はじめましてに代えて

醒めている祈り

―― わたしの言葉は、いつもここから始まります。







  穂 先 の 逆 襲 

─小麦をつかわない、という選択のその先



 



ついに、できた!










​焼きたてを頬張る。




外側はカリッと音を立て、

内側はふわっとほどける。




ベーコンの脂のコク、塩の芯、黒胡椒のキレ、

そして穀物の香ばしさ。




これだけで、無敵に旨い。




実はこれ、小麦粉を一切使っていない。




オートミールを

イースト菌で発酵させて焼いたもの。






​かつて、

グルテンフリーのレシピを検索しては、

その情報量にくらくらしていた。




1グラム単位の微細な計量に

温度・間といった複雑な工程。




その「正解」を追うことに必死だった。









​今は違う。




レシピと向き合う時間より、

生地の感触と向き合う時間。




オートミールの高い吸水率を考慮し、

手のひらで感じる硬さを頼りに

水分と油分を整える。




タピオカ粉で「カリッ」を演出し、

苦手なマヨネーズは潔く省く。




「入っているから正解」ではなく

「なくても成立する」か。






​この1週間、毎日イーストと向き合った。




化学反応で一気に膨らむ

ベーキングパウダーの軽さも良いけれど、


酵母が時間をかけて作る、

あの均一で繊細な気泡が欲しかった。



​小麦に近づけるために始めたけれど、

途中で、

その必要がないことに気づく。



これは、小麦の代わりではない。



オートミールという素材が辿り着いた、

新しい「旨い」の形。







もし、これをどこかで売っていたら。



迷わない。



自分のために、

絶対に買う。





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朝、そんな「攻め」の

ベーコンエピを焼いたけれど、


お昼前、体に熱がこもり始めた。




​熱が上がる体と対話して、


今の自分が欲しているものを、

ひとつの皿に。






​料理名は、「だらりん東風(こち)」。




海老やにんじん、春菊、パクチーなどを煮込み、


ナンプラーと塩麹、

ココナッツウォーターで整えたスープ。




そこへ、

お豆腐とタピオカ粉を練り上げた

「お餅のようなもの」を。




胃に負担をかけずに、

タンパク質を摂りながらも、

噛まずに喉を通るやさしさ。




仕上げの黒胡椒とレモン果汁が、

ぼんやりした意識を引き締めてくれる。




​今朝の「攻め」から、

午後の「守り」へ。




しっかり休んで、

また自分の真ん中を取り戻そう。




​少し熱が上がってきているので、


明日の投稿はお休みするかもしれません。




​まずは、ゆっくり。




おやすみなさい。