はじめましてに代えて

醒めている祈り

―― わたしの言葉は、いつもここから始まります。




窓 辺 の 景 色、窓 辺 の 鼓 動 








94円の投げ売りだったパンジー。

新しい鉢に植え替えて数日、

急にぐったりと項垂れてしまった。



​よく見ると、

茂った葉の奥に小さな蕾たちが隠れている。







この子たちに繋ぎたくて、

しおれた花と大きな葉を思い切って摘み取った。







活性剤も抜き、

受け皿の水を捨て、

「何もしない」という手入れをする。 




​今は、残した小さな葉と蕾の生命力を信じて、

ただ土が乾くのを待つ時間。




隣では、ヒアシンスの根元に

小さな緑が顔を出していた。







角度を変えて、よく見ると、

カランコエの黄色に混じって

ヒアシンスも、花をほどき始めていた。







​見慣れた景色の中の、小さな見落とし。



​同じ色、違う花。

窓辺の鼓動が、またひとつ重なった。




パンジーが「耐える時期」なら、

ヒアシンスは「動く時期」。




親指姫はというと、

三姉妹のうちの次女が、

夜になっても花を閉じなくなった。







開ききって、

今にも散りそうな最後の輝き。



少しでも長く一緒にいたくて、

光の柔らかな床へと移した。




それぞれがそれぞれのペースで、

生きるプロセスの中にいることを

見せてくれている。




わたしにできることは、

その最初から最後までを

しっかり見守ること。




そして、彼らがそのプロセスを全うできるように、

そっと手助けをすること。



めずらしく雪の舞う土曜の午後。



​窓辺の景色は、

今日も少しずつ、

でも確実に動いている。