったぶん、
生地の密度がぎゅっと詰まって、
旨みや甘みが逃げずに残ったのかも。


今朝の生地は、
軽やかさを失った代わりに、
深みを手に入れたのかもしれない。

まるでわたしみたいに(笑)


整いきらなかった形には、
まだ余白があって。

きっと、
ここから、もう少し良くなる。


それに、こういうのは、
誰かに見せて、
一緒に笑うのが好き。


仲のいい人なら、
「いいじゃん」って、
きっと一緒になって、
笑ってくれる。


そして、そうやって、
またひとつ、
次が楽しみになる。